庵滝・緑滝


庵滝


緑滝

Data 住所 日光市
(庵滝)
(緑滝)
評価(5段階) ★★★(庵滝)
★★★(緑滝)
難易度(5段階) ◆◆◆◆(庵滝)
◆◆◆◆◆(緑滝)
現地へ 中禅寺湖の北西部。国道120号にある赤沼茶屋から低公害バスに乗り、弓張峠で下車。沢沿いに進み60〜90分で到着。
コメント 日光にある秘境の滝ではありますが、庵滝についてはTVチャンピオン「滝通選手権」で森本さんが紹介されて以来、滝業界(?)ではとても有名な滝になりました。

今回、HP上で知り合った市川さんとこの周辺を巡ってきました。
この滝へのアプローチである日光市道1002号線は一般車通行禁止なので  赤沼茶屋に車を停めて低公害バスに乗ります。
4時の始発に乗り込みます。6〜11月の土日はこんな朝早くから発車してくれるのでホント有り難いですね。こんな朝早いのにバスの席は半分ほど埋まっていました、ビックリです。
早朝の時間帯は目的地の「弓張峠」まで行かず「小田代原」止まりなので、そこで下車します。
ここから一旦アスファルトの道路を歩き、弓張峠の大きく左にカーブする所に、管理施設へ向かうゲート付きの道があるのでそちらへ進みます。
その施設に向かう幅広の道はすぐに現れる施設と共に終わり、そこからは先人が辿った踏み跡を頼りに滝を目指します。
庵滝まではその滝の掛かる外山沢の左岸を終始歩く事になります。渡渉したりする必要はありません。沢は見えても近づかず一定距離を置いて左岸の上を歩いて行きます。
しかしこの踏み跡が中々やっかいなもので、いくつも枝別れしては一つに集まったり、いきなり消失したりと思うように辿れません。
有名な滝なので、いくつものマーキングが案内してくれるだろうと思っていたのですが、それは全く見当たりませんでした。
ただ岸上は非常に穏やかな傾斜であり、どこでも進んでいけるので踏み跡を追わず我が道を進んでも、とにかく沢から離れなければ問題ないと思います。
おそらくその観点からマーキングしなくても問題なしと皆は判断しているのでしょうか。実際、私もテープを付ける気になりませんでした。
左岸に際立った変化はなく、ゴーロや樹林帯を進み続けます。
外山沢を注視し続けて1時間程。岩盤が迫ってきた所で2俣が現れます。左が庵沢、右は緑沢になります。しかしここはゴーロ地帯で右の緑沢は伏流で水が流れていないので、2俣とは判断出来ないかも知れません。
その2俣の地点で左の庵沢を見ると、庵滝の姿を確認出来ます。地形図に書かれている位置とは全く違う場所にあり、2俣からすぐの所に存在します。
あとは滝を目指してまっしぐら。ここから滝までは一瞬です。水に濡れる事もなく滝前に到着。この滝だけを目指すのなら沢靴は不要ですね。
落差は18m。大きくはないですが跳ねる姿は美しい。
正面から見ると平凡な滝ですが、横からだと楽天・マー君の放物線を描くカーブのようでダイナミックさを感じます。
チャンピオンはここから撮影したのだろうと思われる左岸のザレ場から撮影し、庵滝は終了。

さて次は緑滝。
ゴーロの2俣に戻り、右へ進みます。
今までの開放的な沢とは違い、こちらは倒木の多い荒れた沢です。極端に歩き辛い訳でもないですが、滑り易い沢なので慎重に進みます。
しばらく進んで行くと伏流のゴーロを越えて水が流れるようになります。水流の中を歩きますので、ようやく沢靴の本領発揮です。
また2俣が現れるので、水の多い左へ。ちなみにここを右に進むと外山沢大滝に会えます。
ここから両岸がグッと狭まり緊張を生みますが、ちょっと我慢すると緑滝が視認出来ます。
幅広く穏やかに流れており安らぎを与えてくれる滝ですが、岩盤が迫っているので引いて見る事が出来ないのが残念です。
緑滝は段瀑であり、最下段からは上段は見えません。ここだけでは満足せずまだ見ぬ上段を目指します。
まず下段の滝を越えるには、左から流れ落ちる枝沢と緑滝の間にある溝を進みます。
ここからは間違えれば滑落事故を起こす危険が伴います。安易な気持ちで登らないようお願いします。
その溝は全体的に階段状になっているので登り易いですが、中間が厄介で2m程切れ上がっています。ここはクライミングの要領でホールドを探って登ります。
これを越えれば再び階段状になり、そのまま登っていくと中段の滝が現れます。落差はそれ程ではありませんが、横幅に広がりがある滝で中々迫力があります。
両岸ともに切り立った岩盤を持ち、先程のようなルートは見当たりません。
高巻く事も出来ませんので、この滝を越えるには直登しかないです。
滝の右端は比較的穏やかになっており、ここも階段状になっていてホールドもしっかりしています。ただ滝水が流れているので、滑り易く注意が必要。
最後の落ち口は傾斜がきつくなり、下を見ると怖じ気づきますが木の枝が垂れ下がっているのでそれをしっかり掴んでヨッコラショっと登ってクリアー。
ここまで来れば最上段までもうすぐ。滝まではナメ床になっていて気持ち良く歩けます。
さぁ上段に到着。緑滝の名の通り、脇には緑を添えて穏やかに滝水が流れています。
飛沫は皆無ですが、その空間は限りなく優しく、頭を撫でられているような不思議な錯覚を持つほどの心地良さがありました。

ちなみに、この滝の一番の難所は帰路にあります。登るのは易し、降るのは難し。ナメ床は滑り、転倒したらウォータースライダーとなり2番目の滝に吸い込まれると思うと怖くて足が震えました。
その2番目の滝はフリーで下りるのは非常に危険。ロープを用意して体を支えないと万が一の恐れがあります。

さて緑滝を終えて、外山沢は終了。
林道まで戻り、お次は本日のメイン「赤岩滝」に向かいます。

2011年、再訪問。
今回は庵滝の上流にある「外山滝」を目指しての訪問なので、ここはあくまでも通過点。しかし青空と虹が庵滝を輝かせてくれたので、しばし写真撮影を楽しました。
他写真
訪問日 2010/06/13

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