Data |
住所 |
富津市
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評価(5段階) |
★★★
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難易度(5段階) |
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現地へ |
マザー牧場の東部。県道93号からバス停「サンライフ鹿野山」のT字路を南に入り突き当りまで進む。そこから登山道を進み沢を遡上する。徒歩90〜120分。 |
コメント |
リベンジ達成というのは響きが良いものです。ホロ酔い気分のようにフワフワして自然と笑顔が出ちゃうような幸福感。悔しさで去った前回の鬱憤を晴らせて、これでようやく前を向けるってものです。
ここは、秘境といって過言では無いでしょう。
数多の観光地を持ち、観光名所も沢山あって、どこにでも道路が伸びているような千葉県ですが、ここを尋ねる人は少ないです。 そして何よりも情報が少ない。それが一番大変でした。
地図を見てもらえば分かりますが、滝の北と西は超有名なマザー牧場、南はゴルフ場、東は開拓されていない山林。滝に近付くための道は塞がれています。 沢に入渓出来れば良いのですが、それが難しい。 3月、まだ冬の寒さ残る中で、この滝を目指しました。 沢の下流に入渓ポイントとなれる橋があります。しかしそこはゴルフ場の敷地内。とりあえず目指しましたがさすがゴルフ場。お上品な雰囲気満載で富豪の匂いが漂っています。高級なホテルに入り込んだ感じで、沢靴はいてザックを背負う人間は明らかに場違い。注意される前に潔く退散。 西側に沢の近くまで伸びている道はアプローチ可能か、しかしそちらはマザー牧場。「敷地内 立入禁止」の看板であったりゲートが出てきたりで全く持って近付けない。 再びゴルフ場付近に戻り、ゴルフ場よりもちょっと北にある点線を探る。ここは民家の為の道路で路肩もないから駐車が出来ない。終点にある民家の方に尋ねたら沢に下りる道はあると教えてくれたけど、私有地だから無理は言えない。 そんなこんなでウロウロしていたら野生の猿が威嚇してきて車体にドロップキックを浴びせてきた所で意気消沈。沢靴すら履かせてくれない程に滝は遠い存在でした。
そして5月、前日にガッツリ雨が降ってくれた快晴の日。心配だった水量は問題なさそう。千葉は雨後でないとチョロチョロしか流れていない滝になってしまいますから、ナイスタイミングとなりました。
これで駄目だったら諦めようという覚悟と、絶対に行ってやるという意志を持ってアクアラインに乗って再び千葉に来ました。
もう残るは東側の山林を目指すしかありません。間滝の東、264の三角点のある登山道から崖沿いにある尾根を目指し沢に降り立つ計画です。 尾根から無事に入渓出来るかが鍵です。崖が現れたらロープをたらして懸垂下降してでも降り立つ覚悟は出来ています。
3月の時にこの近辺もチェックしていたので264の北にある道の終点まではスムーズに走ってきました。ここは車が4〜5台は止められるスペースがあります。
ハーネス付けて、30mロープをザックに入れて、カラビナ、ATCやらをハーネスに引っ掛けて、勿論ヘルメットを忘れずに。雨は止んだばっかりで草木にはまだ水滴が残っている状態なので、カッパを着込んでいざ出発。
登山道に入ると早速案内の看板を発見。なんということでしょう、狙っているポイントまで道があるように記載されています。 入渓する所までは道がないようで、そこは心配になりますが、とりあえず尾根までは踏み跡があるというのは安心しました。 さて歩き始め、すぐに264。やったぜ山頂に上り詰めた。ピークに立つのはとても珍しい事です。
いくつも枝分かれする登山道。地形図には描かれていない道があります。
看板にはちゃんと道が書かれていますが、残念ながらこれらの道は廃道に近い。竹藪が視界を埋めて道が見当たらない事がしばしば。闇雲に歩いているとまた道が復帰する。正しいのかよく分からないけれど方角さえ間違えなければ大丈夫と信じて突き進みます。道は信用出来ないと見切りをつけて、方位磁針と地形図が頼りです。といってもスマフォのGPSを活用しちゃってますけども。 尾根に乗るまでは非常に難儀しました。道じゃない所を歩いている方が多かったですし、雨上がりの山はぬかるんでいて、踏ん張りがきかなくて思うように進まない。
しかし尾根に着いたと思った途端に明確な道が復活。マーキングもあるし。途中の道は消しゴムで消されたかのように綺麗さっぱり踏み跡が無かったのに、終盤になって道が現れる不思議。しかもビックリする事に「間滝→」ってテープに書いてあるし。
尾根をズンズン下りていくと水の音が聞こえてきました。沢は近い。そして左岸から入る枝沢と本流が出合う地点に到着。最後の最後は滑り台のようなズルズルの斜面だったで、登り返しに苦労しそうだと判断し念の為ロープを垂らして降りました。
出発から1時間10分、ようやく本流に触れました。
北に伸びる沢は両岸が崖で逃げ場のない状況が一目で見て取れる。 ここからは水の中を進みます。底は砂が堆積して、ある意味クッションとなってくれて膝に優しい沢。所々で倒木が沢を埋めていてそれをやり過ごすのがちと面倒ではありました。
しかし、この沢は楽しい! 両岸がそり立つ崖で圧迫感はありますが、冒険心をくすぐられる様なアドベンチャーな沢なんです。
時に1〜2mの小滝が出てきて、岩壁をよじ登る必要があるのですが、それも高すぎて怖いレベルではなく調度良い緊張感の中で突破できて、アスレチックで遊んでいるような感覚です。
これほど面白い沢も珍しいなぁと笑顔で進んでいくと、入渓から凡そ30分で滝に到着しました。
垂直に聳える崖の狭間、洞窟のような暗さの中に滝は落ちています。秘境感満載ではありませんか。反響する滝の音が鼓膜を揺らして中々の衝撃。滝自体は10m位の落差で大きくはないですが、この壁の存在感と威圧感は半端ないです。失敗したのは撮影に対して三脚を持ってこなかった事です。まさかここまで陽の光が入らないとは思いませんでした。ISOを1600に設定しても手ブレてしまってまとまな写真が撮れない。結局、同行者の三脚を借りてシャッター速度を2秒くらいにして撮影しました。
帰路はマザー牧場の音楽やアナウンスが聞こえました。みんな綺麗な格好でソフトクリームでも頬張っているのだろうなと想像できるような賑わい。そんな美しい観光地の近くに秘境感たっぷりの滝があるというのは中々不思議なものです。そんなアンバランスも含めて、本当に楽しい沢登りでした。
余談ですがこの上に6mの上段があるようです。それと「間滝→」のテープが巻かれている地点から尾根を離れて沢に向かって斜面を下りればピンポイントで滝下に辿り着けるかもしれません(その際はロープを持参した方が良い)
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他写真 |
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訪問日 |
2013/05/12 |