七ツ釜滝
Data | 七ツ釜滝 落差150m 三重県多気郡宮川村 |
現地へ | 大台ケ原の東部。国道422号より、県道53号へ進む。終点に発電所があり、その付近に邪魔にならないように停車。徒歩4〜5時間(片道)。 |
コメント | 一本道ゆえ、間違えることはまず無いので、とにかくひたすら歩くだけですが、今まで行った百選滝の中で、一番行程の厳しかった滝だと思います。 時間的にも距離的にも最大で、更に完全な登山道なので、鎖場あり、吊橋あり、道の起伏は激しく、体力は簡単に消費していきました。 また、崖っぷちを進むことが多い為、あちらこちらに「転落注意」の看板があり、うっかりしていると本当に転落してしまいそうで、神経も擦り減りました。 滝に到着した時は、感動と言うより、安堵感が強かったです。やっと着いたんだ、と。 想像していたものよりはずっと大きな滝ですが、細々とした滝の流れが寂しさを感じます。迫力は無く、流れの美しさもある訳ではないですが、ただただ雄大で、どことなく味わいのある古風な滝でした。 往きで相当な体力を消費してしまい、帰りは本当に辛かったです。ちょっと進んでは、膝が笑って、息切れし、座り込む。行かなきゃと思っても、立ち上がる気力自体が無くなって最後の方は力尽きて15分くらい睡眠を取る始末。 帰路は、往きよりも一時間以上掛かったように思います。七ツ釜滝の近くに桃の木小屋という宿泊可能な山小屋があるので一泊したほうが無難です。無茶をしたと思ってます。 2012年、崩落の後、吊り橋が崩壊して通行止めになっていたダム側からの登山道がようやくの復旧。これ幸いとすぐさま訪問しちゃいました。 今回は自分の犯した轍を踏んで、桃の木小屋に宿泊予約。 じっくり滝と触れ合いたかったですし、体力的にも安心ですからね。 登山道は相変わらず、ひたすら長く、崖っぷちの通過には緊張します。特にニコニコ滝付近と七ツ釜滝目前の崖はなかなかの怖さです。でも頑丈な鎖が手摺として張られているので、しっかり握って慎重に進んでいけば滑落の心配はありません。 新しく造られた橋を渡り、桃の木小屋に荷物を置いて身軽になってから七ツ釜滝へ。 雄大さは流石に一言。お昼頃に到着しましたが太陽の当たり方がいまいち。北向きの滝ですから仕方ないです。 時間に余裕があったので周辺を探索。七ツ釜の展望台から堂倉滝へと向かう登山道を進み、しばらく谷間を左手に見ながら登っていきます。この谷を下りていけば、写真上の三段目(正式には五段目)の滝壺にいけると思います。やがて谷を跨いでしばらく登っていくと緩やかな右カーブが現れます。そのカーブをやり過ごし歩いていくと、七ツ釜滝を越えて沢沿いを進むようになります。 そこまで進むと行き過ぎですが、そのカーブの地点の斜面は穏やかなのが見て取れると思います。その昔、七ツ釜滝を見下ろすように橋が掛かっていたと云われる旧道の起点がこのカーブの地点でして、よくよく見ると踏み跡かな?って感じの道筋が見えます。 なんとなくの踏み跡ですがその軌跡を慎重に辿りつつ斜面を下りていくと、橋の残骸であるコンクリートの大きな橋台が現れます。ちなみにこの橋台は展望台からは見えません。 そこから写真上の二段目(正式には四段目)である大きな滝壺が間近に覗けます。あとはそのまま滝壺を目指して藪を掻き分けて行くと池のような大きな滝壺に落ちる滝の音が聞こえるくらいの位置まで接近出来ます。 滝壺の淵に立つには巨岩の隙間を絶妙なバランスで下りなければなりません。ロープを掛けるところはなく、掴み所が少ない磨かれた巨岩なので下りるのにはかなり緊張しました。安全性に欠ける行動になるのでお勧めしません。橋台を下りたところからでも十分に迫力は伝わってきますし、透き通った美しい深緑の滝壺を近くで見れるだけでも感動は存分に得られると思います。 日没を迎える頃に桃の木小屋に戻り、お風呂に入り汗を流します。石鹸の類いは使ってはいけませんが、温かいお湯に浸かれるだけで幸福ですね。 これだけの秘境に関わらず、素泊まり5千円は安いと思います。飲み物、お菓子も売っていて、例えば500mlのポカリスエットは200円。とても良心的です。ボーリング場や映画館は一体なんなのでしょうね。 次の日の早朝、再び七ツ釜滝へ。驚いた事に水量は半分位に減ってます。上流で水量を調整しているとはこの事かとちょっと悲しくなりました。 6:30 宮川第三発電所の駐車地を出発 8:00 千尋滝、東屋 9:00 シシ淵 9:20 ニコニコ滝 東屋 9:40 新設された吊り橋 10:10 桃の木小屋 〜休憩〜 11:05 出発 11:20 七ツ釜滝 ※ |
他写真 | |
訪問日 | 2004/04/28 2012/04/29 |