千尋滝

Data 住所 日向市
評価(5段階) ★★★★★
難易度(5段階) ◆◆
現地へ 東九州道「日向I.C」の南西部。国道327号より県道51号に入り、福瀬大橋を渡り立石川沿いに駐車。徒歩20分程。
コメント
デカい。
滝の落差は100m級、落ち口は霞んで見えるくらい遥か彼方から悠々と水を落としている。滑りながら折れながら、水の形を様々に変えて落ちている姿を見るのは楽しい。
落差もさることながら、滝壺も滝前の空間も規格外。滝壺の広さはその滝の懐の大きさを表す(と思ってます)。受容に溢れた寛大な滝を前にすると、自然と肩の力が抜けて羽根を休ませてしまいます。
優しくて安らげる、疲れた時や悩んだ時にこの滝に訪れれば「よし頑張るか」と英気を養ってくれる滝だと思います。

人里からそれ程離れている訳でもないのに、これだけ巨大な滝が観光地化されずにいる事が不思議なくらいです。
それと離れていないだけに人の手は加わっており、そのお陰で難易度を低くしてくれている点は感謝です。
当日の天気は雨、シトシトではなくザーザーの強雨。
市房山の谷の滝を見たかったので宮崎市街から二時間ほど走って市房山の麓までやってきたのだが、本流の一ツ瀬川が物凄く増水していて渡渉が厳しく断念。あとで気付いたが「ダム放水中」と電光掲示板に書かれていた。
そんな訳で朝一から早々に予定がダメになり代替案に移行。
この立石川は普段の水量が少ないので豪雨時は期待出来る。そんな訳で市房山から一気に日向市まで、また二時間以上走行してようやく付近まで来ました。貴重な時間を移動で消費してしまったのは物凄く惜しい。
県道51号から福瀬大橋を渡り右に折れ、川沿いの空いたスペースに車を止めて、立石川を渡って田畑の脇を進みます。ここまではトラクターも通れるしっかりした道です。
しばらく歩くと田畑は終わり、川が再び見えてくるので左岸の岸上を進むようになります。
左岸には田んぼ用の導水パイプが引かれており、それは千尋滝の滝壺まで伸びています。
単純に言うと、導水パイプを追っ掛ければ千尋滝に着きます。迷うことは絶対にありません。
そしてその導水パイプ沿いに仕事道がありますので、それを利用すれば手前にある小滝群を一気に巻けるようになっています。途中、傾斜のきつい箇所もありますが、虎ロープが張ってありましたので、その点も安心でした。
仕事道は樹林で覆われていて光が刺さない暗い中での行動ですが、千尋滝の目の前に来ると視界が一気に晴れ渡ります。
葛藤から解放されたような清々しい気持ちになれます。
車を停めてからここまでおよそ20分、千尋滝までなら靴が濡れる事はないので登山靴でも問題ないです。
広々とした滝壺を目の前にウロウロ歩き回る。顔に当たる水滴は、飛沫なのか雨なのか、判断がつかなくて爽快感を得られないのはこんな雨の日に訪ねる自分が悪い。
スケールが大きすぎて、結構な孤独感。この滝は大勢で来るのが楽しそうです。そして青空が晴れ渡っていればどれだけ心地よいのだろうとか想像するとため息が出ました。
滝前でゆったりと水の流れを見ていたいのですが、雨が容赦なくカッパに当たってくるので座っていても気が休まらないのは辛い。
とりあえず腹ごしらえをして、雨に濡れて変色したザックを背負う。

さあ、ここから第二大滝を目指します。

他写真
訪問日 2016/05/16

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