赤木川 支流 小口川 支流 滝本本谷
滝本本谷
燈明滝
| 所在地 | 和歌山県那智勝浦町
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|---|---|
| お勧め度 | ★★★★★ |
| 難易度 | ◆◆◆◆◆ |
| 訪問日 | 2025/08/16 |
2024年10月20日
素晴らしすぎた滝本北谷の翌日。
前日は食料調達や温泉入る為に県道44号を北上し、新宮市の繁華街へと向かいました。
そして道の駅で車中泊をして、再び県道44号を南下して滝本周辺へ。
この県道が狭くてカーブが多くて、時には両端共に崖の箇所もあって非常に緊張する運転を強いられる。
正直、北谷、本谷の遡行よりもこの運転が一番危うかったです。
前日と同じく空き地に駐車。
同じように準備して、今回は南へ進み、滝本本谷へと踏み入れます。
まずはデカデカと案内のある宝龍滝へ。
ここはしっかりとした観光地。でも大きさ、迫力、美しさなどトータルバランス良すぎる直瀑。 滝壺の深さにビビるものがあるし、広さにも驚く。
そして力強い一本の滝がドカンと落下する。男らしいのに、とても品のある丁寧でお行儀の良い滝です。
ぶっちゃけこの滝で十分にお腹一杯になれます。でも今回の目的はこの滝を越えた上流部なので、通過点と割り切って気持ちを落ち着かせます。
観光地はここまで、この先はいつもの沢登りです。
今日も沢山の滝と出会えると思うとワクテカですね。
って気分良く歩き始めると、体の異変に気付く。
尻が、、、、いてぇ。
尾骨の芯から痛みが響く。ズクンズクン言ってる。
ああ、そうか。昨日の屏風滝での岩との衝突が原因だ。
尾骨の痛みはまさに腰痛とカンチョーを足して2で割った感じ。
小股で歩いている時はまだ痛みは少ないけれど、段差の大きい場所で力を入れると声が出ちゃう痛みが走る。
これはかなりキツい感じ。
でも中止するという選択肢は有り得ない。
尾骨の痛みと、滝に会えない痛み、天秤にかけた時、滝に会えない方が痛いんだよね。
ただやはり万全ではないので、歩みは遅く、テンションも落ちる。
同行者のフグさんにもその旨を伝えておく。昨日はハイテンションではっちゃたけど、今日は耐える滝巡りとなりそうだ。
なるだけ迷惑掛からないように頑張ろう。
滝本本谷はこの巨大な宝龍滝の高巻きから始まる。ここがこの滝の肝となり、最初で最後の難所と言えるだろう。
大きな左岸巻きとなります。
滝を終えたら駐車場に戻る感じで歩くと、左(北)から流れる沢がありますので、ほんのちょっと別の谷を遡行。
左手に岩壁を見つつ進んでいくとピンクテープが見つかります。
ここが高巻きの起点です。昔はちゃんと階段があったようですが、今は残骸だけになっています。
さあ登りましょうか、いやいやちょっと待ったコール。
高巻きを始める前に、寄り道しましょう。
西から入る別の谷には野々滝があります。
すぐに会えますのでご挨拶した方が良いです。
道路沿いの看板には野々滝の文字も表示されていますが、こちらの遊歩道は無くなっているので、観光者が立ち寄ることはありません。
でも昔は観光地だったので、滝に行くのは容易です。
野々滝。
落差40m程の分岐瀑。
駐車場から10分くらいで会えるお気楽な部類の滝です。
それなのに、素晴らしい美しさ。
宝龍滝に隠れていますが、文句なく主役張れる一本。
サッと出会ったから衝撃は弱いけど、2~3時間ヒーコラ歩いた先にこの滝があれば泣いちゃうかもね。
力強い幅広の分岐瀑って本当に素敵だよね。
本谷を高巻く前に、隣に滝があるんだから立ち寄りましょう程度のフラッとな感覚で訪れたのが申し訳無くなり野々滝に失礼を詫びました。
この滝は感動する。絶対に会いましょう。
本谷遡行が始まっていないのに、宝龍滝と野々滝というワンダフルな滝を魅せられて時間が経過してしまった。
そろそろ高巻きを始めましょう。
先ほど見つけたピンクテープまで戻り、岩壁に取り付きます。
