よく整備された歩きやすい遊歩道、高く聳える稜線、木々や葉の生き生きとした姿、優雅に流れる広い川。ハイキングコースとしてものすごーく楽しめます。
やっと来れました。
6年前の訪問時は豪雨の影響で林道が通行止めになってて近くにも行けませんでした。
悔しい思いをずっと残していて、ようやく訪問が叶いました。
ここは整備されていますし、管理もしっかりされています。
ただし、登山届けを提出する事と、ヘルメット装備(レンタル可能)が必須になります。
早朝、管理しているアクアグリーンビレッジANMONはまだ営業してませんでしたが、暗門渓谷ルートの始まりにある小屋に、登山届けの用紙と提出先、貸し出しヘルメットが置かれてましたので、ここで真面目に記入して歩き始めます(ヘルメットは持参しました)
今日は雨時々晴れ。バッと降ったと思ったらいきなり青空になるよく分からない天気。カッパを着て歩き始めとなりました。
最初はとっても平坦で、幅の広い川の下流域を紅葉を楽しみながら気軽に歩きます。
コンクリートで整地された歩道はとても安全で緊張感のないまったりとした歩みを続ける事40分程で、第三の滝に到着です。これだけ整備されている事に感謝です。
広々とした空間に、程よい落差の滝。近付けば飛沫、離れれば心地良い景観。
最初から味濃くてボリュームあるけど、これが前菜なのです。
この滝を越えるのも遊歩道。結構な勾配を一気に上がっていくので高度感からビビりそうに思えますが、整備のお陰で楽しく巻けます。素晴らしいです。
最初に比べれば歩道は細くなっていますが楽しいハイキング。
そして第二の滝に到着。第三よりも大きい。でも勇ましさでは三の方が良いかなと思っちゃった。ま、これは個人差ですね。
さてさて、ここからが勝負所よ。
第一の滝に向かう歩道は通行禁止の看板で塞がれています。
いつからか忘れましたが、第一の滝へ向かう遊歩道が崩落し、通行止めになってしまいました。
なので、一般的な観光客はここが終点となり引き返す事となります。
でも第一の滝が見たい! 挑んで無理なら諦めますが、行動せずに引き返したくはありません。
しかし、不安になるのがこの「立入禁止」の文字です。何人をも通さず、通ったら警察に通報されるのなればそれはもう諦めざるを得ません。
そんな心配があったので、ここを管理しているアクアグリーンビレッジANMONに、事前に電話で確認を取りました。
「歩道は全て撤去しているので、沢に入る必要がある」「トンネルを塞いだかも知れない」「一番狭い所では足が半分も乗らない」等々。なかなかに厳しいアドバイスを頂きました。
そして肝心な、通行禁止を通って良いか? についてですが、
「そこはもう自己責任ですね」と、否定はされませんでした。
って事で、自己責任を承知の上で、ヘルメットの紐を締めて第二の滝を巻く遊歩道を登って行きます。
第二の滝の落ち口の手前で噂のトンネル。塞がれていません。これはかなりホッとしました。というかここを塞がれたら行くの大変過ぎですよ。
落ち口を越えると荒々しい渓谷の姿。岩壁が反りたち、太陽が差さないゴルジュのよう。川幅も更に狭まっています。
それでも遊歩道の名残でコンクリの道があったりします。
第一の大滝が遠くで見えた所で、強い水流の中に太ももまで足を入れて渡渉。
そしてラスト。深い淵のトラバース。「足が半分も乗らない」って……、ここかい!
中腹までは問題ないが、最後の1mが崩れている。道が落ちてしまったんでしょう。
昔の写真を見ると、手摺りがついた見事な遊歩道になっていたみたいだ。
その頃が羨ましい。何年前だったら簡単に行けたんだろうか?
とりあえず崩落地に近づいてみる。足はなんとかなるかもしれないけど、問題は上半身。
掴める岩が全くない。バランス崩したら最後、深い淵に落ちていく。
ボチャンと落ちれば死なないとは思う、いや寒さで死ぬかも知れない。
そんな事思うともう無理よ。動けない。
臆せず進める精神力と技術と肉体が欲しい。行ける人にとっては難所でも何でもなくサクッと進んでいっちゃうと思います。
あとは、暑い時であれば最初から淵に入るのを覚悟して濡れながら進めば良いかな。
どうすれば行けるか? 滝は見えているのに、この1mが進めない。
横が無理なら上に行けばいいじゃない? ってマリー・アントワネットが言ってたよね。
草付きの泥斜面、所々に藪が下がっている。藪を掴みつつズルズル滑りながらも登っていく。聳える岩壁が目の前に来たら、木を支点にロープを下ろし、壁沿いに下って行った。
なんとか無事に崩落箇所を越えられた。
これで第一の滝に到着。
わお、すげえや、そこは憩いの場とは程遠い爆風の世界。
どこでカメラを構えても、必ずレンズに水滴がつく。
まともな写真は全然撮れない。
さっきまでは秋の雨で寒がったりしてましたが、滝前に来ると寒さを忘れて対峙してました。
アドレナリン出まくって痛み忘れる感じ? 夢中夢中、飛沫の強さは勿論の事、力強い太い水柱の格好良さも凄いし、壮大な岩壁を彩るこの時期だけの紅葉の美しさも堪らない。
頑張って越えた甲斐がありました。
ハイキングの先にこの滝があったらどれほどコスパに優れていたのだろう。その当時に行けた方は純粋に楽しめたんだろうな。羨ましい。
これから第一の滝までは、整備しなくなるのだとしたら、ますます困難になるでしょう。
願わくば遊歩道を復活して欲しいですけどね。
6:30 グリーンビレッジANMON 出発
7:15 第三の滝
7:30 出発
7:40 第二の滝
7:55 出発
8:30 第一の滝
|