三条の滝


2023年7月


2009年9月


2006年10月

滝名 三条の滝  
落差 100m  
所在地 福島県檜枝岐村
  
お勧め度(※五段階) ★★★★★  
難易度(※五段階) ◆◆◆◆◆  
現地へ  尾瀬ヶ原。国道352号沿いの駐車場(尾瀬御池)からのルートと、別で小沢平から南下するルートもあり。
どちらも徒歩2〜3時間(片道)

2023年6月

あの爆風をもう一度。

タカヒロさんと「今年の秋に行きましょう」とお約束したその後、Instagramでクレイジー(誉め言葉)な動きで滝を楽しんでいる「フグリさん(ド下ネタなので便宜上『フグさん』と呼ばせて頂きます)」よりお誘いを頂いたのが同じく三条の滝でした。

割りと混んでいる電車内で座ってても、なぜか私の両隣だけが空いている時があるくらい、人様から否定されている私。
そんな訳で誘いを受ける事が殆ど無い私にとってはとても嬉しい限り。
それにちょうど行こうと計画していた滝ですから、喜んでお受けさせて頂きました。

目的は三条で確定ですが、せっかく来たのなら渋沢大滝も寄りたいなと相談した所、二つ返事でOKを頂きました。

この三条の滝・渋沢大滝のダブルヘッダーを単独で行うとアップダウンが激しくなり厳しいのですが、グループで車が複数台あるなら、比較的登りの少ない効率の良いルートが取れるので、お勧めです。
ただし、めちゃくちゃ歩く事になるので、初めての方は御池から三条の滝への往復だけに留めておきましょう。

集合場所を大駐車場である「七入」に決めたのですが、ここは失敗でした。
電灯が全くなくて真っ暗で、何よりも大きすぎて誰がどこに駐車してるか分からない。
もっと手前にある道の駅「尾瀬檜枝岐」に集合するのが良いと思いました。

集合時間となり、フグさん・タカヒロさんと無事に合流。
タカヒロさんとは二度目。だけど親近感満載で全く緊張感なし。滝好きは芯で繋がるので気軽に触れ合えます。
ハイテンションに登場したのはフグさん。圧が、凄い。
Instagramの投稿と同じくハイテンション、ハイパワーに呑み込まれそうになる。

まずは全員で御池、ではなくて下山予定の小沢平の駐車場に向かいます。
30分ほど山道を走行して、小沢平に駐車。
平日だからか誰もいない。ここから尾瀬に向かう人はよっぽどのマニアックな人間であり、利用するのは恐らく釣り師が主ではないかと思われます。

ここでフグさんとタカヒロさんの車をデポして、私の車に3人乗り合いで御池に向かいます。
御池駐車場は有料で1000円。昔からこのお値段。昨今の値上げラッシュの中で、現状維持しているのは有り難い。

この駐車場の一番奥が登山道入口になります。



さあ、ワクワクハイキングの始まりです。

時に現れる木道に尾瀬の癒やしを感じつつ、気ままに進みます。
登山道は非常に安全で、弾むように歩ける。


会話も同様にポンポン弾み、飽きも疲れも一切感じさせない道中。
仲間ってのは最高の栄養だってのが分かる一時に、歩いているそれだけでとっても楽しい。

フグさんは撮影好きで、特に「人と風景」を撮るのが好きだと思われる(違ったらごめんなさい)。
なので、道中では撮影について色々と要望を受ける。
フグさんが先に進んでから、「どうぞ!」の返事でタカヒロさんと私が歩き始める。それをじっくり撮影するフグさん。
こうやって撮られるのはテレビ出演の時以来でなんかこっぱずかしい。

でもテンション高く撮影を楽しんでいるフグさんを見てるとこちらも心地よい。
いや危ういぞ。こっちの気分を高揚させて、気付けばケツの穴まで撮られてしまうかも知れない。そうならないよう注意しようと自分を戒めた。

で、2時間25分で三条の滝に到着。
いやぁ体感的には10分くらいで着いたような気分。
ちなみにこの時点ではまだ下着は脱がされてはいない。


朝の観瀑台。
先行者は一人。ドローンを飛ばしている。その人のTシャツには「ドローン撮影中 許可有り」って文字がプリントされている。ホンマかいな?

