所在地
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岐阜県高山市
(←クリックすると国土地理院のHPにて位置を確認できます) |
評価(5段階) |
★★★★★
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難易度(5段階) |
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野麦峠の北西部。
県道39号から、ダートの林道を4km程で展望出来る場所に着く。支流に伸びる林道を進み、途中で枝沢を降りて行き、嶽谷の沢を遡行する。
林道歩きは60〜90分。滝壺へは更に50分前後掛かる。 |
訪問日 |
2019年8月18日
2007年10月22日 |
2019年8月18日
やっと、滝前に立てました。やっと再訪出来ました。
あの時は若かった。怖かった。なので滝前に行けなくて、この滝はやや離れた所からしか見れないのだろうと思ってました。
その後、他の方の訪問記事を読んで、「行けるのか!」「行けたんだ!」と驚いたものです。
って事でリベンジ滝巡りです。
県道39号沿いに林道の鍵付ゲートがあります。それを越えて進んでいくとフラットな走りやすかったダート道は凹凸が激しくなっていて、以前よりもだいぶ荒れたなと感じました。
決定的なのは支流を渡る橋を過ぎた地点で、そこは崩落で道を埋めてしまってました。車が走れるような生半可な崩落ではないので、ここから先は必然と歩きになります。
斜度はあるし、距離もある。我慢の林道歩きって感じです。ゲートから約4km、登り斜面を息切れしながら歩いてやっと分岐点に到着。
枝沢に向かって延伸してる道で、ちょっと先に進むと嶽谷滝が遠望出来ます。
前回同様に支流の出合いまで林道を歩いて行けるだろうと思ってましたが、この辺りの荒れ具合は酷いですね。林道でも登山道でもなく、獣道や踏み跡って感じで藪に覆われてます。
とてもじゃないけど枝沢まで辿り着けず、その手前にあった細い沢筋を利用して下っていき、本流の嶽谷に入渓。
ここまで車で登ってきて、サクッと枝沢を下りてと軽く考えていましたが、林道は長いし藪は面倒だしと難易度がだいぶ上がってると感じました。
谷は難しい事はありません。よく締まった岩が積まれていて浮き石は少なく軽快な沢登り。
40分くらい遡ると下段に到着。有り難い事に虹が出迎えてくれました。
上段がメインですから早々にセオリー通りの左岸巻きへ。下段から左岸を見るとルンゼがあるのでえっちらおっちら登ります。細かな岩が積まれたルンゼなので、複数人で来た場合は落石注意です。
ルンゼの終点である岩壁が出たら、それに沿い滝へ向かって移動すると上段の遠望地点に到着。
前回はここまで。これ以上進む気にはなれませんでした。先に見える草付の斜面、滑ったら草によって止まる事無く崖から放り出されるだろうと思える急斜面。ですが、よくよく見ると足を乗せる凹凸がある。掴むところがないので慎重に体重移動して、草付に足を乗せてトラバースして草付を越える。
ここからはザレた斜面を浮き石に気をつけて進むと滝に接近出来ます。
副虹も現れたベストな虹を見れて大興奮。
そして憧れだった真下に向かいます。
深い裏側から見上げる。自分を飛び越えて青空を舞う滝水の躍動感は素晴らしい! 暗闇から望む青の世界。これぞ裏見の楽しさよ。
よく見ると燕が滝裏を飛んでいる。巣があるようで一瞬止まってはすぐに大空に飛び立っていく。二十羽くらいが一斉に空を舞う姿も見れて感激。しかしそれを撮影する事が出来なくて無念。
さあ、正面に回って滝に挨拶しよう。太い水柱の真ん中に立ってみる。空中分解された細かな水玉が地面に激突すると更に細かくなって四方八方に飛沫を放出する。一瞬で全身が濡れるパワーに酔いしれる。
嶽谷さぁーん、サイコーっすよー!
