早戸大滝

Data 早戸大滝
落差50m
神奈川県相模原市津久井町
現地へ 宮ヶ瀬湖の西部。奥地、丹沢観光センター(キャンプ場)の先。進んで行くとゲートがあり、それ以上は車で行けなくなるので、そこで降りて後は徒歩。案内は乏しく、辿り着くには困難を強いる。
コメント ほとばしる直瀑から、大きな岩にぶつかり、水が飛び散る様。その激しさに周囲は水飛沫が拡散され、何とも言えぬ気持ちよさに包まれる。豪快、豪傑、自然の力を垣間見させてくれる。
しかし、この滝を間近に見るとなると、とても大変です。
まずは、ゲートにぶつかり、車を降り、広い砂利道を進む。
やがて。唯一の案内図が出てきます。そこには「早戸大滝」が載っていますが、その図を見てもどう行ってよいか分からないです。
案内は何も無いですが、滝に向かう道は、その案内図の裏にある道です。ここを見つけるのが大変。
道が分かれば次いでは道なりに進みます。案内は、先駆者が残してくれた赤や白のテープ。これが要所要所に目印となっています。しかし、うっかりしていると見落としてしまうので、注意が必要です。
途中、川を跨ぐ所が幾つかあります。橋が無いので、岩を飛び越えるのですが、増水していると靴を脱いで渡るしかないでしょう(実際、私はジャブジャブ靴のまま渡りました)。
後半は殆ど川沿いに歩きます。岩がゴツゴツしていて足を取られます。そんな苦難を乗り越えて歩いていると、川沿いに目印のテープが全く見えなくなります。その時に左に目をやると、今まで歩いていた川に合流する川が見えます。当然ですが案内はありませんので、常に視野を広く持っていないと見落としてしまいます。
その合流している川の先に、早戸大滝があります。
1時間半〜2時間の道程。道は岩で歩きづらいし、進む道は見つけづらい。体力も神経も擦り減りますので、時間以上に苦労します。
しかし、その苦労を乗り越えて見る事の出来るこの滝は、大きな満足感を与えてくれるのは間違いないでしょう。

2008年再訪問。
道が全く変わっていて、今までの記憶が役に立たないことに驚きました。こんなに難しい道中ではなかったのにと言うのが感想です。
以前はそんなに渡渉することなく進めたはずなのですが、今回は数え切れないほど岩を飛び越えました。マーキングも少なかったですが、その点は沢沿いなので問題は無かったですけれど。

まず、アスファルトの林道にゲートがあったのが撤去されたのか、その先まで車で進めるようになりましたが、そこから先はダートなので車高の低い車はアスファルトが切れる所から歩き始めたほうが良いと思います。
そのダートを進むと汚い看板が現れ、その看板の裏から登山道を進みます。一旦川から離れますが、道なりに進んでいくと早戸川に合流します。ここで一回目の渡渉(右岸に移ります)。丸太橋が流されていなければ楽に越せますが、よく流されるそうです。
しばらく進むとまた丸太橋が現れ、左岸に戻ります。この付近はロープなどがかかり険しい道です。
三回目の丸太橋で雷平と言う川が二股になっている箇所に到着。大滝は左の川にあります。ここからは岩を越えたり渡渉したり、正しい道などありませんので、とにかく沢沿いに進みます。
ようやく左を指す赤い矢印と共に、今まで歩いてきた川から離れ、左から流れてくる沢の脇の細い尾根に取り付きます。ここから先は踏み後がしっかりありますので問題ないです。
やがて現れる大岩と滝。落差50mは迫力十分。水の跳ねる躍動感が何とも心地よいです。
今回は朝まで降った雨で、周囲が霧に包まれ綺麗に滝が見れませんでした。非常に残念です。

道は年々変わると思います。丸太橋も頼りになりません。万全な準備をされた方が良いと思います。
それと最近はヒルが多くなっているようです。塩水か虫除けスプレーを持参すると便利だと思います。

2010年、再訪問。
前回の訪問時は霧にやられてちゃんと見れず機会あればリベンジしたいと思っていたところ、ちょうど滝仲間にお誘いを受けたのでこれ幸いと喜んで挑んで来ました。
ずいぶんと人が入っているようで、様々な踏み跡がありどれが正しい道か分かりづらくなったように感じました。
あとは特筆するような点はなく、今まで通り行ける所を進んで行く感じで滝前に到着。
前回の記憶の限りだと、あまり感動しないだろうなぁと思っていました。しかしいざ目の前に立つとやはり興奮を覚えてしまいます。大岩の威圧感はさることながら、躍動感たっぷりの水の跳ね具合に心も跳ねてしまいます。
終り掛けの紅葉を楽しみながら、しっかり写真が撮れて満足です。
今回はもう一つ目的がありまして、大岩に接近してみたいと思っていました。
滝の左に伸びる大滝新道という登山道を利用すれば、この早戸大滝の落ち口に行けるのは前回登ってみて確認済みですが、霧が濃くて大岩付近が朧にしか見えなかったので断念しました
今回は視界がクリア。堂々と目指せます。
滝壺から虎ロープの張ってある場所まで一旦戻って大滝新道に乗ります。グングンと高度を上げて行き早戸大滝の横を掠めて登って行けます。
その落ち口の手前、大岩に最接近した所で大滝新道から外れて斜面を下ります。急斜面ですが木の根や岩を掴んで体を保持しつつ近付く。心臓がドキドキ鳴り体が自然と強張りますが、一度止まったら恐怖心で動けなくなってしまいそうだったので自分に喝を入れてテキパキと下りていきました。
すると虎ロープが垂らしてあるのを発見。強度を確認してからしっかり掴むと緊張がやや薄れました。
大岩の端っこに乗ると、滝が目の前で勢いよく落ちている姿を捉らえました。
ここから5mほど溝の中に下りられそうだったので、持参したお助け紐を木に括り付けて大岩を下降すると、半畳くらいの広さを持ったスペースに着きました。
上段の滝の落ちる姿が視界一杯に広がりました。直線距離で3m程、滝水が当たらない絶妙なポジションです。
ちょっと首を伸ばして下を覗くと通常では見えない幻の部分である水の流れが確認できました。
この場にいると滝水と同様に吸い落とされてしまいそうで身を乗り出す気にはなれず、腕を目一杯伸ばしての写真撮影。
落ち着ける空間ではなく、恐怖心に支配されてしまい感動は薄れましたが、幻を見れて満足のリベンジでした。
他写真
訪問日 1999/04/09
2004/08/12
2008/04/27
2010/11/14

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