『日本の渓谷’97』に紹介されている大滝です。
記録は1996年のものなので、滝に至るアプローチが現在にも通用するとは思えないし、また正確な滝の位置が記されている訳ではないので、周辺を探りながらの道中でした。
まずは大嵐谷に向かいます。
国道157号から深瀬大橋を渡った先を右折するのですが「車両進入禁止」の看板があるので、付近に駐車。
大嵐谷に向かう林道はアスファルトの道が伸びており、記録では林道終点まで車で行けることになっているのですが、20数年経過した今ではかなり手前で車はシャットアウト。やはり簡単にはトレースが出来ません。
ここから歩きだすのは滝まで距離があるので、自転車を取り出して少しでも楽をする。
ほとんどアップダウンのないアスファルトの道は軽快に進めます。
小嵐滝が掛かる橋を通過し大嵐谷が出てきました。
この先は大嵐谷の左岸に伸びる林道を進みます。ダートとなり傾斜は登りとなって自転車こぐのは大変なので、えっさほいさと押して行きます。
地図に記載されている大嵐滝の周辺に来ました。
滝の音が聞こえてきて、林道から谷を見下ろすと落ち口が見えます。
滝下に進む道が探しましたが、特に踏み跡が見えない。だけど谷に下りれそうな斜面だったので下降して見ました。
岩盤に土が乗った滑りやすい斜面でしたが、所々に伸びる藪を掴んでバランス保持すると無事に滝前に到着です。
結構気を遣う斜面なので、ロープ(15mほど)があれば安心です。
正面から望む大嵐滝は小さいながらも綺麗な滝壺を持つ良い滝でした。
さて、林道を更に奥に進みます。
しばらく東へ、無心で自転車を押して歩いていくと、対岸の斜面に滝が見えました。あとで分かりましたが、これが小屋場の裏谷大滝です。
はるか遠くからの遠望で、この時点ではどのようにアプローチすれば良いか判断がつかないので、とりあえず林道を更に先へ向かってみます。
このまま林道を行けば、終点となり登山道に変わるのかと思ったのですが、唐突に綺麗なアスファルトの道が登場。なんか工事が進んでいるんですね。今も道路状況は変わり続けています。
本来なら登山道を進んでいるであろう位置にいるはずだけど、まさかのアスファルト。
地形図に表示されている実線の道が、私たちの進んでいる破線の林道と合流したようです。
大嵐谷沿いの道は続いているはずなのですが、その道は九十九折りとなって谷から離れていく進路となっており困惑。
なのでそのカーブの地点からアスファルト道から離れて左岸沿いに直進すると、踏み跡が確認できました。これが昔からある登山道なのでしょう。
となると記録にある林道終点はどこに? おそらく道路が繋がって無くなったのだと思います。
GPSで位置を確認すると右岸から入る沢を通過してしまったので、適当な所で斜面をおりて大嵐谷に入渓です。
そしてちょっと下って右岸の枝沢に入るとすぐに滝の登場。
大きくはあるけれど、水がチョロチョロで寂しい。
写真と見比べるとここは小屋場の谷大滝だと分かりました。
これで位置は把握出来ました。
裏谷はここよりも下流側にあると思われるので、大嵐谷をそのまま下っていきます。
やがて次に現れた右岸から流入する枝沢へ入っていき、ハシゴ状の堰堤を越えると大きな滝の出現。
これが小屋場の裏谷の大滝です。ちなみに正式には名前のない谷で、小屋場の裏谷とは仮称のようです。
名前のある小屋場の谷よりも無名の谷の方が水量豊富なのが不思議ですね。
南向きの谷なので太陽が当たると見事な景観を魅せてくれました。
本当は大嵐谷の上流を遡行したかったのですが、時間の関係で今回はこれで終了。
後は帰りに小嵐滝の滝下へ挑戦。
Takuさんが見事に崖っぷちを制圧し、滝前に到達。
そしてTakuさんの指示で、橋の北詰めよりロープを下して懸垂下降すると全員が滝前に下りられました。
手取湖の水量が少なければ、下流側から普通に歩いて行けるようになると思います。
周辺の環境を確認でき十分な収穫を得られました。大満足です。
8:40 深瀬大橋 出発
8:55 小嵐滝(通過)
9:10 大嵐滝
11:20 小屋場の谷大滝
12:25 小屋場の裏谷大滝
※休憩・撮影込み
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