階段のあった旧道のはずですが、超急斜面です。
しかしよく踏まれているので足元は明確。それに木の根や枝が豊富なので、持つ手にも困りません。
しっかり手足が固定出来れば安定して登っていけます。急斜面故に高さに怯むモノがありますが冷静にいけば大丈夫です。
かくいう私は尾骨の痛みから斜面で踏ん張ると悶えたりもしましたが、何とか登り切りました。
休む間がない急斜面の先は唐突に平坦になります。大きく深呼吸して一旦落ち着けました。もうこれで緊張する登りはありませんから安心して下さい。
崖しか見えていなかった景観から、やや視界が開けて、その先には滝が見えています。
踏み跡も見えて、緩やかに斜面を下れば宝龍滝の上段(二の滝)に到着です。
下段(一の滝)と同様に広く深い滝壺を持ち、落差も50m程と大きく迫力満点。
直瀑ではあるけれど、途中でちょっと岩壁に当たり角度を変えて落ちています。
単純一途な直瀑の性格は好きだけど、ここはやや性格が曲がってるかな。
たぶん、この二の滝に手品見せてもタネを見破ってくる気がする。
野球でいえばカットボールかな。打とうとスイングしたら手元でスッと角度が変わって凡打にさせられる憎い投球。
そんな訳で個人的には一の滝のどストレートの方が好きです。気持ち良く打たせてくれます。 二の滝の高巻きは安全。
同じく左岸からで、杉の木が広がる樹林帯を緩やかに登って行きます。
それを終えて、再び本谷に戻るとようやく本谷の遡行が始まります。
見事な幕岩があったりデッカイ岩が転がってたりと非常に特徴的な谷に興奮。
そんな遡行を15分もすれば滝の連続が登場します。
コッペ三連星です。下コッペ、中コッペ、奥コッペとジェットストリームアタックを仕掛けて来ますので、モビルスーツがやられないように気を付けましょう。
ちなみに数あるアンパンマンのキャラクターの中で、コッペパンマンはいないってのがビックリだぜ。
12へェーを差し上げます。
って事で下コッペ滝です。
これはコンパクトにまとまっていてかなり綺麗。行ったときの条件も良かったかな。
光輝いていて美しさ倍増でした。
ここは深い滝壺があるので、左岸の高巻き道から飛び込みが出来ます。
飛びたくてウズウズしたけれど、尾骨の痛みに耐えてる状態では、より悪化したら大変になりそうだったので自粛しました。
ちくしょう、無念だ。
左岸高巻き道はヨッコイショと踏ん張って一気に登るタイプ。
登る幅は大きいけれど、掴める根が豊富なので安心して巻きます。
次いで中コッペ滝。
二段の滝で、渓流瀑な感じだね。滝が見えた瞬間に慌てて急斜面を無理くりに下りて滝前に出たけれど、左岸高巻き道を進んでいけば、回り込みつつ安全に滝前に出れます。
無駄な努力をした感じになりました。
上段の深い滝壺が印象的。鮮やかだね。吸い込まれそうな妖しい滝壺が魅力的でどことなく怖さを感じました。
ここも左岸巻き。しっかり踏み跡あるので安心して登っていけます。
すると唐突に取水堤の登場。
人工物に萎えるものがありますが、もしもコッペ滝群で水量が少ないの物寂しく思った方には朗報。
ここで取水している訳ですから、その先は水量増となります。
我々が訪問時には有難いことに水量は安定していたので、取水提の上も下も関わらず豊かな滝姿に会えました。ほんと私は水量には縁があります(雨にもやられますが)。
さてその上には驚くことに観光地の登場です。
「藤網の要害」。平家の落人伝説だって。よく分からないけどなんか歴史を感じた。
観光地を挟んでガンダムの話に戻る。
最後尾のオルテガ機がバズーカ砲を────もとい、奥コッペ滝です。 コッペ三連星の最後を飾る幅広の滝。周囲が広葉樹に囲われているので、新緑や紅葉時期はより美しくなるだろう。絵になる滝です。
ここは右岸巻き。
北谷と同様、本谷の岩壁も素晴らしい。体積を求めたくなってしまうような良い形の岩が直立している。神殿に来た感じでロマンがあるね。
そしてこの滝本本谷の宝龍滝との二枚看板である燈明滝の登場。
ヨッ! ナイス分岐直瀑!
