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開放的な空間に、閉鎖的に高く聳える岩盤。生物の存在がほとんど感じないここは硫黄泉の臭いが充満している火山地帯。
火山地帯は岩盤に特色があったり、水の色が茶色かったりと、想像を超える絶景を見せてくれるので好きです。
ここの特徴はなんと言っても巨大な岩盤でしょう。滝の落差は30〜40m位でインパクトでは欠けるかもしれません。主役が変わっちゃっているように思えるほどに岩盤の大きさと広さに面食らいました。
しかし、滝だって負けてはいません。十分な飛沫を放出してますし、風に揺れる変化が際立って面白い。写真のようにこれだけ風に舞う滝水は初めて見まして驚くばかり。
これほどの絶景だけでも凄いのに、更に滝が飽きさせない様に踊る続けてくれる、素晴らしい空間でした。
登山道入り口に向かう道は非常に荒れていて運転に注意が必要です。車高の低い車では走行は厳しいと思います。
駐車場から展望台専用の道を5分も歩かないうちに滝の展望台に到着します。その展望台からでも絶景っぷりを堪能できると思います。
さて、滝下へは道が有るわけではありません。展望台からちょっと戻り、登山道(滝に接近するような形で伸びている)に進みます。
展望台付近から数えて2つ目のルンゼ。ここを下降ポイントとして決めました。
それ以上先に進むと、草木が全く無くなってしまい下降するには厳しいと判断しました。
そのルンゼの右側の藪に進み、掻き分けながら下りていきます。藪にいい加減うんざりした所でルンゼに戻ると傾斜が更に緩くなっていたので、これ幸いとルンゼを下りて行きました。それほど危ない所もなく川床に着地できました。
川に下りると硫黄の刺激臭を強く感じます。登山道の時よりも臭いです。
この滝の上流では火山性ガスで亡くなっている人もいるようです。
そのガスは空気よりも重いため、川床が一番留まり易いわけです。ルンゼから下りた場所は草木も豊富で風の影響を受けづらい所で、危険なガスが停滞していると思うと、この場で一休みなんて落ち着いてられません。
早々に上流に向けて歩き始めます。
もう既に滝は見えていますけれど、あまり足場が良くないために慎重に。
途中、軽く吐き気を感じました。それが硫化水素の影響なのかどうか分かりませんが、そこは大岩に挟まれた窪地になっていたのでガスが留まる場所でした。
そこを抜けると滝が丸見えで草木のない風を感じる空間。思いっきり深呼吸すると気分も落ち着きました。
緑が少なく、荒々しい岩盤だけが見える殺伐とした空間。大迫力、大絶景を十分堪能しました。
この滝を見て、時間に余裕があるならぜひ登山道を先に進みましょう。硫黄と湯気の世界で、沢はある程度の温度(35度くらい)があるので、湯の花たっぷりの天然温泉に入れます。
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