蓮川 支流 絵馬小屋谷
五ヶ所滝
| 所在地 | 三重県松阪市
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|---|---|
| お勧め度 | ★★★★★ |
| 難易度 | ◆◆◆◆ |
| 訪問日 | 2025/08/14 |
2024年10月20日
昨年の桶川の滝へと訪れた際に、感動したという話をした所、keiさんから「それなら五ヶ所滝にも行った方が良い」とお勧めされました。
keiさんが語るに、奇瀑三滝を上げるなら五ヶ所滝、桶川の滝、銚子谷不動滝だと。
そんな奇跡、奇妙、奇怪な五ヶ所滝を楽しむ為に紀伊半島まで頑張って走りました。
今回も前日の22時から走り始め、現地には4時30分位に到着。トイレ休憩にサービスエリアに一度寄っただけで、ひたすら走行しまくりました。
相変わらずだけど、滝の為によく頑張るわと自分に感心するし呆れもする。 集合場所は蓮ダム事務所の入口前。ここにはトイレがあるし、電波もあるので安心です。
ただ駐車場がある訳ではないので、路肩に止める感じになるのかな。
ここから絵馬小屋谷に向かうべく、まずは各々の車で谷の入口まで走ります。
絵馬小屋谷の林道終点には駐車スペースがありますが、マックス4台(転回を考えると3台が無難か)と沢山は止められません。
なので林道入口付近の空いている場所に3~4台は置けるので、そこで相乗りして林道終点まで行きました。 終点は二つの谷の出合いとなっており、右手はノエ股谷。正面が絵馬小屋谷です。
ではではえだ2さんの案内のもと遡行の始まりです。
途中までは右岸に踏み跡とロープが張ってありますが、これがまた絶妙なトラバースを強いられるので、そのまま沢の中を濡れながら進んだ方が安心です。 五ヶ所滝までは単調な沢登りで難所はない模様で、難しいところもない安心安全な遡行が続きます。
見所というばこの行合という廊下。 両岸狭まり光が届かぬ峡谷。良い威圧感がありますね。
ここに滝があれば物凄い難所になったでしょうが、拍子抜けするくらい平穏であっさり抜けられました。
それを過ぎると右岸に観音滝がある、とえだ2さんは教えてくれましたが、それは五ヶ所滝が終わってから訪れる事にして、ひとまず先に進みます。 出発から60分。深い淵を持った五ヶ所滝の最下段に到着です。
ここからでは全く全容は掴めません。ただ5m程の滝があるってだけで感情が動かされる事はありません。
ちなみに深くキレイな滝壺に、フグさんは問答無用で飛び込んでおりました。夏だわ。
本体?というか核心部の中段へ向かうには二通りあります。
深い淵を泳いで左の岩壁を登っていく方法。
これは当然ながら超凄い人が凄い技術を駆使して越えていくルート。最高にカッコいいです。
そんな訳で我々は左岸巻きです。 滝壺前から左岸岩壁を眺めつつ戻っていくと登りやすそうな階段状になっている棚が見えます。
ここを進んでいくと2mくらい垂直の岩壁に当たります。
そこには足をかけて下さいなと言ってくれてる大木があるので、それをうまく利用するとスムーズに越えられます。
その大木よりも奥へ行っても越えられますので、お好みの取りつきやすい箇所を探してください。
今ならえだ2さんがロープを残置してくれましたので、より安心して越えられます。チャンスです。
岩壁の上まで来れたら平坦となり、先に進めば五ヵ所滝が見えてきます。
そこは正面からではなく滝を見下ろす状態となります。
俯瞰する滝はまだ遠く、でも全貌が望めます。 すごい。
深く抉られた谷を縫うようにうねりながら流れ落ちる様。岩肌の禍々しさと水の清さが相まって艶美に輝いています。
その特異な岩盤は年輪のように時を刻み、水が生き生きと躍動しています。
水の勢いで岩が削れ、その度に流れを変えて、新たに岩が削れている。
歴史が凄くよく分かる。
一体、この姿形になるまでどれだけの年月が経過したのだろう。想像がつかない。
長く永く刻まれた岩と水の共演。何度となく姿を変え、幾度となく流れを変えてきたのだろうと想像は容易い。
今この瞬間の芸術が、ただただ愛おしく慈しむ。
博物館にいるような、太古の書物を手にとっているかのような非常に畏れ多い大変貴重な存在であり、その姿を見られたその一瞬に感謝が募る。
愛おしい。
胸に刺さる。
この感情はなんだ。初めての衝動だ。
これほど歴史を感じられる滝は初めてであり、大切にしなければならないと思った。
自分よりも遥かに長く存在している五ヶ所滝に対して、私なんかが何かを語るのはおこがましい。
見ていて尊くなると共に、鳥肌が立ち、泣きそうになってしまった。
その時の感情はこの歌が当てはまる。 「この気持ちは何だろう? この気持ちはなんだろう。
目に見えないエネルギーの流れが 大地から足の裏を伝わって」
正しくこれでした。
現在、私たちは左岸の高台から滝を見下ろしているが、左岸をそのまま登っていくと安全に滝の落ち口まで進み、そこから簡単に渡渉が出来て、右岸の緩やかな斜面を下っていくと五ヶ所滝メインの正面に立てます。
弧を描いて流れ落ちる姿は正面からでは望めない。それは先人の方の写真を見ていて分かっている事で予習済。
この核心部をちゃんと見たいってのが今回の目的でもあるので、フグさんが背負ってきたロープ(ありがとうございます!)で左岸から懸垂下降を試みる。
キャニオニングの下降方法の実践としてMMOをフグさんに見て頂いた。無事にちゃんとした結びが出来てホッとした。
家の中でロープとカラビナを出して体が滑らかに動くまで練習してきて良かった。嫁さんからは「うるせえ」と怒られたけど。 フグさん指導の下に五ヶ所滝の核心へと降りていく。そして降り立つ滝の中。
頭が捻じられるような錯覚。
カイジの世界ならば「グニャア」となってザワザワしている。
抉られた岩、刻まれた歴史、滑り落ちる滝水、感激感涙!