とりあえず邪魔にならないよう写真撮影。
まだ雪解けセール中かと思われた三条の滝はわりと平常運転になっている。

今年は桜の開花も早かったし、何でも早く進んでいるから、雪解けの豪瀑も早くに終わっちゃったみたいだ。

人が集まってくると面倒なので、早々に滝下へのアプローチに取り掛かる。


観瀑台の階段を登らず、南東に伸びる小尾根を目指します。
踏み跡もあるので分かり易い。

ちょっとした藪漕ぎをしつつ小尾根に乗ると三条の滝が見えると共に草付きの斜面が広がった。
丁寧に下りればフリーでも大丈夫だと思うけれど、わざわざリスクを侵した所で誰にも誉められないので、ロープを出す。

今回はタカヒロさんが40mの重いのを持ってきて頂きました。ありがとうございます。


滝見テラスに到着。
前回はここで落ち着いて撮影が出来たのだけど、今回はこのテラスにいても飛沫が来る。
見た目はあまり変わらないと思ってましたが、今回の方が水量は多いようです。

最後は草付きのトラバース。草だけを見てるとただの急斜面のようで怖いですが、草を掻き分けると凹凸のある岩壁が下地に出てきますので、丁寧に踏めばフリーで行けます。


爆風の世界よ、こんにちは。
前回よりもヤバい。威力が違う。気圧される風の勢い、目が開けられない程の飛沫。マグマのように唸る滝壺。
どれもが異世界。

前回は滝の真横に行ったけど、近づくほどに襲いかかる逆風に、こりゃあかんと撤退。
ドン引きするくらいの迫力。

しかし、今回はこちらもパーティーも違う。
三条の滝に負けずとハイテンションなのがフグさんだ。飛沫を浴びる程にパワーを得てるような感じで、みるみるうちに存在が大きくなっていく。
気付けば三条の滝を凌駕し、より強大な力を纏い、奇声を上げまくりながら滝の真横へ突進していった。
その行動にドン引き。


タカヒロさんはというと、離れた場所から三脚を立て、じっくりと撮影している。
その姿はホテルのロビーでコーヒーを飲みつつ経済新聞を読んでいるかのよう。
もしくは、遠く離れた場所で腹這いになってスコープを覗くスナイパーか。
いずれにせよ、物静かで真剣な立ち振る舞いだ。

フグさんのハイテンションと、タカヒロさんのクールさ。
冷静と情熱の間に立たされた自分は複雑な感情の中にいる。
滝の愛し方は人それぞれだけど、こんなに両極端な滝前は初めてで面白い。

フグさんから撮影のリクエスト。希望に応じて指定された岩場に立ったりする。


気恥ずかしいけど、滝でテンション上がってるのでノリノリである。
ケツの穴を広げろと言われれば、パンツを下ろしちゃっただろうが、そんな要望はなかった。

タカヒロさんと2人でそこに立って、ポーズをとってくれと言われた時に閃いたのは、フュージョンだ。
三条の滝に勝つには、単独では無理だ。そう思ったからこその必殺技だ。


タカヒロとバルが合体して、『バカヒル』ってとこかな。
なんだその頭の悪い吸血鬼は。どうやら失敗に終わったようだ。

飛沫を浴びているだけなのに、カッパの中までもびしょ濡れだ。
カメラや顔を拭ったり、タオルの出番が忙しない。
三枚持ってきたタオルは、どれもがガッツリ水を吸い込みもう役に立たなくなっていた。

75分、長居をすればやはり寒くなってしまう。って事で撤退。

ロープを利用して尾根に上がり、観瀑台へと戻ってきて、一呼吸。
すんごい場所で遊んだもんだ。ありがとうございます。

さて、ここから次の滝へ。渋沢大滝へ向かいます。




5:00 七入 駐車場 集合
5:25 小沢平 駐車場(準備)
6:35 御池 駐車場 出発
8:50 三条の滝 観瀑台
10:10 三条の滝 滝下
11:25 出発
13:25 うさぎ田代 分岐
14:05 渋沢温泉小屋 分岐
15:15 渋沢大滝
15:55 出発
17:50 小沢平 駐車場 到着
※休憩込み

沿面距離 17.85km


  

