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最近の山形県の滝推しはすごい。HPで色々な滝を紹介しているし、なによりも九階の滝でご一緒させていただいた「けんぼーさん」が活躍しているのが嬉しい。
それに影響受けた訳ではないですが、今回は山形に赴きました。
メインは梅花皮滝だったんですが、ケチョンケチョンに蹴散らされて敗退に終わった翌日。疲労が隠せないから半日ほどで巡れる滝に行こうと決めたのがこの白糸の滝です。
もともと行く予定はなかったので碌に調べもせずに現地付近へ。というか調べてもあまり情報が出てこなかったです。
地形図を見ながらまずは林道終点まで行こうと走っていたのですが、進むほどにダート道は荒れていきます。前日の夜にもガッツリ雨が降っていたから道はぬかるんでいるし、大きな濁った水たまりもあるし、自分の愛車パジェロイオでも底を擦ってしまう酷さになっており、とてもじゃないけど終点までは行く気になれず、登山道を示す破線の所で車を止めました。
林道整備中で4WD車よりも車高のあるトラックやショベルカーで造られた轍はあまりにも深かったです。これ以上進むにはジムニーとかじゃないと厳しい状態です。
車を止めるとアブの大群の熱烈歓迎を受ける。車から出る気すら失うような数の襲来には驚きました。
新潟・山形のアブは半端ないと聞いたことがありますが、数えきれない程の飛来に遭遇するのは初めてです。
車内で着替えや準備をして、ドアを開けるとアブが一斉に飛び込んでくる。阿鼻叫喚です。
数年前に購入して一度も使ったことがなかった防虫ネットが遂に役立つ時が来たと頭から被る。でも被って紐を括る間にネットの中に入ってくる曲者もいて不快極まりない。
侵入を防ぐようにきつく紐を縛ったら顔への不快度は一気に減りました。防虫ネットって凄いっすね。
でもアブは手袋の上からでも刺してきて痛い。厚手の手袋も用意しないとダメでした。
最初は沢沿いの登山道を進んでみました。でも途中から崖が現れて全く進めなくなりました。完全に廃道です。
と言うわけで林道を歩いてまずは終点に向かう。ブンブン飛んでるアブを引き連れての行動で油断して止まってると刺してくるので休む間がない。手を振って歩いていても刺してくるのでウザ過ぎです。
ぬかるんだダート道を進む事50分ほどでようやく林道終点。ここから九十九折りの踏み跡を辿って中野俣川に入渓です。
前日の雨の影響をモロに受けていて、川の水は濁り、水嵩も増しているように思います。流れは強い訳ではないので渡渉もなんとか大丈夫でしたが深い所では胸辺りまで浸かりました。最初は水に入らないよう気を付けて進んでいたのですが、止む無く入ったらもうどうでも良くなりました。
やがて白糸の滝の落ちる沢との出合。まさかの小滝が出合で、沢に近付けません。
どうしたものかと中野俣川の上流を様子見しましたが岩盤が覆っていて取り付けない。
こっちしかないかと小滝の右手に流れる枝沢に入り、少し枝沢を進んでから左岸の尾根に取りつく。泥斜面で踏ん張れませんが藪を掴んでなんとか尾根上へ。するとそこには新しめのピンクテープがありました。もしかしたらけんぼーさんが来た時のものかも知れないなぁと思いつつ、白糸の滝の沢への下降。
ここも枝沢同様に泥斜面なので、安全を考慮してロープを垂らして下りました。最後は傾斜の強いツルツルの岩壁だったので懸垂下降の方が安全でしたね。これで枝沢から白糸の滝の沢へと乗り越え成功です。
沢に着いたら、あとは上流に向かうだけ。特に難所はなく無事に滝前に到着です。
出発から3時間程で到着。途中ハプニングがあって到着が遅れましたので、順調に行けば2時間は切れると思います。
すり鉢状の岩盤に囲まれた空間に、幾重にも分岐した水の流れが堪能できる綺麗な滝です。
悪路・泥水・アブやら汚れまくりの道中ですが、滝はピュアな美しさを持っているのが救いです。
心休まる素敵な滝・・・、そうのんびり構えたいのですが滝前でもアブが離れてくれないので神経すり減りました。
帰路、アブとの戦いはまだ終わらない。
車に戻って、その場で濡れた衣服を着替えようとも思いましたがその場で服を脱ぐなんて恐ろしい事は出来ないので、サッと入って出発しようと決めました。
ドアを開けて、ザックを置いて、すばやくエンジンを掛ける。そして顔を上げてハンドルを握り目の前の光景を見る。驚きで声が出ちゃいましたよ。
一斉に車内になだれ込んだアブはフロントガラスの視界の半分を埋めていました。外側ではなく車内に入りこんでガラスの内側に張り付いているのです。
とにかく動くしかないので見えない中でダート道を下りていきました。中々のパニック状態でしたよ。
アブの活動時期は7〜9月。その時期は行かない事をお勧めします。刺されるのが好きと言うマゾヒスティックな方は是非どうぞ。
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