なんっっって美しく躍動感のある事か!
興奮しまくりまくった。
ついで、えだ2さん、フグさんも下降してくる。
そしてみんなで正面から滝を見る。 真下から見る滝もやはりとても不思議な世界。
歴史の縮図というべきか、岩と水の絆で描かれた流れは刻一刻と姿を変えていくのだろう。また来るときは、流れは違ったものになっているかも知れない。一期一会を大切にしよう。
先ほど高巻いた下段の上(落ち口)にいる訳だが、そこはゴルジュの中ではあるけれど、寛げるスペースが広がっているのが有り難い。
両岸が高く聳え立っているため光はあまり届かず暗い空間となっている。
というかほぼ洞窟の中にいる感じだ。
真夏だから気持ち良く座れるけど、他の季節だとちと寒い空間になるかな。
一通り滝撮影を終えると、さあ帰りましょうとなるのだけど、私から出た言葉は「おかわり」だった。 もう一度、あの流れの中に入りたくてまた懸垂下降して五ヶ所滝と触れ合った。
若くはないので、二回戦に進むことは無くなったけど(これは下ネタですよ!)、この滝は別でしたね。
時間が許せば三回戦もやりたかったけど、大変満足させて頂きました。
大切にしたい、この滝、この一瞬。 どの滝だって貴重な存在であるけれど、五ヶ所滝には特にそう感じました。
自然遺産とかで保護されたらいいのにな。
keiさんが語るに、奇瀑三滝を上げるなら五ヶ所滝、桶川の滝、銚子谷不動滝だと。
そんな奇跡、奇妙、奇怪な五ヶ所滝を楽しむ為に紀伊半島まで頑張って走りました。
今回も前日の22時から走り始め、現地には4時30分位に到着。トイレ休憩にサービスエリアに一度寄っただけで、ひたすら走行しまくりました。
相変わらずだけど、滝の為によく頑張るわと自分に感心するし呆れもする。 集合場所は蓮ダム事務所の入口前。ここにはトイレがあるし、電波もあるので安心です。
ただ駐車場がある訳ではないので、路肩に止める感じになるのかな。
ここから絵馬小屋谷に向かうべく、まずは各々の車で谷の入口まで走ります。
絵馬小屋谷の林道終点には駐車スペースがありますが、マックス4台(転回を考えると3台が無難か)と沢山は止められません。
なので林道入口付近の空いている場所に3~4台は置けるので、そこで相乗りして林道終点まで行きました。 終点は二つの谷の出合いとなっており、右手はノエ股谷。正面が絵馬小屋谷です。
ではではえだ2さんの案内のもと遡行の始まりです。
途中までは右岸に踏み跡とロープが張ってありますが、これがまた絶妙なトラバースを強いられるので、そのまま沢の中を濡れながら進んだ方が安心です。 五ヶ所滝までは単調な沢登りで難所はない模様で、難しいところもない安心安全な遡行が続きます。
見所というばこの行合という廊下。 両岸狭まり光が届かぬ峡谷。良い威圧感がありますね。
ここに滝があれば物凄い難所になったでしょうが、拍子抜けするくらい平穏であっさり抜けられました。
それを過ぎると右岸に観音滝がある、とえだ2さんは教えてくれましたが、それは五ヶ所滝が終わってから訪れる事にして、ひとまず先に進みます。 出発から60分。深い淵を持った五ヶ所滝の最下段に到着です。
ここからでは全く全容は掴めません。ただ5m程の滝があるってだけで感情が動かされる事はありません。
ちなみに深くキレイな滝壺に、フグさんは問答無用で飛び込んでおりました。夏だわ。
本体?というか核心部の中段へ向かうには二通りあります。
深い淵を泳いで左の岩壁を登っていく方法。
これは当然ながら超凄い人が凄い技術を駆使して越えていくルート。最高にカッコいいです。
そんな訳で我々は左岸巻きです。 滝壺前から左岸岩壁を眺めつつ戻っていくと登りやすそうな階段状になっている棚が見えます。
ここを進んでいくと2mくらい垂直の岩壁に当たります。
そこには足をかけて下さいなと言ってくれてる大木があるので、それをうまく利用するとスムーズに越えられます。
その大木よりも奥へ行っても越えられますので、お好みの取りつきやすい箇所を探してください。