なんとも不思議なブロックを積んだような岩盤が魅力的。城の石垣みたい。
落差は40mくらいだろうか、それよりも幅広であるのが良い。
迫力があって、綺麗でもある。切り取り方次第で、見方が変わる。
お気に入りのポイントは人それぞれ違うだろうが、この滝で興奮しない人はいないだろう。
しかしここでは暗雲にやられてしまう。
スコールと言って過言ではない程の雨が唐突に我々を襲った。
大きな木の下に入って、カッパを着込んで雨を凌ぐ。
滝と向き合いたくても雨が強すぎて滝前に行く気になれない。
この調子でずっと雨が降り続けるかも知れない。
でも天気予報では1時間だけ雨マークになっていたので、それを信じることにした。
待機というのは非常に無駄な時間ではあるけれど、まだこの滝との対峙に満足していない自分として雨が止むのを願った。
20分は待っただろう。
黒い雲は突然に立ち去り、青空と共に光の柱が滝を刺した。
滝名の通り、燈明に照らされた。
分岐する水が、岩肌が、濡れた木々の葉が輝く。憂いは晴れた。
燈明の意味には「闇をさ迷う人間の心を表すように、灯りにより救い出される」もあるようです(8ヘェー)
正しくその意味をこの滝で体感した。
その奇跡的な瞬間をこの滝で相まみえた事が素晴らしい。もしかしたら燈明滝が狙ったナイス演出なのかも知れない。
雨は確かに辛かったけれど、それが晴れた時の美しさはハンパなかったです。
ちなみにデザインがよく似ているお隣の滝本北谷にあるケヤキ原の滝とは標高差で30mしか違わないので、ほぼ同じ岩盤が横に走っているのでしょうね。
この大きな滝は左右どちらでも高巻けるようです。
よく記載されてるのは左岸なのですが、右岸の方が楽に見えたので(それに右岸の方が最後まで滝に近づける)物は試しで右岸へ踏み入れたところ、ロープはあるし踏み跡はバッチリだしで問題なく燈明滝を越えられました。
10分ほど進むと次の白滝の登場。
ここは燈明滝を小さくした感じ。親子といっても過言ではない。
親を見た後では、子供は小さく可愛く思えてしまう。
右岸から巻いたかな。これもどっちでも巻けるようです。
この先は傾斜がきつい所があったり、大岩に進行を阻まれたりと思うように進めずにヤキモキする感じ。
結構歩きづらくてイライラしたぞ!
20分後、そんでもってようやくナメラゴの滝。
なめらか~でお優しい滝だ。ふくよかな方のほっぺみたいでプニプニしたくなった。
ここの巻きも右岸。
色々な方の記事によると、この滝の高巻き中に中間尾根へと行く巡視路があるようだ。
登ってれば路に出会うなら好都合。
で、登ってる最中に濃い踏み跡が見つかって、とりあえずナメラゴの滝の落ち口へと立つ。
ここからのナメの景色も良かったね。
滝本本谷の名のある滝はこれで終了。
今日は埼玉まで帰らないと行けないので、ここで打ち切りとして下山します。
さっき見つけた踏み跡を逆に辿れば尾根道に出られるのだろうと思ったのだけど、ちょっと歩いた先(まだナメラゴの滝が見える辺り)で踏み跡は唐突に消えた。
あれ? これ巡視路じゃないのかな? 周辺を探しても路は見つからない。
じゃあ仕方ないとナメラゴの滝の落ち口から先、ナメを軽く進み、その先にある北へと伸びる尾根へと取りついた。
そこには鳥獣除けのフェンスがベルリンの壁のように立ちふさがってて、とりあえずそのフェンス脇になんとなく踏み跡が見えたので辿ってみた。
だけど徐々に踏み跡は薄くなり、よく分からない感じに。
結構登ってきちゃって、今更戻るのも面倒なので強引に歩みを進めた。
あーだこーだ突撃してたら尾根の巡視路に乗れて、あとは昨日と同様に下って駐車場に戻りました。
もっとスマートに下山したかったけれど、我武者羅な感じでちょっとダサい最後でした。
