称名滝


八郎坂より


展望台より


二段目 滝前より

滝名 称名滝
落差 350m
所在地 富山県立山町

お勧め度(※五段階) ★★★★★
難易度(※五段階) ◆◆
現地へ  富山市の南東部。有名な立山にある。県道6号より、県道170号に進む。大きな称名平駐車場があるので、そこから徒歩20〜30分。
2023年6月

富山県は非常に遠いので、この為だけに来るのはしんどい。
今回はメインイベントの前哨戦という立ち位置で向かうチャンスが訪れました。

称名平の駐車場には7時20分位に着きましたが、今日(土曜日)は全然余裕で駐車出来ました。
なんか駐車場に入るのに渋滞が起きるとかあったけど、それはハイシーズンでの事でしょうか。

今回はチームソーメンのメンバーでのイベントですが、ふたつぎさんが都合つかなくて来れないのはとても残念でした。

朗報なのはTakuさんが参加してくれた事です。この称名の二段目滝壺までのルートを自力が探し、何度も訪問している猛者です。
最近ではサナギ滝でお世話になりました。

称名滝は西向きの滝なので、朝早くから挑んでも逆光になる事からあまり急がずゆっくり準備をして、8時30分頃に行動開始です。


まずは当然ながら称名滝遊歩道を進みます。
滝が見えたかなって付近に右岸より枝沢が流れています。

三段目滝壺に向かう起点はこの枝沢で、ここから急登が始まります。
この枝沢を登っていくのも有りですが、往きは枝沢の左岸を進んで行きました。

道は有りません。ひたすら藪を漕いで登っていきます。
左耳で枝沢の音を聞きながら、緩やかとは真逆の傾斜に挑みます。


藪を掻き分けたり、その藪を掴んで登ったり、決して足だけでは登っていけない急斜面をヒーヒー言いながら這いつくばって進みました。

何ヶ所かは滑落したら「やっべぇぞ!」って思えるほどの斜度があって、そこを乗り越えるのにはオシッコちびりそうになる程に怖かったです。


汗を吹き出しながら登り続ける事、2時間程で称名滝の轟音が聞こえてきました。
小尾根になるんでしょうが、明確な尾根になってる訳ではないです。ただ大概に岩壁がそびえ立つのが見えます。
この辺りはGPSを頼りにするのが安定だと思います。

今までは藪木を掻き分け登って来ましたが、ここから笹藪です。
超濃厚・濃密な笹藪に立ち向かわないとなりません。

Takuさん曰く「笹藪に突っ込んで弾かれて戻されたのは初めてだ」と語っていました。
それだけの濃さ。背丈以上の藪、先行者と3mも離れると存在が消える。音も消されて途端に孤独な空間になる笹藪の中。

前の人と何とか離れないように頑張るも中腹で分断されてしまった。
進行方向が分からなくなり困惑したが、ホイッスルを思いっきり吹くと下方から音が山彦のように返って来てくれた。
姿は見えず、声も動作の音も聞こえなくても、ホイッスルの高音は届いている。存在が分かれば十分に繋がっているのが理解できて暖かかった。

鉄骨吊り橋を渡るカイジと佐原はこんな気持ちだったのだろうかとカイジ8巻を思い出した。


音の聞こえた先に向かうと笹藪が途切れて視界が広がった。笹藪は10〜20mくらいの短い距離であったがその密度は酷かった。
麺つゆの濃縮還元は平均で3倍だけど、ここの笹藪の濃縮は一般的な藪漕ぎの5倍くらい。原液では濃すぎて体にダメージを負う密度です。

藪が終わると称名滝が大きく見えた。


そこは草付きの斜面。
下方を望むと展望台が見えた。白煙を巻き上げる滝の姿。
巨大な龍、生命ある動きとしか思えない。

この草付きは緩やかだけど、濡れた草はよく滑り掴む所もないので緊張する動き。
もしも滑ったら、それっきり称名の中に入って200mくらい落っこちる。そう思うと体が硬直してしまうものだが、滝に近付きたい気持ちが勝り、恐怖心はあまり無かった。

