御来光の滝

Data 滝名 御来光の滝
落差 100m
所在地 愛媛県久万高原町

お勧め度(※五段階) ★★★★(直下)
★(遠望)
難易度(※五段階) ◆◆◆◆◆(直下)
◆(遠望)
現地へ ルートは二つ。
@面河渓谷より石鎚山へ向かう登山道を進み、愛犬小屋の手前から滝に向けて下降する。片道で5〜6時間。
A石鎚スカイラインの、御来光の滝が展望できる駐車場から川へ降りて、川沿いに進む。片道2〜3時間。
@、A共にガイドマップには一切載っていません。
2022年6月

やっぱりね、良い滝には再訪したくなるよね。
今では色んなサイトで御来光の滝のルートが案内されていますので、滝下へ目指すのもハードルが低くなりました。それでも明確な案内がある訳ではない危うさもあります。
メジャーな秘境って感じでしょうか。

百選の中では難解の部類に入ります。
難易度 1位 双門の滝
      2位 茶釜の滝
      3位 御来光の滝
かなぁ。
簡単ではないですから、しっかり装備を整えましょう。

まず最初の難関。
時間制限です。
滝へのアプローチとなる石鎚スカイラインにはゲートが設けられており、規定の時間にならないと入場出来ません。
6月は7時でした。

そんな訳で、早朝は付近の観光滝である「虎ヶ滝」で暇潰し。
戻ってきたらゲートが開く時間となった。
起点となるのは石鎚スカイラインの途中にある長尾根駐車場。御来光の滝の遠望地点として案内があります。


車を止めたら速攻で出発。

駐車場から東の方向へ。最初に出てくるカーブミラーから谷方面へ登山道があります。
懐かしいなぁ。ここはよく覚えています。



往きは下りっぱなしなので息切れはしないものの関節にダメージを負います。
下るごとにこれを登り返すのかと思うと憂鬱になります。

およそ300mほど無心で下りていくと堰堤上に到着。

ここから上流に向けて歩きますが、左岸の樹林帯の中に歩きやすい踏み跡があります。 

さて次に現れるのは、一番見落としてはいけない箇所。
ブルーシートが目印となって右岸斜面を登っていきます。
まあ、仮に見落としたとしても、番匠谷との二俣が現れるので、それを見たら引き返せば良いのだけど。


この斜面でググッと標高を上げていくので、なかなか疲労します。
緩やかに下りとなり、沢に戻れば見所の一つである七釜に到着。

良い休憩所なので、一呼吸を入れます。
ここまでで50分。
地形図を見ると、滝までまだまだ距離があるねぇ。気が滅入る感じがして、ゆっくりと休憩出来ず、早々に歩き始めます。



ここから何度か渡渉をしつつ、滝へ近付いていく。

右岸の岸上を進んでいる時に、対岸に犬吠の滝が見えました。その見えた所から急斜面を下りれば滝の正面に立てます。
ただし、この斜面はズルズルの泥斜面で滑落する恐れがあります。10m位のロープを用意しておくと安心でしょう。

犬吠の滝から、本流をほんのちょっと遡行すると魚止の滝に。
岩盤のゴツゴツ感と深い滝壺が素晴らしい。



さあ後は寡黙に進むだけ。
また一時間くらい歩いたら休憩しようと時計を見ながら案内のテープと踏み跡を見失わないように気を付けて登っていく。



難しい箇所はない、むしろ危うい所はロープでガードしてくれている。有り難い事です。

さて七釜で休憩してから一時間が経過したので、一息つこうと荷物を下ろす。

で、今どこだって?
御来光の滝に到着しましたよ。
1時間50分での到着。予想よりも早くてビックリ。



今日は晴れているのだ。到着した時は光が差し込んでいたのだ。
これなら虹が撮れると喜んでカメラを取り出したら、速攻で曇った。太陽が消えた。

その後、いくら待っても太陽は帰って来なかった。
せっかく良い天気でここまで歩いて来たのに、、、。
なんか御来光の滝に門前払いされた気分。
すごく凄くスゴク悔しくて
「と゛う゛し゛て゛た゛よ゛お゛お゛お゛!!!!」
って藤原竜也ばりに叫んでしまったよ。