前日は食料調達や温泉入る為に県道44号を北上し、新宮市の繁華街へと向かいました。
そして道の駅で車中泊をして、再び県道44号を南下して滝本周辺へ。
この県道が狭くてカーブが多くて、時には両端共に崖の箇所もあって非常に緊張する運転を強いられる。
正直、北谷、本谷の遡行よりもこの運転が一番危うかったです。
前日と同じく空き地に駐車。
同じように準備して、今回は南へ進み、滝本本谷へと踏み入れます。
まずはデカデカと案内のある宝龍滝へ。
ここはしっかりとした観光地。でも大きさ、迫力、美しさなどトータルバランス良すぎる直瀑。 滝壺の深さにビビるものがあるし、広さにも驚く。
そして力強い一本の滝がドカンと落下する。男らしいのに、とても品のある丁寧でお行儀の良い滝です。
ぶっちゃけこの滝で十分にお腹一杯になれます。でも今回の目的はこの滝を越えた上流部なので、通過点と割り切って気持ちを落ち着かせます。
観光地はここまで、この先はいつもの沢登りです。
今日も沢山の滝と出会えると思うとワクテカですね。
って気分良く歩き始めると、体の異変に気付く。
尻が、、、、いてぇ。
尾骨の芯から痛みが響く。ズクンズクン言ってる。
ああ、そうか。昨日の屏風滝での岩との衝突が原因だ。
尾骨の痛みはまさに腰痛とカンチョーを足して2で割った感じ。
小股で歩いている時はまだ痛みは少ないけれど、段差の大きい場所で力を入れると声が出ちゃう痛みが走る。
これはかなりキツい感じ。
でも中止するという選択肢は有り得ない。
尾骨の痛みと、滝に会えない痛み、天秤にかけた時、滝に会えない方が痛いんだよね。
ただやはり万全ではないので、歩みは遅く、テンションも落ちる。
同行者のフグさんにもその旨を伝えておく。昨日はハイテンションではっちゃたけど、今日は耐える滝巡りとなりそうだ。
なるだけ迷惑掛からないように頑張ろう。
滝本本谷はこの巨大な宝龍滝の高巻きから始まる。ここがこの滝の肝となり、最初で最後の難所と言えるだろう。
大きな左岸巻きとなります。
滝を終えたら駐車場に戻る感じで歩くと、左(北)から流れる沢がありますので、ほんのちょっと別の谷を遡行。
左手に岩壁を見つつ進んでいくとピンクテープが見つかります。
ここが高巻きの起点です。昔はちゃんと階段があったようですが、今は残骸だけになっています。
さあ登りましょうか、いやいやちょっと待ったコール。
高巻きを始める前に、寄り道しましょう。
西から入る別の谷には野々滝があります。
すぐに会えますのでご挨拶した方が良いです。
道路沿いの看板には野々滝の文字も表示されていますが、こちらの遊歩道は無くなっているので、観光者が立ち寄ることはありません。
でも昔は観光地だったので、滝に行くのは容易です。
野々滝。
落差40m程の分岐瀑。
駐車場から10分くらいで会えるお気楽な部類の滝です。
それなのに、素晴らしい美しさ。
宝龍滝に隠れていますが、文句なく主役張れる一本。
サッと出会ったから衝撃は弱いけど、2~3時間ヒーコラ歩いた先にこの滝があれば泣いちゃうかもね。
力強い幅広の分岐瀑って本当に素敵だよね。
本谷を高巻く前に、隣に滝があるんだから立ち寄りましょう程度のフラッとな感覚で訪れたのが申し訳無くなり野々滝に失礼を詫びました。
この滝は感動する。絶対に会いましょう。
本谷遡行が始まっていないのに、宝龍滝と野々滝というワンダフルな滝を魅せられて時間が経過してしまった。
そろそろ高巻きを始めましょう。
先ほど見つけたピンクテープまで戻り、岩壁に取り付きます。
階段のあった旧道のはずですが、超急斜面です。
しかしよく踏まれているので足元は明確。それに木の根や枝が豊富なので、持つ手にも困りません。
しっかり手足が固定出来れば安定して登っていけます。急斜面故に高さに怯むモノがありますが冷静にいけば大丈夫です。
