一度で二度おいしい、一石二鳥。非常にお得な言葉で大好き。
それを叶えてくれるのは、二つの沢が一つの沢に合流する夫婦の形態でしょう。
そして、この鞍瀬渓谷にあるのは名前もそのまんま「夫婦滝」
道中が長い、入山禁止、崩落しているとかなんだかんだ言われてますが、夫婦に逢いに行きました。
さて、スタート。
これは完全にリサーチ不足でしたが、地形図にある鞍瀬渓谷道の起点は違うんですね。
てっきりこの九十九折りの地点から入って行くものだと思って、突撃しちゃいました。
道の案内はないし、獣道のように細くて急斜面で、ていうか道じゃない。
ズルズル滑るし、水平移動なんて出来ない。距離は進まないのに、体力だけが奪われてしまう。
入山禁止で廃道となり道は消えてしまったのかと思いました。
山斜面はどうにも歩いてられないので、やむなく沢登りに切り替えた。
って感じで谷を直接進んでいくと、めっちゃ新しい虎ロープが谷を渡っているではないか。
そうかこれが正しい渓谷道なのかと、こんなに親切な道なのかと驚きました。
どこが起点なのか、それは帰りになれば分かる事だ。
今は、この渓谷道に沿っていくとしようじゃないか。
ここからはもの凄く軽快。
さっきまで滑落するか危ういトラバースを繰り返していたのが嘘のよう。
整備されてるって有り難いね。
ちょこちょこ虎ロープが張られていて、それが新品であるのでもう入山禁止じゃないのかな?
ピンクテープも沢山あります。
でも所々でテープが見えなくなると、不安になる。
「ママ、どこ!?」ってデパートで迷子になった時を思い出した。
最初だけは混乱したものの、その後の道はガチでしっかりしてる。さすが登山道、安心そのもの。
梯子もあるし、軽快です。
いにしえの看板が出てきたら、気合いの入れどころ。
こっから九十九折りで斜面を登っていくので体力を削がれます。
距離は長いものの明瞭な道、テープを追い掛けていけば夫婦滝に見えてきました。
前衛滝もちゃんと左岸に巻き道があって、それを越えると隔絶された空間に夫婦がお目見え。
どうもお邪魔します、初めまして。
お母さん(なのかな?)の水量がやや寂しいけれど、その分をお父さんが頑張って盛り上げてくれている。
似た者夫婦ではなく、個々に特徴がある二人。
私の価値観ですが、夫婦とは似たような感性ではなくお互いに持っていないモノがあると補い合えるので良いです、はい。
でも旅行だとコンセプト合わなくて苦労したりするけどね。
崖に包まれた空間なんで、圧迫感あります。
押しの強いお父さんの飛沫は、「おうおう! 呑みなさいよ!」と強引に酒を注がれてる感じ。
それをお母さんが「無理に勧めちゃ迷惑よ〜」と優しく悟らせてる。
歓迎してくれるのは嬉しい。ただちょっと飛沫の冷却で寒いかな。長居には向かない感じでした。
ここって氷瀑にならないのかな? 北向きだし雌滝なんてガッツリいきそうな感じだけどね〜。
さあ、こっからよ。
今回の四国の目的はこの先にあるのよ。奥夫婦滝。
この夫婦滝を高巻いて出逢える奥の夫婦です。
簡単に結論を述べます。
無理でした。
セオリーは左岸のよう。崖沿いの急斜面を必死に登っていくと最終的に垂直の岩壁が立ちふさがった。
すぐ隣に枝沢が流れているので遡ってみたが、20m程の絶壁の滝が待ち構えていた。
更に隣の細尾根も登れる感じには思えない。
一旦下りて、右岸も試みた。岩壁が出る度に右へ左へ逃げながら登っていったが、結局は掴み所のない岩壁が出てきて終了。
2時間程もがいた結果、情けないけど自分には無理だと烙印を押した。
恐らく、左岸の垂直岩壁のどこか途中で弱点を見つけ抜けるのだろう。
僕にはそれが見つけられなかった。
まだ時間はあったのだから、もっとじっくり岩壁の弱点を探れば良かったと後悔に苛まれる。
高巻きというゴリゴリに削られた体力の中では、判断力も鈍ったかも知れない。
仕方ない。後悔先に立たず、おち○ぽ後ろに勃たずだ。
リベンジしたいなぁ。マジで。
夫婦滝に戻って、再びご挨拶。
このお宅に入って、夫婦の前でしたかった事。
それは三木道山の曲「Lifetime Respect」を歌う事。
『一生一緒にいてくれや〜♪』って、適当に歌う。
特に『一緒に料理したり 映画見たり 愛のある○○○に精ェだしたり』
って歌詞が大好きさ。
(○○○が分からない人はお父さんかお母さんに質問してみようね!)
夫婦滝には感謝を。奥夫婦滝に無念を。
やはり悔しさの方が強いな。
帰路には登山道の途中にある「貝の口滝」へ立ち寄り。
明確な案内がなくて周囲をウロウロ。
枝沢から梯子を登る地点、そこから枝沢を下っていくとピンクテープが右岸に巻かれてます。
それを辿って下っていくと滝前に到着。
磨かれた岩盤、深すぎる滝壺には大興奮。
飛沫には当たれないけれど、美観に特化したって感じ。居心地も良くて、つい寝転がってしまいました。
さあ、あとは地道に戻るだけ。何度か渡渉を繰り返してつつ、登山道から離れないよう気を付ける。
そして辿り着いた所は、道路のかなり上の位置。しっかり看板あるし。これが正規ルートじゃないの。
最初からこちらを進んでいれば、20分くらい短縮出来たし体力も奪われなかったろうよ。
ホント、調査不足が悔やまれる。情けない滝巡りとなりました。
5:30 出発
7:05 いにしえの看板
8:00 夫婦滝
10:40 (高巻き失敗して)出発
11:10 貝の口滝
13:05 正規入り口 到着
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