噂に違わぬ素晴らしさ。ここに立って喜ばない人はいないでしょう。どうして前回、勇気を持って滝に接近しなかったのか本当に悔やまれる。遠望でもその美しさに満足出来ますが、滝前の魅力は計り知れないです。
滝としての楽しさが全て詰まってる。是非とも行って頂きたいと太鼓判を押せる滝です。
さて、再訪の自分としては同じ事をやっただけでは冒険心は満たされない。なので嶽谷滝を巻いてみる事にしました。
上段の滝に別れの挨拶をして、崖沿いを戻り上がってきたルンゼを下りず、そのまま崖沿いを南東へとトラバース。藪がうざいですが何とか掻き分けて進んでいくと再びルンゼに出会います。
このルンゼを上がっていくと嶽谷滝を包み込む大きな岸壁の上に出ます。
薄いながら見える踏み跡は岸壁のすぐ上を通過するトラバース的な道で、わりかし崖っぷちな所を進むので緊張しました。
それが終わると笹原に突入。力を込めて笹を押し広げて進むと落ち口のすぐ上に出れました。
早速、落ち口に立つ。なるほど〜、この岩が滝を二手に別れさせているんだと関心。
谷を5分くらい進むと滝の登場。布引滝です。
まん丸いお団子みたいな可愛い滝。メインディッシュの後のデザートみたいでちょうど良い感じでした。
帰路は滑落と落石に気をつけながら滝下へ戻ります。最後のルンゼは落石が怖いのでその左にある尾根のような山斜面を下りました。
夏の気温で火照った体を沢に浸かって冷やす。ちょっと冷たすぎて自分には堪える。サウナの後、水風呂に入るのも苦手な自分には冷たすぎる水でした。
フレッシュな熊の糞を見つけてビビる。笛を吹いて、警戒しながらの行動には疲労させられました。
林道に着いたら、後はひたすら下るだけ。
ゲートを抜けたら嶽谷滝の抱き合わせとして有名な東谷F1を目指します。
6:15 歩き始め
7:00 林道分岐
7:25 入渓
8:05 嶽谷滝 下段 到着
8:20 嶽谷滝 上段 到着
9:55 出発
10:35 上段落ち口
10:40 布引滝
11:20 出発
13:15 林道分岐
14:15 車に到着
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2007年10月22日
乗鞍岳にかかる滝は本当に見事な滝が多い。百選の「三本滝」「平湯大滝」がそうであり、それ以外にもメジャーな滝がここに集結してしているように思えます。
この「嶽谷滝」もその乗鞍岳の一つでありますが、ほとんど無名に近い滝だと思います。
標識・案内は一切無く、まして林道は県道39号の時点でゲートが設けられており、ナンバー錠でしっかり閉じて進入を拒んでいます。
さてそのゲートを越えて林道を進んでいくと、やがて遥か遠くに滝が見えてきます。剥き出しの岩肌を飛び越えていく滝を肉眼で目にした時、予想よりも大きな滝だと興奮しました。
ここからは荒れた林道跡を進みます。枝沢までは、微妙ですが踏み跡があります。
それ程時間が掛らずに枝沢に出合います。下りるような場所は見つからないです。林道跡、踏み跡はその先に続いていますが、終点は急な崖が待っているだけで、そこから本流に向かうのは厳しいと思います。
ここは草木を漕ぎ分けて枝沢を下り、逆行のように本流に出合うまで下ります。急がば回れというやつです。
本流にはわりかし簡単にぶつかります。林道終点からここまで凡そ20〜30分です。あとは滝へ向かい登り続けるだけです。遠望だけでも迫力があり、大きいのですぐに到達できると思いきや、意外と時間が掛ります。
失敗だったのは登山靴で行ってしまったこと。沢を巻きながら進めるかなと思いきや、渡渉を何度も繰り返す始末。
結局濡れた岩に滑り両足とも水に浸かってしまいました。こんな事なら沢靴で向かえば良かったと途中で後悔しました。
まだ着かない、まだ着かない、早く間近で仰ぎたい、そう願いつつも滝は奥に引っ込んでしまったかのように中々姿を現しません。
そうやく剥き出しの岩が視界に現れたとき、そこを割るように、跳ねるようにとても高い位置から水が落ちてきています。
大きい、そして幅広。水量が少なくなる秋に、見事大量に水を落とし続けてくれています。
そこから更に上段を目指すとなると、ちょっと一苦労。左岸のザレたルンゼを登り、登り詰めた所から岩壁沿いに滝に向かっていくと見えてきます。
この岩質は軽石のようにスカスカで軽く、落石を簡単に起こします。乗った岩が簡単に滑り落ちてしまう。掴んだ岩は体重を支えきれない。それほど軟いです。
だから裏見の滝になるのだろうと思いますが、いつ落石してもおかしくない岩肌の滝の奥には行こうとは思えず、飛沫が届く所で足を止めました。
午前中の訪問で、幸いに虹が掛かりより美しく滝が見えました。目の前で眺めるその滝は、豪瀑と言うよりは美瀑。柔らかく岩肌を飛び越える。宙を舞う水の姿を見ると不思議と力が抜けて呆然と眺めていました。
落差は100m以上と言われています。下の段を入れると相当に大きいですが、一段目と二段目には幅があるので、同じ滝には思えず、上の段だけをいうならば50〜60m位ではないでしょうか。
この滝の詳細を教えて頂いた「瀑岐さん」(リンク参照)、本当にありがとうございました。
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