かくいう私は尾骨の痛みから斜面で踏ん張ると悶えたりもしましたが、何とか登り切りました。
休む間がない急斜面の先は唐突に平坦になります。大きく深呼吸して一旦落ち着けました。もうこれで緊張する登りはありませんから安心して下さい。
崖しか見えていなかった景観から、やや視界が開けて、その先には滝が見えています。
踏み跡も見えて、緩やかに斜面を下れば宝龍滝の上段(二の滝)に到着です。
下段(一の滝)と同様に広く深い滝壺を持ち、落差も50m程と大きく迫力満点。
直瀑ではあるけれど、途中でちょっと岩壁に当たり角度を変えて落ちています。
単純一途な直瀑の性格は好きだけど、ここはやや性格が曲がってるかな。
たぶん、この二の滝に手品見せてもタネを見破ってくる気がする。
野球でいえばカットボールかな。打とうとスイングしたら手元でスッと角度が変わって凡打にさせられる憎い投球。
そんな訳で個人的には一の滝のどストレートの方が好きです。気持ち良く打たせてくれます。 二の滝の高巻きは安全。
同じく左岸からで、杉の木が広がる樹林帯を緩やかに登って行きます。
それを終えて、再び本谷に戻るとようやく本谷の遡行が始まります。
見事な幕岩があったりデッカイ岩が転がってたりと非常に特徴的な谷に興奮。
そんな遡行を15分もすれば滝の連続が登場します。
コッペ三連星です。下コッペ、中コッペ、奥コッペとジェットストリームアタックを仕掛けて来ますので、モビルスーツがやられないように気を付けましょう。
ちなみに数あるアンパンマンのキャラクターの中で、コッペパンマンはいないってのがビックリだぜ。
12へェーを差し上げます。
って事で下コッペ滝です。
これはコンパクトにまとまっていてかなり綺麗。行ったときの条件も良かったかな。
光輝いていて美しさ倍増でした。
ここは深い滝壺があるので、左岸の高巻き道から飛び込みが出来ます。
飛びたくてウズウズしたけれど、尾骨の痛みに耐えてる状態では、より悪化したら大変になりそうだったので自粛しました。
ちくしょう、無念だ。
左岸高巻き道はヨッコイショと踏ん張って一気に登るタイプ。
登る幅は大きいけれど、掴める根が豊富なので安心して巻きます。
次いで中コッペ滝。
二段の滝で、渓流瀑な感じだね。滝が見えた瞬間に慌てて急斜面を無理くりに下りて滝前に出たけれど、左岸高巻き道を進んでいけば、回り込みつつ安全に滝前に出れます。
無駄な努力をした感じになりました。
上段の深い滝壺が印象的。鮮やかだね。吸い込まれそうな妖しい滝壺が魅力的でどことなく怖さを感じました。
ここも左岸巻き。しっかり踏み跡あるので安心して登っていけます。
すると唐突に取水堤の登場。
人工物に萎えるものがありますが、もしもコッペ滝群で水量が少ないの物寂しく思った方には朗報。
ここで取水している訳ですから、その先は水量増となります。
我々が訪問時には有難いことに水量は安定していたので、取水提の上も下も関わらず豊かな滝姿に会えました。ほんと私は水量には縁があります(雨にもやられますが)。
さてその上には驚くことに観光地の登場です。
「藤網の要害」。平家の落人伝説だって。よく分からないけどなんか歴史を感じた。
観光地を挟んでガンダムの話に戻る。
最後尾のオルテガ機がバズーカ砲を────もとい、奥コッペ滝です。 コッペ三連星の最後を飾る幅広の滝。周囲が広葉樹に囲われているので、新緑や紅葉時期はより美しくなるだろう。絵になる滝です。
ここは右岸巻き。
北谷と同様、本谷の岩壁も素晴らしい。体積を求めたくなってしまうような良い形の岩が直立している。神殿に来た感じでロマンがあるね。
そしてこの滝本本谷の宝龍滝との二枚看板である燈明滝の登場。
ヨッ! ナイス分岐直瀑!
