Data |
滝名 |
米子大瀑布 |
落差 |
不動滝(右) 85m
権現滝(左) 75m |
所在地 |
長野県須坂市
|
お勧め度(※五段階) |
★★★★(遠望)
★★★★(直下)
★★★★★(氷瀑) |
難易度(※五段階) |
◆◆◆ |
現地へ |
長野市の南東部。国道406号より、県道349号に進む。あとは看板に従って進むと駐車場に。徒歩30〜40分。 |
コメントB
2018年1月 |
"アイスモンスター"
その名称で連想されるのは蔵王の樹氷と、台湾のかき氷屋さんの二つ。
私としてはこの名は米子大瀑布の氷瀑の為にあると思っています。
不動滝の暴れっぷりも、権現滝の聳える氷壁も、どちらも間違いなくモンスター。その迫力には終始圧倒されっぱなしでした。
夏は観光地としてわりかしお気楽に巡れる名所ですが、冬は豹変します。滝がモンスター化してるならば、その道中もまたモンスター化しているのです。
まるであの愛くるしい瞳をしてるモグワイがグレムリンに変身するくらい恐ろしい変わりっぷりです。
片道およそ8km。スノーシューという重りを装着して歩かなければなりません。滅入ってしまいますし、辿り着くのか不安だらけです。
道の駅「小布施」で皆様とご挨拶。有名な滝の掲示板で活躍されている方々とようやくお会い出来て、早朝からテンションが上がります。
滝に至る道は冬季閉鎖、というか除雪しないので車で行けなくなります。
除雪されているのは遥か手前のリサイクル施設まで。雪の多い年だと、ここから歩く事になる時もあるそうですが、そのまま4WD車で突っ込んでいきます。
愛車イオ君も頑張ってくれましたが、滑ってうまく運転出来ずドキドキです。ハンドルが半回転してるのに真っ直ぐ進んでる時は結構なパニックでした。とりあえず無事にショートカット道(地形図の波線の道)の分岐まで辿りつきました。
ここからは地道に雪道を歩き始めます。
冬は殆ど活動しないのでスノーシューを装着するのは久しぶり。何年か振りに屋根裏に入って取り出しましたが、痛みもなく使えそう。
さあフカフカな雪の上を歩いていきます。
後半出発組だったので、皆さんのトレース跡を辿るありがたい道中。ラッセルは無く踏まれた雪道を進むのは大変楽チンです。先陣を進んでいた方々に深く感謝を申し上げます。
寡黙に歩いてショートカット道から林道に出る。周辺の白い景色が広がって気持ち良い歩き。出発から2時間ほどで米子川を渡る橋に到着。
ここから勾配のきつい九十九折りが始まりまして、一番疲れる所です。途中から足の付け根が痛くなってきて休み休み進む。スノーシューは足の負担が半端ないです。
でもみんなサクサク進んで全く疲れているように見えないのが凄い。
登りを終えると緩やかな下り。対岸に氷瀑が出てきます。コブラやらアナコンダやら正露丸やらの名称があるそうです。
そして大きな看板がある広い駐車場に到着。ここまで2時間45分。我ながら頑張ってます。
山道になると更に雪が深くなる。でも先陣組が疲れ知らずで雪を踏んで道を作ってくれる。有り難いですが介護されてるようでちょっと恥ずかしい。
途中から大きな氷瀑が姿を現す。「あれが米子の不動滝か! でけぇ!」と興奮すると、「あれは無名の氷瀑ですよ」と突っ込まれる。無名で驚かされてるなら、不動滝はどうなっちゃってるのと対峙するのが怖くなる。
そして、不動滝の沢を跨ぐ橋からモンスターとご対面。夏の表情とは違い過ぎる暴れよう。
子供が買って買って! と駄々をこねて手足ジタバタさせているその瞬間に凍ったかのような大胆な氷が岩壁から張り出している。