2009年9月

この日は6回目の結婚記念日。

3回目の三条。今回は滝壺を目指すべく向かいました。

その為に水量の少なくなる秋に照準を定めていました。雪解け時は滝壺が見えなくなる程の豪快さですから、とても滝下に立てる自信がありませんでしたので。

当日は小雨。カッパを着て出発。どのみち滝下ではカッパを着る予定なので、最初からか後から着るかの問題なのでまぁ別に気にせずに出発。

まだまだ闇夜の中での出発なのでヘッドライトを装備。
2回も行っていればだいぶ道は覚えています。と言っても一本道なので迷う心配はありません。

道中はなにも見えません。湿原も真っ暗。歩いている楽しみは特になく、ただ三条の滝を頭に描きながら進みます。

大分明るくなってきた所で雨も止み歩き易くなりました。濡れた地面は滑りやすく、ぬかるんでいる箇所もあるので丁寧に足を置いて進みます。

ようやく展望台に到着。休憩含めて2時間30分位だったと思います。

とりあえず数枚写真を撮り、滝壺へ向かう為に沢靴を履きます。
展望台の柵を乗り越え、奥にある尾根を目指します。

ちょっと進んだ所に古い看板を発見。「危ない。戻りませう」と書かれています。廃道だと聞いていましたが、もともとここは道だったのだなと実感しました。

そのまま突端を目指して進みます。距離は100mもなかったと感じました。

さて尾根下降の取り付き点まで来ました。ここまでは太い木々が光を遮る場所でしたが、先は草が申し訳程度に生えているだけのゴツゴツの岩盤の尾根。

斜度はきつ過ぎる訳ではないですが45度くらい。掴み所もなくちょっとバランスを崩せば滑落は見えている。

両岸が切り立った細尾根の事を馬の背と言うようですが、その丸まった背骨に乗ったまま下降できるかが問題。

ちなみにこの場所からも三条はとても綺麗に見えています。

フリーでも下りられるかも知れないと2・3m下りてみました。行けなくはないが危険度は高いと判断。

勿論安全第一なので、ロープを出して体を確保して下りる事にしました。

森本さんと私、お互いに持参した30mロープを合体させて60m、それをダブルで使用し懸垂下降。
ロープの長さピッタリで小さいテラスに到着。あとは軽く草つきをトラバースして滝下へ到着。

瀑音と爆風の世界。飛沫の強さで体が揺れる。とんでもない威力です。視界は常に霧状態。想像を絶する飛沫の飛散量に大興奮。

滝水は何度か岩盤に当たり滝壺に落ちてくるのですが、竜が滝壺に潜るかのようであり、巨人の手が落ちてくるようにも見え、飲み込まれてしまう錯覚に陥り、その威力の凄さに初めて「滝が怖い」と感じてしまいました。

それでも喜びの方が勝り、夢中で写真を撮りました。しかしレンズに飛沫がすぐに付着してしまうので拭くのに大変。まともに見れる写真は4分の1程しかありませんでした。

出来れば対岸に渡りたかったのですが、水深あり水流も強く断念。変わりに左壁に行き、滝を真横から撮影。とてつもない迫力です。飛沫は襲い掛かってくるし水の衝撃音が激しく左壁には長居は出来ませんでした。

ここへ雪解け時に行ったらどうなるのだろう? 吹き飛ばされてしまう気がする。暴風雨の中に入っていくようなものか、危険すぎる。しかしそれでも行きたくなっている自分がいます。今度は雪解けを狙ってみよう。
  
 他写真 

観瀑台

尾根

取り付き点より

テラスより
 
2006年10月

毎日ランニングをする事で体力を得て、改めて訪問。休憩なし2時間で到達。日々のトレーニングが活かされて嬉しい。
完全な紅葉とはいかなかったけれど、黄・赤と中々鮮やかに発色していて、色の変化を楽しめた。
やはりこの滝は豪快。音が凄まじい。いつまでも見ていたいと思ってしまいます。
表の写真は、右側が日陰でアンダーになってしまったため何も写らなくなってしまって残念でした。
  
 他写真  

落ち口アップ

途中の紅葉

2000年6月


日本一、水量豊富な滝! 岩肌も見えぬ程に大迫力。圧倒的な水量に最下層は滝壺があるのか分らないくらい。その落ちる音はまた轟音。自分が飲まれるかと思うほどの迫力です。但し、それは雪解け時の話。夏秋は岩肌を流れ落ちる様が見れます。
行き方は二通りあるので、私の通った道筋を紹介します。。
国道352号沿いの尾瀬御池の駐車場に停め、燧裏林道を出発。5月の初めだったのでまだ雪が残っており、道が分からないながら進む。途中、景色の開いた湿原の木道もあるので、清々しい景色。終わると木々に囲まれたアップダウンの多い山道を。それを超えると、最後の正念場。木の根やロープを辿って、一気に急降下。2時間半ほど掛けて、やっとこの滝に会えました。帰りは登りが多い為と疲労が重なり、それ以上かかったのは確か。早朝に出発したのに、駐車場に戻ったのは夕方でした。日帰りは相当きついです。出来れば山小屋などで宿泊した方が良いと思います。
  
 他写真    
訪問日 2000/06/05
2006/10/11
2009/09/23
2023/07/05

  

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