2008年、岩手宮城内陸地震で大きな被害を受けた滝です。
以前は観光地として紹介されており、秘境である湯の倉温泉に向かう林道から吊り橋を渡って遊歩道を20〜30分歩いて到着。良いハイキングとして滝巡り出来たのでしょうが、現在そんな記事は見られません。
吊り橋以前に、手前の林道も崩落で埋まり、道がない様子。更に湯の倉温泉も水没してしまったという大変な被害状態です。
地震から月日が経って何か改善しただろうかと期待して現地入りしました。
まず、川の左岸に伸びる林道に向かいます。湯温温泉から脇道に進む。途中までは軽快に進めたけれどあっさり道がなくなりました。
廃道があればそれを利用して歩いて行こうと考えてましたが、藪が壁となって聳え道らしきものが全く見えません。堰堤工事で道を整備しているのではと願ってましたが、完全に自然に還った様子でした。この林道の奥にある大地滝へも行きたかったのですが、この様子だと物凄い長い距離を遡って行かなければならないので、1日仕事になるでしょう。1泊じゃないと駄目かも知れません。
白糸の滝には遊歩道ではない別のルートで向かえるようなので、この林道は諦めて国道398号に戻り湯浜峠方面に向かって走ります。
地形図に記載されている林道の実線(国道から標高592と表記されている地点まで伸びている線)付近の路肩に止めてダート道の入口に。ここは鍵付きの鎖ゲートになっていますので、車は入れません。
そのままダート道を東に進んでいくと、10分程で大きな木の案内が地面に寝転がっているのが見つかります。「白糸の滝」と書かれた案内です。
林道のダート道と離れ、案内のある山道へと折れます。緩やかなアップダウンのある優しい山道。よくよく踏まれていて道は明確で整備されている感じ。皆、この道を使って滝に行ってるのでしょうか。
迷うことはない山道を40分くらい歩いたら、ダート道が現れました。この道は地形図に出てませんが、先程の鎖の奥の工事用の林道に合流したと分かりました。
ほんのちょっと林道を歩いて、白糸の滝に向かう波線の地点で再び山道を歩き、緩やかな下りの道を進んでいくと橋が現れ、奥を覗くと滝が見えました。ゲート前から1時間10分で到着。
大きさ、水の流れ、滝は滝として健在です。黒い岩壁を悠々と流れ落ちる姿は美しい。昔とは流れが変わったようですが、初見の私はこの姿こそ白糸の滝です。
滝の手前にあるテーブルが観光地を物語っていますが、人の気配が感じられません。忘れ去られてしまったような、廃墟に来た感じです。
昔は賑やかで、来る人を楽しませていたのだろうなと思うとちょっと寂しくなりました。
白糸の滝にお礼を言い、林道に戻ります。ここから、もう一つの滝を目指します。
水没してしまった湯の倉温泉の奥にある滝。もしかしたらこの滝も水没して無くなっているかも知れませんが、ここまで歩いて来たのだからと頑張って進みます。
そろそろ湯の倉温泉という所で工事現場に到着。祝日なのに現場は動いています。
林道は一迫川沿いを歩くようになり、この辺りに東へ伸びる遊歩道があるはずだけど見つからない。代わりに新しい大きな堰堤が出来ていて道は終わってました。
これではこの先にある湯温温泉から北進する林道に向かうのは厳しい。ここもまた大地滝へ向かうには適さないアプローチです。東にある世界谷地からの波線も通行止めのようなので、大地滝は本当に遠い滝になってしまったようです。
工事現場の林道が一迫川沿いにカーブする地点から一迫川へ下りる踏み跡があり、緩やかに下っていくと目の前には折れ曲がった電柱と電線が現れました。ここが湯の倉温泉の跡地なのでしょう。
崩落で埋まった一迫川は下流に新しく出来た堰堤の影響か平坦な川になっていて歩きやすい。何度か渡渉しながら遡っていくと20分程で滝に出会えました。こちらも健在です。水没してなくて良かった。
まったり滝を楽しんでいると川の水が濁ってきました。おそらく上流で工事をしているのでしょう。
帰り道、濁って灰色になった一迫川は深さが分からなくて渡渉するのが怖かったです。
工事用の林道に戻ったら、あとはゲートまで歩くだけ。白糸の滝から湯の倉滝、合計12.3km。なんだかんだよく歩いた滝巡りとなりました。
6:35 Pより歩き始め
6:45 滝への案内
7:40 白糸の滝
8:25 出発
9:10 湯の倉温泉 跡地
9:25 湯の倉滝
9:55 出発
11:40 Pに到着
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