外山滝

Data 住所 栃木県日光市
評価(5段階) ★★★★
難易度(5段階) ◆◆◆◆◆
現地へ 中禅寺湖の北西部。国道120号にある赤沼茶屋から低公害バスに乗り、弓張峠で下車。沢沿いに進み60〜90分で庵滝。この滝を高巻いて上流を目指す。
コメント 今は無くなってしまったTVチャンピオン「滝通選手権」で森本さんが紹介し、一躍有名になった庵滝。
その上流は踏み入れる人が少ない秘境の世界。そびえ立つ崖に覆われた空間の中に、優雅にこの外山滝は流れています。
ちなみに、地形図に掲載されている「庵滝」の滝マークの所に外山滝はあります。

この滝を例えるならミニ滑川大滝。分岐瀑が好きな方にとってはハゲしく萌えるはずです。
落差は60mと言われていて、十分な迫力を発しています。しかし真下に立つと上部の水の動きが見れなくなるのが残念な点。これは段瀑や分岐瀑の宿命ですかね。
そよ風のように滔々と流れる上部には心安らぎ、下部は傾斜を高めて岩盤の凹凸に当たり弾ける姿は、大きな器で包んでくれるような癒しがあります。
崖に押し潰されそうな圧迫を感じながらも、外山滝を見ているとそんなストレスは取り除かれる。不思議な空間ですね。
険しい谷の中のオアシス的な存在。見事なでかさ、見事な流れ、見事な癒しが待っていました。

庵滝(クリックして下さい)で陽の当たる虹の写真を撮り終えてから、まずは庵滝を巻きます。
どっちからでも巻けそうな気がしますが、左岸を選択しました。
滝前から覆われた崖を回り込むように左岸尾根に乗ると踏み跡が出てきますので、それに沿って進み、庵滝を見下ろす位置まで来ます。
踏み跡はそのまま続いているので、ちょっとしたガレ場をトラバースしながら辿って行くと、難しい事なく庵滝の上で沢に戻れます。
見ると右岸は直立の崖が続いているので、左岸で正しかったようです。
庵滝までのだだっ広い沢の遡行とは打って変わって、幅の狭まった両岸が崖の世界の始まり。
庵滝から外山滝まで直線距離は300m程でしょうか。穏やかであればあっさりと到着なんでしょうけれど、視界には土や大木なんて殆ど見当たらない逃げ場のない草と岩盤の景観。
そんな状況なので遡行は中々に厳しいです。
最初の小滝は直登が可能。次に出てくる小さな3連瀑は深い釜を持っているので左岸巻き。巻きと言ってもほんの3mほど上に居るだけですが、草しか掴めない岩盤のトラバースにはかなり緊張。まぁ落ちても滝壺にボチャンで済みますけれど。
次の4m滝は手強い。私には登れなかったので右岸の岩壁を登って越えました。
あとは6m滝が2本。この2つを越えられれば外山滝です。
が、結論から言えば登れませんでした。
1本目は4人で協力して倒木を滝横に立たせて、それを利用し登り、親方さんが残置されたハーケンを発見したので、はんぺんさんがそこに持参したアブミを引っ掛けて足場を設け、ようやくクリア。
あともう1本を登れれば到達のはず。既に外山滝の姿はチラ見出来ています。
しかしこの最後の6mには私は手が付けられませんでした。
そんな訳で高巻きを開始。
4m滝を右岸壁で越えた時に、そのまま崖上に続く微かな踏み跡があったのを思い出し、そこから崖に取り付きました。
目印がある訳ではないので何とも説明しづらいですが、トラバース出来る所はトラバースして上流を目指し、傾斜のきつい崖が出てきたらそれを越えられる所まで登っていき、また横移動の繰り返し。
滑ったら終わりだなっていう緊張感の中で、ロープを出したりしながらの大高巻きです。100m位は標高を上げたと思います。
おそよ2時間、いつ切れてもおかしくないような緊張の糸を保ち、最後は草付きのジャリジャリのルンゼを下降して滝前に到達。体力・気力ともにいっぱいいっぱい。こんなに疲れる予定ではなかったのに、この谷の険しさには辟易しました。
直登する技術を身につけないとなぁと切実に感じた滝でした。
他写真
訪問日 2011/09/18

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