草付きを越えるとそこはもう滝の胎内。猛烈な飛沫に襲われる。
気温が途端に下がり慌ててカッパを着込む。

夢中になり、飛沫に抗いながら滝壺に向かった。
うねる滝壺。波という一方通行な流れではなく縦揺れ横揺れなんでも有りな複雑な滝壺の水の動き。


そうさせているのは二段目の55m滝の力だ。とんでもない暴走。まるで地震。災害レベルの滝力に恐怖を植え付けられた。

どこにいても飛沫に飲み込まれるけれど、左の高台だけは唯一の安寧の地で、そこが撮影ポイントと休息地となる。
飛沫は来なくても、冷気には覆われているのでカッパ一つでは防寒が足りなかった。もう一枚インナーを用意しておけば良かった。


ここだけは飛沫が来ない

その高台から撮影

時間は昼。太陽は真上にあり飛沫を照らし全体が輝いている。
単純に白飛びしてる状態なので撮影にはあと1時間ほど待つのが良い。


いつものポーズで集合写真
(サモハンさん撮影)

やっぱり来るのはちょいと早かったかな。のんびり寝転がれる空間ではないので、ひたすら耐える感じで酷だった。
こんなに寒いなら、すぐに滝壺に向かわない方が良かったなといつもの行動に後悔してしまった。

滝を見ると元気になるが、ふと気付くと寒さに震えてる。体力が低下するたびにドーピングの注射を刺されて無理やりに動かされている感じ。

笑いながら耐え忍ぶ。凍えながらも心の火は燃え続けている。

もうちょっと水量が落ち着いた時に来れれば、もっと居心地良かったかなと思うけど、気合いの入った称名滝に会えたのだから最高に満足です。


Takuさん、ガイド頂きありがとうございました!


8:35 称名平駐車場 出発
8:55 右岸 枝沢の出合い
10:30 草付き前(登りは終了)
11:05 称名滝二段目 到着



2006年10月

念願の紅葉を遂に見れました。ここまで完璧な紅葉が見れるとは……、感動しました。

今回は全景を見渡せる滝見台に行って来ました。
通常の近くから望める滝見台より手前にある飛龍橋を渡り、八郎坂という山道を登り続ける(凡そ30分程)と称名滝の全容が見れます。

当日、朝方まで雨が降っていたせいか、訪れたときは霧で視界が覆われていて、10m先も見えないくらいでした。

例え山道を登って滝見台に着いたとしても、これ程の濃霧では滝が見れないかも知れないという不安を持ちながら、濡れた岩場を全身汗を掻きながら進んでいきました。

称名滝の爆音は聞こえるのに、視界は白い闇。そろそろ滝見台ではなかろうかと言う所まで来たのに現状は変わらず。

諦めようと下山し始めたその時、霧が少しずつ晴れていき、もしかしてと再度登り始め20分と掛からない内に滝見台へ到着。驚いた事に、完全に霧は消えてました。

霧は自然と消えたのでしょうが、そのタイミングの良さには驚かされましたし、神懸り的な考えを持ってしまうほどに絶妙で、また余りにも美しい光景が目の前に広がったとき、涙が溢れそうになりました。見させてくれてありがとう。視界に広がる自然達に呟いていました。

紅葉は時期が短く何時が一番綺麗なのかタイミングが難しいです。
これ程の美しい紅葉は始めて見ました。一生忘れない絶景、そう感じております。
1998年4月

落差日本一! とにかく高いです! 見上げてばっかりで、首が痛くなってしまいます。初めて見た時、大き過ぎて、本当にこれが滝なのかと目を疑ってしまうほどでした。
無茶をして、ゴツゴツの岩を乗り越え滝壺まで行きました。他では感じられないほどの水飛沫を浴びることが出来ます。一瞬で服が水浸しになったのを覚えています。
展望所からだけではなく、その途中に山に登るルートがあり、そこを登っていくと、この滝の全景を見渡せる滝見台があるそうです。今度はそちらから存分に味わってみたいですね。
 他写真 
訪問日 1998/04/23
2000/10/02
2006/10/24
2023/06/10

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