今ならえだ2さんがロープを残置してくれましたので、より安心して越えられます。チャンスです。
岩壁の上まで来れたら平坦となり、先に進めば五ヵ所滝が見えてきます。
そこは正面からではなく滝を見下ろす状態となります。
俯瞰する滝はまだ遠く、でも全貌が望めます。 すごい。
深く抉られた谷を縫うようにうねりながら流れ落ちる様。岩肌の禍々しさと水の清さが相まって艶美に輝いています。
その特異な岩盤は年輪のように時を刻み、水が生き生きと躍動しています。
水の勢いで岩が削れ、その度に流れを変えて、新たに岩が削れている。
歴史が凄くよく分かる。
一体、この姿形になるまでどれだけの年月が経過したのだろう。想像がつかない。
長く永く刻まれた岩と水の共演。何度となく姿を変え、幾度となく流れを変えてきたのだろうと想像は容易い。
今この瞬間の芸術が、ただただ愛おしく慈しむ。
博物館にいるような、太古の書物を手にとっているかのような非常に畏れ多い大変貴重な存在であり、その姿を見られたその一瞬に感謝が募る。
愛おしい。
胸に刺さる。
この感情はなんだ。初めての衝動だ。
これほど歴史を感じられる滝は初めてであり、大切にしなければならないと思った。
自分よりも遥かに長く存在している五ヶ所滝に対して、私なんかが何かを語るのはおこがましい。
見ていて尊くなると共に、鳥肌が立ち、泣きそうになってしまった。
その時の感情はこの歌が当てはまる。 「この気持ちは何だろう? この気持ちはなんだろう。
目に見えないエネルギーの流れが 大地から足の裏を伝わって」
正しくこれでした。
現在、私たちは左岸の高台から滝を見下ろしているが、左岸をそのまま登っていくと安全に滝の落ち口まで進み、そこから簡単に渡渉が出来て、右岸の緩やかな斜面を下っていくと五ヶ所滝メインの正面に立てます。
弧を描いて流れ落ちる姿は正面からでは望めない。それは先人の方の写真を見ていて分かっている事で予習済。
この核心部をちゃんと見たいってのが今回の目的でもあるので、フグさんが背負ってきたロープ(ありがとうございます!)で左岸から懸垂下降を試みる。
キャニオニングの下降方法の実践としてMMOをフグさんに見て頂いた。無事にちゃんとした結びが出来てホッとした。
家の中でロープとカラビナを出して体が滑らかに動くまで練習してきて良かった。嫁さんからは「うるせえ」と怒られたけど。 フグさん指導の下に五ヶ所滝の核心へと降りていく。そして降り立つ滝の中。
頭が捻じられるような錯覚。
カイジの世界ならば「グニャア」となってザワザワしている。
抉られた岩、刻まれた歴史、滑り落ちる滝水、感激感涙!
なんっっって美しく躍動感のある事か!
興奮しまくりまくった。
ついで、えだ2さん、フグさんも下降してくる。
そしてみんなで正面から滝を見る。 真下から見る滝もやはりとても不思議な世界。
歴史の縮図というべきか、岩と水の絆で描かれた流れは刻一刻と姿を変えていくのだろう。また来るときは、流れは違ったものになっているかも知れない。一期一会を大切にしよう。
先ほど高巻いた下段の上(落ち口)にいる訳だが、そこはゴルジュの中ではあるけれど、寛げるスペースが広がっているのが有り難い。
両岸が高く聳え立っているため光はあまり届かず暗い空間となっている。
というかほぼ洞窟の中にいる感じだ。
真夏だから気持ち良く座れるけど、他の季節だとちと寒い空間になるかな。
一通り滝撮影を終えると、さあ帰りましょうとなるのだけど、私から出た言葉は「おかわり」だった。 もう一度、あの流れの中に入りたくてまた懸垂下降して五ヶ所滝と触れ合った。
若くはないので、二回戦に進むことは無くなったけど(これは下ネタですよ!)、この滝は別でしたね。
時間が許せば三回戦もやりたかったけど、大変満足させて頂きました。
大切にしたい、この滝、この一瞬。 どの滝だって貴重な存在であるけれど、五ヶ所滝には特にそう感じました。
自然遺産とかで保護されたらいいのにな。
8:20 林道終点 出発
9:20 五ヶ所滝 下段 到着
9:20 五ヶ所滝 下段 到着











