吉沢大滝


所在地
山梨県早川町

地理院地図 (←クリックすると国土地理院のHPにて位置を確認できます)
評価(5段階) ★★★★
難易度(5段階) ◆◆
現地へ 雨畑湖の南。観光地である「見神の滝」から先へ南下し、吉沢で駐車。沢登りで進み、下段の滝まで10分以内で到着。
訪問日 2018年11月11日

距離はお気楽ですが、難易度は高め。油断すれば大怪我で済めば儲けものの危うさがあります。

観光地の見神の滝を見終えて、更に南下します。吉沢を跨ぐ橋の手前に駐車スペースがあります。すぐに堰堤が見えれば吉沢で間違いありません。

まずは堰堤を越えます。ここは左岸から。木の根を利用して急斜面をグッと上がります。はーい注目、ここの登りを覚えていて下さい。

上段へアプローチする際、この登りと同じように木の根を掴んで上がる箇所があります。堰堤前は大地が広く安定している場所ですが、上段では高さ恐怖から体が硬直してしまうような崖の所で登る事になります。
もしも、この堰堤前の急斜面でたじろくようであれば、上段に向かうのは厳しいと思って下さい。
無事に急斜面を終えて、ほんのちょっと沢を遡ると下段が見えてきます。出発から実に5分で到着と距離はお気楽そのものです。

滑らかに段を駆け落ちる

下段は段瀑。30〜40mかな。綺麗な滝です。でも前座です。

メインはやはり上段です。ではでは早速アプローチの開始です。

下段を右岸から高巻きます。泥と小石で出来たズルズルの斜面を、貞子がテレビから出てきた時みたいに四つん這いになって踏ん張りながら上がって行きます。少し上がると隣の沢との中間尾根に乗れてなだらかになりました。
このまま尾根を進んでしまうと上段をも越えちゃうかも知れないので、下段の落ち口よりも上がったと思える時点でトラバースしつつ沢に近付いていきます。
この辺りから緊張感が高まります。上段へ近付くにつれて勾配はきつくなり下部がストンと見下ろせるようになります。滑ったら止まらない。一気に下段の滝の流れに突っ込むようになります。
あともう少し、そんな所で現れるのが木の根を利用する急斜面の登り。根っこはしっかり掴めるので握ってる限りは落ちません。でも高さから体が強張って思い通りに動かないので余計怖いです。
無事にこれを越えたら、もう上段は目の前です。

非常に繊細な流れです。下段も優雅な流れでしたが、上段は幾重にも別れた水の枝が儚くて脆くて美しい。
たゆたう。この言葉がしっくり来ます。心の動揺や葛藤を繊細に描いた滝のように思いました。

滝前に着いた時は上部だけに光りが当たる状態で撮影不適。一の滝(楮根の大滝)で時間を掛け過ぎて、この吉沢に向かうのが遅くなってしまいました。東南向きの滝なので、午前中に訪れるのがベストですね。

帰路は来た道を戻りましたが、木の根の急斜面を下るのは恐ろしいので、ロープを出して安全に下りました。ロープ持参がベストですが、持ってこなかった場合はそのまま右岸斜面を上がりきるしかないと思います。簡単に滑落する脆い斜面です。行かれる際は、どうぞ御安全に。

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