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運が良い。 幻の滝とも言われている滝です。それは常時水が流れてなく豪雨時にしか姿を見せないからです。
そんな滝に、旅行滞在中の3日間の中で、存分に水を落とす姿を見れるとは運が良いとしか言いようがありません。
まぁ、ここでがっつり運を使ってしまったので、宝くじを買っても当たらないだろうと思いサマージャンボは買わない事に決めました。
今年の夏休みは近くて飛行機で行ける所って事で八丈島に決定。 海は綺麗だし山もあるし、私も嫁も離島が大好き。
そして八丈島と言ったらここしかない。この三原滝が今年の家族旅行早朝抜け出し滝に決定です。 八丈島に到着した時点で雨がパラパラ。旅行としては嬉しくないお天気ですが、雨など気にせず海を満喫。 夜になると雨が本格的になり大きな粒がアスファルトを叩きまくっている豪雨になりました。 この時点で三原滝に期待を持ちました。もともと水が無くて枯れてても向かおうとは思ってましたが、滝は見れる方が良いに決まってる。
嫁さんに早朝滝に行く事と、朝食バイキングが始まる7時30分には帰って来る旨を伝えて就寝。
早朝4時に目覚めて即出発。雨は止んでいない、というかめちゃくちゃ降ってる。水を立派に落としている滝が見れるかも知れないが、濃霧で滝自体が見れないかもしれない。そんな心配をしながらレンタカーを走らせ「TEPCO八丈島地熱館」に向かう二車線の道から右折して、三原山の登山道前で駐車。 この滝には道がありません。当然ながら案内もありません。 まずは登山道を進みます。広い道だけど、ずいぶん荒れていて草木伸び放題。道が尾根筋に乗り、そのまま進んでいくと滝を越えてしまうので、登山道から外れて東へ。 三原滝の沢に下りて、そこから遡行する計画。
沢まで斜面を下りていくだけですが、まぁ藪が酷い事。掻き分けるのが大変です。とにかく自由奔放に伸びているツルがやっかい。足にも腰にも胸にも絡まる。強引に進もうにも引きちぎれない。徒競走のゴールテープを切るつもりが胸に引っかかって足踏みさせられ、そのテープを持ち上げる感じ。面倒な作業が続き、はかどらない。
とにかく東へ、道ではないジャングルのような斜面をがむしゃらに下る。雨は強く降り続け、カッパを叩き、メガネは水滴で見えづらく不快な気分は積もる一方。 茶色に濁る沢に到着。濁るって事は増水している証拠。かといって水は多い訳ではない。 あとはこの沢を辿るだけだが、ここも藪が酷くて快適には進ませてくれない。ただ難所がある訳ではないので、藪の薄い所を探して北上。
5mの小滝を右岸から巻いて三原滝に到着。車から沢までが20分、沢から滝までが25分の合計45分で到着しました。
上部にガスがかかって見えづらいものの、立派な滝が君臨している。 70〜80m位はある。十分な高さ、威圧感、幻は実態を現し、崖を躍動している。凄い凄い、感謝感激。 上段はヒョングリのように凸部に当たって水柱は拡散している。跳ね飛んだ飛沫は階段状の下段に導かれて力強く落ちてくる。 一瞬だけで良いから、霧が晴れないものか。そう願い滝下で雨に耐えながらその場に留まる。 20分程粘っていると途中から豪雨からシトシトに落ち着いてきた。この調子で霧も去ってくれぬものかと滝を見つめると、何かがおかしい。
崖を落ちる水が少なくなったではないか。躍動感が薄れている。先程までは岩盤に弾かれて飛んでいた水滴は、今では崖につたってジトーっと言った感じで流れている。 これには驚いた。雨が落ち着いたら滝の水量はグッと減ってしまった。さすが幻。これほど顕著に水がなくなる滝は初めてです。
そんな三原滝の、水量豊富な姿に出会えたのは奇跡とも言えると思います。本当に運が良いと自分の雨男パワーに感謝です。
さて、これ以上待って霧が晴れたとしても水量は寂しいので諦めて背を向ける。 夢中になっていて時計を見るのを忘れていた。あれ、6時30分を過ぎてる。やばいんじゃないの。雨で冷えたとは別の意味で体が震えました。 全力疾走。と言っても藪とツルが行く手を阻み全然進まない。
車に着いて着替えたり片付けたりしてハンドルを握った時点で約束の7時30分になってしまった。ひー。 先方に遅れる旨のお詫びの電話を入れると、分かったと一言。 ホテルに着いて恐る恐るドアを開ける。「おかえり」と笑顔で迎えてくれた。 離島は心を寛大にするのかな。八丈島サイコーです。
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