大西の滝(下滝)

Data 住所 飯田市
評価(5段階) ★★★★
難易度(5段階) ◆◆◆◆
現地へ 松川ダムの北部。県道8号より西俣川沿いの道を進み、堰堤前で駐車。徒歩2時間程。
コメント とても魅惑的な岩盤を滑り落ちる段瀑です。

中間で90度以上に折れている為、上段から勢いよく落ちた水は壁にぶち当たり、その反動を利用して下段を一気に駆け落ちます。全体の水の動きは見れないものの、力強い水の躍動感を楽しめます。

この滝には沢登りで出会えます。ただし沢はこの岩盤と同じで掴み所のない岩ばかりで沢を進むというよりは岸上をヤブ漕ぎしながら進む方が多かったです。

川沿いの林道を走り続けると巨大な2段堰堤が現れます。この目の前には数台は楽に停められる大きな広場になっているのでここに駐車。

ちなみに林道はすぐ先でゲートがあり車では進めません。

最初の難関がこの堰堤越えです。圧倒される大きさの人工物にどうやって越えるのか不安になりますが、装備を整えて出発。

林道ゲートの先をちょっと歩いた右側に仕事道があります。それを辿っていくと堰堤はものの見事に10分程で越えられました。
ただしその仕事道を進んで行って沢に下りるようになっているかは分かりません。

というのは私達は堰堤を越えたと判断出来た時点で道から外れ、視界を覆う笹ヤブを掻き分けて、ピンポイントで堰堤の上に降り立ったので、その仕事道がどこまで伸びているかは確認しませんでした。

堰堤の上流ですぐに二俣が見えます。右が今回目指す大西の滝の沢。左に進むと小西の滝があるようですが詳細は不明です。

最初は至極穏やかな沢で、水の美しさを楽しみながら気持ち良く遡行。
しかしその快適さは10分程だけです。

当たり前ですが上流に進む程に様相は険しくなり、深い釜が現れた時点で岸上を進むようになりました。

目印などは全くありませんので、左右どちらの岸上を取るかはご自由に。

終始、片一方を進めるという訳でもなく、時々崖が現れて沢に戻されます。チョコチョコと遡行して、また登れなくなったらどちらかの岸上に逃げる。そんな作業を何度か繰り返しました。

途中、1:2の水量で二股が現れます。右の水量の多い沢を進むのが正解ですが、その時ちょうど左側の岸上を歩いていたので、危うく2俣に気付かず左の沢を遡行してしまう所でした。

この2俣の分岐以外は特筆するような危険な箇所はありません。迷い込んでしまうような点もなく、ただひたすら上流を目指して沢から離れ過ぎないように進める所を探りながら進んでいくだけです。

時々休憩を入れながら、まだかな〜と滝との出会いを楽しみつつ進み、出発から2時間ジャストで到着。滝前はわりかし広く、のんびり眺める事が出来ました。

存分に満喫し、上流へと向かう為に腰を上げます。
というのは地形図上で「大西の滝」と明記されている地点は今いる場所よりも上流にあるからです。
高さ50mと記録されている大西の滝ですが、見えているこの滝は30m程の高さで計算が合いません。
もしかしたらこの上に本当の50m大西の滝が待っているのかも知れないと思ったら、ここで引き返す気にはなれませんでした。

この滝を高巻く為に右岸左岸をグルリと見渡しますと、滝前の左岸岩盤に「登って下さい」と言わんばかりの階段状に上がって行ける棚があったので有り難く利用して高度を上げて行きます。

その階段が終わると急峻な斜面。足だけでは登れないので、木の根や枝を掴んで体を持ち上げて行きます。

滝の高さの倍くらいは登った辺りで斜面は緩やかになり、気を楽にして進めます。

ちょっと歩くと葉っぱの間から本流の沢に滝が見えました。

ついでに対岸(右岸)を見ると、枝沢からも水量は少ないものの大きな滝がかかっています。この枝沢の滝を目指して笹ヤブを漕ぎながら真っ直ぐに下りて行くと本流に着地。

上の滝はすぐ目の前に。目算で4段50m。最下段は20m程であり、真下に立つとそれしか見えず物足りないです。

おそらくこちらが大西の滝なのでしょうが、下の滝の方が断然に素晴らしかったです。

ご一緒したゴットンさん、車の運転や道中の先導と大変お世話になりました。ありがとうございます。
他写真
訪問日 2010/09/05

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