縦一本の滝筋から、こうも肥大して凍るものなのかと驚かされるくらい岩盤一杯に氷が広がっている。その氷は花を咲かせるかのごとく尖って伸びて、蔦が絡まる素敵な洋館のように壁一面に張り出している。
その巨大さと無法さに「モンスターや……」と呟いてしまいました。
近付くと周りはカチンコチンの氷の斜面になるので、スノーシューからアイゼンに履き替えて不動滝を楽しむ。
普段なら黒い染みにしか見えない黒滝もドカンと一本の柱が地面に突き刺さっていて、これも素晴らしかったです。
お昼ご飯を挟んで隣りの権現滝を見に行きます。夏は斜面のトラバースがいやらしく滝前に向かうのはやや危険だけど、冬もやっぱり怖い。
でもロープ張ってくれて安全に滝前に辿り着けました。
正直、自分は不動滝よりも権現滝に感動しました。
暴れっぷりを主張するモンスターではなく、ツララが積み上げられた整ったお手本のような氷瀑です。それが想像を超えるほど巨大だっただけ。
中学一年の時に、2m越えのバスケ選手と対面した時の衝撃を思い出しました。
落差75mの芸術、自然が作った巨大な彫刻、大切に積み上げて綺麗に伸びた氷柱は美しすぎる。最高です。
素敵な思い出を胸に詰めて、アイゼンからスノーシューに履き替えて帰路を辿る。
往きでは九十九折りの登りで苦労しましたが、帰りは道ではない山肌の斜面をお尻で直滑降。雪が乗ってるから出来るショートカットは楽しい。
それでも林道のスノーシュー歩きは疲れる。右足の付け根は痛くなる一方でしたが、帰りは下りの方が多いので足への負担が減って何とかなりました。
体力的には問題なかったけれど、筋力が足らなかったかな。スノーシューの重さに負けた感じです。
もっともっと鍛えなあかんと反省です。
しかし、他の方々はサクサクと軽快に歩いていました。全然休まないし終始笑顔だし、疲れた感が全く見えませんでした。
そこで悟りましたよ。真のモンスターは、この滝の仲間だったんだな、と。
|
コメントA
2008年9月 |
再訪問の目的は権現滝を間近から見る事です。
権現滝の見える展望台から、そのまま左岸を突き進むだけですが、廃道と化している道で、はっきりとした踏み跡が見えず、また斜面の傾斜がきつく歩きづらかったです。
道がなんとも分からないので、滝を目指して適当に進み15〜20分ほどで到着したと記憶しています。
遠くからしか見えないと思っていた権現滝を真下から仰ぐ。大きく柔らかい滝水がシンシンと落ちる姿は、とても優しく癒しの空間でした。
右の不動滝と違って、滝壺付近の岩盤はオーバーハングしているので裏見の世界に突入。
そこは青空の冴える素晴らしい景色でした。
ただ裏に行くまでの岩場で浮石が脛に当たり、プックラと腫れ上がったのは痛いミスでした。浮石は嫌なものです。
|
コメント@
2001年10月 |
二条の滝が大きな崖より、同じような形で落ちています。一つだけでも雄大な滝で、満足してしまう所、もう一つあるなんて、とても贅沢です。
右の不動滝には直下まで行けますが、権現滝は行く道がない模様。
この写真は早朝に収めたのですが、日中は逆光で陽が入ってきてしまうので、難しいと思います。
その為に夜中に走行してたのですが、途中、カモシカが道路で堂々と立っていて驚いてしまいました。野生のカモシカなんて初めて見たので感激です。
駐車場に着いて空を見上げると数え切れないほどの星が、流れ星も。埼玉育ちの私にとって、これほどの星は見たことがありませんでした。流れ星も初めてです。
滝とは別に、このような出会いもあるので、旅は楽しいですね。
|
他写真 |
|
訪問日 |
1998/05/21
2001/10/20
2008/09/01
2018/01/28 |