なんとも不思議なブロックを積んだような岩盤が魅力的。城の石垣みたい。
落差は40mくらいだろうか、それよりも幅広であるのが良い。
迫力があって、綺麗でもある。切り取り方次第で、見方が変わる。
お気に入りのポイントは人それぞれ違うだろうが、この滝で興奮しない人はいないだろう。
しかしここでは暗雲にやられてしまう。
スコールと言って過言ではない程の雨が唐突に我々を襲った。
大きな木の下に入って、カッパを着込んで雨を凌ぐ。
滝と向き合いたくても雨が強すぎて滝前に行く気になれない。
この調子でずっと雨が降り続けるかも知れない。
でも天気予報では1時間だけ雨マークになっていたので、それを信じることにした。
待機というのは非常に無駄な時間ではあるけれど、まだこの滝との対峙に満足していない自分として雨が止むのを願った。
20分は待っただろう。
黒い雲は突然に立ち去り、青空と共に光の柱が滝を刺した。
滝名の通り、燈明に照らされた。
分岐する水が、岩肌が、濡れた木々の葉が輝く。憂いは晴れた。
燈明の意味には「闇をさ迷う人間の心を表すように、灯りにより救い出される」もあるようです(8ヘェー)
正しくその意味をこの滝で体感した。
その奇跡的な瞬間をこの滝で相まみえた事が素晴らしい。もしかしたら燈明滝が狙ったナイス演出なのかも知れない。
雨は確かに辛かったけれど、それが晴れた時の美しさはハンパなかったです。
ちなみにデザインがよく似ているお隣の滝本北谷にあるケヤキ原の滝とは標高差で30mしか違わないので、ほぼ同じ岩盤が横に走っているのでしょうね。
この大きな滝は左右どちらでも高巻けるようです。
よく記載されてるのは左岸なのですが、右岸の方が楽に見えたので(それに右岸の方が最後まで滝に近づける)物は試しで右岸へ踏み入れたところ、ロープはあるし踏み跡はバッチリだしで問題なく燈明滝を越えられました。
10分ほど進むと次の白滝の登場。
ここは燈明滝を小さくした感じ。親子といっても過言ではない。
親を見た後では、子供は小さく可愛く思えてしまう。
右岸から巻いたかな。これもどっちでも巻けるようです。
この先は傾斜がきつい所があったり、大岩に進行を阻まれたりと思うように進めずにヤキモキする感じ。
結構歩きづらくてイライラしたぞ!
20分後、そんでもってようやくナメラゴの滝。
なめらか~でお優しい滝だ。ふくよかな方のほっぺみたいでプニプニしたくなった。
ここの巻きも右岸。
色々な方の記事によると、この滝の高巻き中に中間尾根へと行く巡視路があるようだ。
登ってれば路に出会うなら好都合。
で、登ってる最中に濃い踏み跡が見つかって、とりあえずナメラゴの滝の落ち口へと立つ。
ここからのナメの景色も良かったね。
滝本本谷の名のある滝はこれで終了。
今日は埼玉まで帰らないと行けないので、ここで打ち切りとして下山します。
さっき見つけた踏み跡を逆に辿れば尾根道に出られるのだろうと思ったのだけど、ちょっと歩いた先(まだナメラゴの滝が見える辺り)で踏み跡は唐突に消えた。
あれ? これ巡視路じゃないのかな? 周辺を探しても路は見つからない。
じゃあ仕方ないとナメラゴの滝の落ち口から先、ナメを軽く進み、その先にある北へと伸びる尾根へと取りついた。
そこには鳥獣除けのフェンスがベルリンの壁のように立ちふさがってて、とりあえずそのフェンス脇になんとなく踏み跡が見えたので辿ってみた。
だけど徐々に踏み跡は薄くなり、よく分からない感じに。
結構登ってきちゃって、今更戻るのも面倒なので強引に歩みを進めた。
あーだこーだ突撃してたら尾根の巡視路に乗れて、あとは昨日と同様に下って駐車場に戻りました。
もっとスマートに下山したかったけれど、我武者羅な感じでちょっとダサい最後でした。
6:40 駐車スペース 出発
7:00 宝龍滝(一の滝)
7:25 - 7:40 野々滝
8:05 - 8:20 宝龍滝(二の滝)
8:45 下コッペ滝
9:20 中コッペ滝
9:50 藤網の要害
9:55 奥コッペ滝
10:30 - 11:45 燈明滝
12:00 白滝
12:35 ナメラゴの滝
14:25 駐車スペース 到着
7:00 宝龍滝(一の滝)
7:25 - 7:40 野々滝
8:05 - 8:20 宝龍滝(二の滝)
8:45 下コッペ滝
9:20 中コッペ滝
9:50 藤網の要害
9:55 奥コッペ滝
10:30 - 11:45 燈明滝
12:00 白滝
12:35 ナメラゴの滝
14:25 駐車スペース 到着













