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待ちに待った春。
水の躍動感と新緑の生き生きした姿が見たくてウズウズしていました。ようやく滝シーズンが開始されましたね。
さてさてどこに行こうか、毎年それには悩まされます。 躍動感といえばヒョングリ。数あるヒョングリの中で、素晴らしい跳ねっぷりをしているのに、中々手がでない滝があったのを思い出しました。 それがこの水神滝です。
埼玉からだと愛知県はやっぱり遠いですよ。フラッと行けるものではありません。でも、新東名が出来たおかげでちょっとだけ近付いたんです。 よーし、おじさん頑張っちゃうぞっと走りまくりました。 佐久間湖沿いにあるボンクラ沢という沢の上流にある滝で地形図には滝マークはありません。 県道1号を走るのですが、採石場のトラックが一杯走ってて結構疲れる運転です。
ボンクラ沢の目印は、橋に「ボンクラ」と赤い字で書かれているので分かりやすいです。もし字が消えてしまった場合は、沢の奥に赤い堰堤があるのでそれを確認しましょう。 橋の近くに車を止めて、沢に入ります。案内は無いですが上流を目指して進むだけです。まずは赤い堰堤を左岸から越えて、あとは踏み跡を辿ったり、時には水の中に入ったりして進みました。 特筆すべき難所も何もなく、橋から20分程で滝前に到着しました。
三段の滝で正直ビックリするほど大きいです。そしてその真ん中には見事なヒョングリ。跳ねてますねー。あまり雨が降ってなかったので水量が心配でしたけど無事に躍動感が見れてホッとしました。
ここからが勝負。そのヒョングリを間近で見たくて、右壁をよじ登って行きました。砂の乗る岩場で不安定ですけどジリジリと近付いて行きます。
ちょっとずつ高度を上げて、気付けば落ちたら命も危ういと感じられる程の高さになっている。これを察してしまうと体の動きが悪くなるんですよね。萎縮してしまって思い切った行動が出来なくなっちゃいます。
あと少しでヒョングリに触れられる、そんな状況で出てきたのが肩ぐらい高さの岩。ここをよじ登ればゴールです。 今の状況がただの平地で落ちても怪我すらしないのなら、岩を思いっきり掴んで登ったでしょう。
でも失敗してバランスを崩したら、崖から落ちて骨折・流血は必須。打ち所悪ければ死。
もしも、もしもと考えるとその岩を掴めずただその場でジッとしている自分。
「人間には二種類いる・・・・と 土壇場で臆して動けなくなってしまう人間と
そこで奮い立つものと・・・・・・・・」
カイジに出てくる石田さんの台詞です。今の私の心境にピッタリです。
「オレはそのダメな方・・・・。落ちる自分の姿がちらついて・・震えが止まらない・・・」
まんま石田さんになった気分です。覚悟を決めて岩を掴もうとしても体が動かない。バンジージャンプで躊躇っている人と同じ心境なのでしょう。あと少しの勇気が出ませんでした。結局諦めて元の滝下に戻りました。 自分のヘタレ具合にショックを受けましたね。まだまだまだ未熟そのもの。この壁を越えるのは本当に難しい気がする。 クライミング技術をちゃんと習得出来れば、自信を持って挑めるのだろうか。 壁は越える為にある、だから頑張れ。はいその通りですね。頑張るつもりです。
「胸を張れっ・・・! 手痛く負けた時こそ・・胸をっ・・!」
闇雲に突っ込むだけではダメって事を理解しただけでも収穫ですね。
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