まあね、青空も虹もなくても滝は健在さ。
高く聳える岩盤は素晴らしい。前回よりも水量あるから飛沫気持ちいいし。
のんびりさせて頂きました。ありがとうございました。


7:35 長尾根駐車場 出発
8:00 堰堤上
8:25 七釜
9:25 御来光の滝 到着
10:40 出発
11:25 犬吠の滝
11:30 魚止の滝
11:55 七釜
12:20 堰堤上
13:20 長尾根駐車場 到着



2006年8月


一般的なルートは@のようです。しかし、私は敢えてAのルートを取りました。その方が早いですし、川沿いなので迷う事は無いと思ったので。
@のルートも登山マップには掲載されていない為、道が分からない不安があったというのも理由の一つです。
どちらが安全なルートかといえば、どちらも急勾配で安全とはいえないようですが、@の方が比較的安全のようです。

石鎚スカイラインは7時〜20時まで開放されている道で、どんなに早くても7時30分からスタートになってしまいます(@のルートは関係ありません)
もっと早く出発したかった私は、前日の20時前にスカイラインに入り、その長尾根駐車場で車中泊をし、陽が昇った朝6時に出発しました。

駐車場から50m程、道路を進んでいき、一つ目のカーブミラーの奥に踏み跡があります。

そこから川まで急降下です。おそよ300〜400mあるでしょうか。川に到着まで30分ほど掛かりました。
下りなのに息切れをしたのは初めてでしたし、川に着いた時には膝が笑っていて、先行きが不安になりました。

川は伏流水なので普段は流れていませんが、水量が増えると普通の川になるようです。
単純に言えば、その川の上流に御来光の滝があります。

急降下の末に川へ着地し、そこからなだらかな川沿いの進み、川が緩やかに右にカーブするところの右岸に、折り畳まれたブルーシートが木にくくり付けられているのを発見します。

そこが高巻き道の入り口です。そこさえ入ってしまえば、あとは先人の方々が残してくれた赤テープなどのマーキングを頼りに上流に向けて進んでいくだけです。

川が進行方向を示してくれているので、迷う事は無いとは言え道を探すのに神経を使いました。

道は進むほどに、踏み跡が乏しくなりテープもなくなっていきますので、周囲をくまなく見渡す必要があります。

右岸・左岸と何度か切り替えて登っていったように覚えていますが、帰りはほとんど右岸を進んだように記憶していますので、とにかく道が見当たらなければ右岸を登って進んでいけば安全かと思います。

息切れをしながらも、ようやく滝を目前に。
出発からぴったり3時間掛かっていました。

その聳え立つ巨岩が圧倒的な存在感で私を包み込み、睨まれているかのようで、薄ら怖さも感じました。

しかし、その高さと、空に抜ける開放感がとてつもなく清々しい。

滝の水量は、はっきり言って少なかったです。夏場で雨が降っていなかったのが残念です。

雪解けや雨上がりの時は、この5倍の水量が岩に叩きつけられ、轟音を響かせているようです。
その水量の少なさに物足りなさを感じつつも、岩場に体を預けると静かに滝の流れる音が聞こえ、その静けさが疲れた体の芯まで届き潤いを与えてくれました。

「これも悪くない」そう思いました。
滝には変化の美しさがあります。四季の変化、水量の変化、天候の変化、色々な要素が混ざって滝なのです。
この滝の素晴らしさは、まずその巨岩を割って落ちる様です。水量関係なくそれだけで、素晴らしい滝なのです。
といっても豪瀑の時に見たいのも山々ですけれど。

2002年の時は、ルートが分からず遠望だけで去りました。
4年後、やっと出会えることが出来ました。その間に99滝まで周り、これが100滝目。
この滝を見て、私は全ての百選の滝と対峙しました。

分岐瀑
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他写真
訪問日 2002/05/05
2006/08/14
2022/06/01

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