今回もフグさんに声を掛けて頂き、キャニオニングに参加させて貰いました。
伊豆の中でも名瀑として皆に愛されている三方滝を下りるという計画です。
落差は30m程で、そんな高さを懸垂下降するとは豪気過ぎてビビるモノがあります。
でもフグさん、そしてシーザーさんがいるなら怖いものはないです。
彼らからキャニオニングを沢山学び、吸収していこうと意気込み、伊豆に乗り込みました。
計画では三階滝の上流から入渓し、下流にある大滝までキャニオニングするようなので、大滝に行く際に利用する堰堤前の空き地に駐車。
そして一台に乗合して、三階滝まで移動。
県道59号の三階滝の案内のある付近に駐車して歩き始め。
道は三階滝の正面に行くようになっているで、更に上流へ向かい、適当に斜面を下りて入渓です。
これでもう登る事はなく、水の流れに逆らわず下っていくようになります。
まずは小手調べの三階滝。
大きくはない滝だけど、落ち口から見るとやはり怖いね。
フグさんがいつものようにハイテンションで降りていく。
それに倣って私も降下。やっぱりウェットスーツは偉大です。
1月という冬真っ盛りに関わらず、じぇんじぇん寒くないんだもん。
いつでも水と戯れられるなんて素敵過ぎます。
その後もちょこちょこと滝が現れる。
ロープの下ろし方、固定の仕方、色々な技が繰り出される。
何よりも素晴らしいのが安全に対して意識の高さ。懸垂下降する前に、必ずビレイ(安全確保)を行う。
傾斜がきつかったり、足場が不安定な位置で待機する際には念のためにスリングを木に巻きつけて滑落防止で固定していたけれど、そうではない時でもしっかり体を固定する。
この辺りの意識の高さこそキャニオニングを行う姿勢の、基本の『キ』なんでしょうね。
安全第一、ハイテンション第二といった所でしょうか。
私がいつも使っているよりゴツいエイト環はロープを更に巻きつけて抵抗を増やす事で、懸垂の途中でも手を離して制止する事が出来る。
いつもはバックアップシステムで制止していたけど、キャニオニングではやり方が違うので教えて貰って早速実践する。
崖の真ん中でも安全にカメラを取り出せる。面白い撮影が出来てテンション上がる。
ただ、ロープの巻きつけを外す時は、途端に降下が始まってしまうので、注意が必要ですね。
気ままな沢下り。時々滝を下降。
滝壺へジャンプ出来るような深い壺はないので、懸垂下降が続くキャニオニング。
やがて今までは違う、落ち口から水が一気に消えていく崖上に来た。
おおお、三方滝だ。下から見てもデカいけど、上からだとより威力が増すぜ。
今までの経験を生かし、しっかりロープを握って下りれば、大丈夫さ。
二人が見守っていれば怖いものはない。
フグさんに続いて三方滝を下降。
水との一体感ヤバい。仲間になった気分。
後半ではモロに水に打たれながらも楽しみながら滝壺に着水。
凄い凄い。まさかこんな体験をして安全に怪我なく滝前に下りられるとは感激や!
そして正面から望む三方滝。さっきの下降で滝幸福感はMAXになっているので、わりと短時間で終いとした。
さてさて、まだ冒険は終わらない。
その後も遊歩道を使って下っていって、三方滝よりも幅広な落ち口に辿り着いた。
観光地で紹介されている大滝だ。
水量豊富で滝壺広め。上から覗くと遥かかなたに滝壺が見える。
足が竦む高さ。自分一人だったら、遊歩道であっさり巻き下って滝前に出る。
そんな事はフグさんもシーザーさんも許さない。というかこの二人、ノリノリである。
安全なのだろうけど、安全とは思えないラインにロープが下ろされる。
あの〜、落下する水をモロに受けるように見えますが、大丈夫なんでしょうか? 大丈夫なんですね、ですよね。って不安になるけど声には出せない。
三階滝も三方滝も懸垂下降した。水に当たりながら安全に怪我なく下降出来た。
正しい動きをすれば間違いなく大丈夫。
自分にもそう言い聞かせ下降開始。
毎度そうだが、この最初の一歩はやはり緊張を強いる。
そこから降り始めればもう下りるしかないので、覚悟が決まる。
2m、3mとゆっくり下っていく。
大滝は南向き、下降時にはちょうど太陽が滝を照らした。
滝の中腹まで降りてきた当たりで、キャニオニングの写真で見た事のある景色を目の当たりにする。
真円を描く虹だ。
滝の落水、飛沫、ミスト、太陽、虹が全身を包む。
ゾクゾクと震えた。泣きそうになった。
“生き甲斐”
この空間に入った瞬間に飛び込んできた言葉。
この為に生まれてきた、と言うのは変だけどなんかそんな気持ち。
私の心が喜んでいるのではなく、そのもっと奥、つまりは魂が喜んでいる気がした。
それと共に、なぜか既視感を覚えた。
故郷に戻った気持ち。
「人が亡くなると魂は天に帰る」という伝えがあるけれど、
では逆に『人が生まれる時、魂は天から地上に下りる』という事になるのではないか。
天界から人間界に魂が向かうには、まさに滝を懸垂下降している状況のように、晴れているのに雨がパラパラと降っている、そんな時に地上に落ちていき母の胎内に入ったのではないか。
だから何とも心地よく、どこか懐かしく感じたのではないか。
そうだ、そうなんだ。
だから私は滝が好きなのだ。
って書くと宗教っぽくなっちゃって嫌悪感を抱くけど、その時はそんな想いが浮かんじゃいました。キモくてすいません。
(懸垂下降中の動画)
と、とにかく、
これが! これこそがキャニオニング!
圧倒的ナイスな滝巡り!
最高な時間を過ごせました。
今までは滝の真下からその迫力を堪能していました。
これからは滝に当たりながら滝になりきって滝と共感するのが主流になるのかな。
今後、自分がどういった滝遊びをするようになるのか、まだ分からないですが、滝って色んな楽しみ方がありますね。
さて、大滝を終えたら遊歩道でまったり下っていき、車に到着。
下り一方通行なので、体力的に楽なのもいーね。
良いコースにお誘い頂き、フグさんには大感謝です。
シーザーさんからも貴重な技術を教えて頂き、本当にありがとうございました!
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