片品川 支流 栗原川
大膳の滝



所在地
群馬県沼田市

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評価(5段階) ★★★★
難易度(5段階) ◆◆◆◆◆
訪問日 2024年5月25日

栗原川は百名山である「皇海山」から流れる長大で美しい川であり、そこには沢山の滝を用意してくれている。しかもそれがまた一つ一つが特徴的で見惚れる滝ばかりなのだ。
ここはグンマー帝国の本部と言っても過言ではない。
さすがは要塞の本部は簡単に行ける訳がなく、「戦闘力たったの5、ゴミめ」と言われてしまうような凡人には行ける場所ではない。
そこで今回、地球人の中では強いと言われている、ふたつぎさん・のじやんさんの力を借り、このグンマー帝国の要塞へ突撃したのである。

まずは栗原川沿いの林道を走行。昔は奥まで車で走れていた栗原川林道は、現在は崩落の為、進入禁止となっている。
滝よりもはるか手前で屈強なゲートがあり、そこから歩きだす事となる。さすがは要塞は一筋縄では行かない。
ゲートの前には5・6台は止められる駐車スペースがあるので割と安心。
準備をしていると1台の車が入ってきた。どうやら釣り人らしい。ここは人気スポットなので、土日はすぐに満車になると思われるので、早め早めの行動に努めましょう。

さてゆっくり歩き始め。
今日は良い天気で心地よいです。
自転車持ち込みも有りかも知れないけど、同じところに戻ってくるわけでは無いので得策ではないかな。
でも滝を単体で見るのなら、自転車は有りだと思います。


ただ歩く事、1時間50分(なげーよ)。やっと円覚の滝(円覚址)へのアプローチ地点に到着です。


ここにはカーブミラーがありました。昔はもっと看板があったけど、場所が違うのかな? ちゃんと覚えてないや。
ミラーから斜面を覗くと、虎ロープが張られています。尾根筋に沿って踏み跡もあってグングンと下っていきます。時に緊張するような急斜面も出てきましたが、落ち着いてゆっくり行動すれば問題は無いです。
グッと斜面を下りたら、栗原川の流れる音が聞こえてきます。そこには円覚の滝の最上段が見えます。


ここから円覚の滝の真下に行くには一苦労。懸垂下降が必須ですからハーネス装備して準備を整えます。
円覚の滝の最上段を見下ろしたら、ほんのちょっと下流側に歩きましょう。
すると崖の中に唯一、絶壁ではなく急斜面が見えます。最初はこんな無理だろって思う崖なのですが、近づいて様子を見ると垂直ではない綺麗なアプローチになっています。


30mを二本結んで、ダブルで懸垂下降。
それを終えると円覚の滝に到着です。


久しぶりに来ましたが、やっぱりデカいね。真下よりも遠望のが素敵な滝です。

さあここからが本番です。要塞へと進んでいきます。
でもその前に癒し系の滝を一つ。


100m程、下流に向かうと左岸から支流が入ってきます。
そしてその先を望むと滝があります。
五段の滝です。


太陽の光が落ち口を照らしすぎて、陰影がきつくて写真ではうまく表現できなかったけど(技術無くてすんません)、とにかく流れが美しい。
綺麗そのもの。
五段の滝とは綺麗という意味であり、綺麗という言葉は五段の滝を指す。
そんな風に思えるほどで、私の辞書に新たな意味が追加されました。
ちなみに私の辞書には不可能という言葉はありますが、紳士という言葉はありません。てへ。

五段の滝を終えて、更に下流へ。
途端に絶壁が我々を囲みます。
そして水は一気に垂直落下しています。


大膳の滝の落ち口です。
ここがグンマー帝国本部だ。一気に緊張感が増します。
孫悟空がレッドリボン軍に突撃するときは楽しそうだったけど、ちょっとそんな風には思えないかな。

右岸の岩壁には立派なアンカーが設置されています。ここにドリルを持ってきて設置した方に感謝です。
ここもまた30mをダブルで使って懸垂下降。要塞に進入するのが懸垂ってSWATみたいだね。


下りたら目の前には滝。三段からなる大膳の滝の最上段の真下に到着。

こちらスネーク。グンマー帝国内部の侵入に成功した。敵には気付かれてない。

威圧感はんぱない絶壁が我々を監視している。上は滝、下も滝、滝の音が空間を支配し、飛沫が舞いまくる。故にやや寒い。
ここもまた太陽がきつすぎて白トビを余儀なくされて辛い。


中段は斜瀑といった感じだが、異様にぬめる。さすが要塞。色んなトラップが用意されている。侮れないぜ。
フェルトは割と歩けるけれど、ラバーはどうにも駄目みたい。
ここもロープを頼りに下りた。


最下段の落ち口。そしてそこに広がる中段と上段の景色。
こりゃやばーわ。凄すぎる。
グンマー帝国の本殿はドーム状になっているかのような絶壁が聳える閉鎖的な空間で、そこに青く輝く水が、深い滝壺となって鎮座している。
マジで女神が出てきてもおかしくない美しさに言葉が出ない。

最下段の右壁には同様に堅固なアンカーが設置されているので、そこにまた30mダブルで下りる。岩が滝水寄りに斜めっていて、踏ん張りが効かず下りるのにバランス取るのが難しかった。


下りた先は深い滝壺、ではなく腰辺りまで浸かる程度で済んだ。どうも砂利が滝壺を埋めてしまったようだ。
こちらスネーク。グンマー帝国から帰還する

ロープを出してくれて、アドバイス頂いたお二人が居なければ、私はおそらくグンマー帝国に捕まり、奴隷になっていたかと思うと感謝の念が尽きない。

これで難所は突破した。あとはのんびりと栗原川を下っていきます。
途中にはナメが続いてあって癒し系。


そんな所にある源公の滝。
深い滝壺は綺麗すぎる。夏だったら飛び込んだだろうけれど、いくら快晴であっても5月ではまだ寒いのでやめておいた。


長い距離を歩く。
でも心地よい水の流れとともに歩んでいると疲れを忘れるサイコーな時間。
ナメがストンと滝となって水が一気に落ちている。これが岩塚の滝の落ち口だ。

左岸に踏み跡があって巻き下る。
正面に出ると、ナイスタイミングで虹が出ていた。グッジョブ!


さあて、充実した栗原川とはお別れの時間だ。
ケヤキ沢に出会う手前の尾根にはマーキングがあり、そこから林道目掛けて登っていく。
早朝から動いているので、なんだかんだ疲れている体に150m以上の急登はしんどいものがあった。まあ、危険がないから気楽なものだけど。

林道に出たら、あとはのんびり歩くだけ。
グンマー帝国の魅力をとくと味わった素晴らしい一日でした。



4:50 ゲート前 出発
6:40 円覚の滝(円覚址) 下降地点
7:20 円覚址
8:40 円覚の滝
9:40 出発
10:05 五段の滝
10:55 出発
11:00 大膳の滝 落ち口
12:10 大膳の滝 最下段 滝壺
14:20 源公の滝
15:15 岩塚の滝
17:30 ゲート前 到着


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