裏越のセン




Data 住所 利根郡みなかみ町
評価(5段階) ★★★★★
難易度(5段階) ◆◆◆◆◆
現地へ 猿ヶ京温泉の北部。
国道17号から県道270号に進み、川古温泉へ向かう。
川古温泉に駐車し、そこから長い林道歩きと沢登り。徒歩4〜5時間。
コメント 名前の通り裏に行ける滝であり、エメラルドグリーンの広い滝壺を要したとても雄大な滝です。
見えている範囲で40〜50mでしょうか。総計80mと言われているので、見えない部分があるのは残念。
それでもこの滝は一級品であり、その空間には感動される事に間違いありません。

しかし、長く危険な道中でした。
まだ陽の出ない内に懐中電灯を装備して、川古温泉から伸びている赤谷川沿いの林道を進みます。鍵付きゲートが3基もあり、車を完全にシャットアウト。といっても落石が道を埋めている所もあるので車ではまず進めません。
この林道は長いです。4〜5kmあります。わりかし平坦な道なので疲れはしませんが飽きがきます。
3kmほど進んだところで道は二俣に。左は川を渡る橋があります。ここは右の道を進み本流沿いを更に奥に進みます。
ようやく林道終了。ここでスニーカーから沢靴に履き替え。と言ってもまだ遡行開始ではなく、登山道を進みます。
この登山道の道幅は30cm位。中々に緊張を強いられ足取りは遅くなります。途中、対岸に雄滝・雌滝という言う水量は少ないですが高い滝が見れます。
一度、水量のある枝沢を越えて、ようやくゴツイ岩がゴロゴロとしている開けた本流に出合います。
ここで登山道は本流を渡渉し、沢から離れてしまうので登山道とはここでお別れ。遡行開始です。
早速深い釜をへつったり、大岩を越えたりと重労働。この沢の力強さを見せ付けてくれます。
すぐに「マワット下のセン」という15m位の滝が現れます。ここは右岸沿いに接近してそのまま右岸で高巻き。踏み跡がしっかり残っているので分かり易い巻きです。
それを越えるとすぐに「マワットのセン」。落差はそれほどではないですが大きな滝壺を持った滝です。
難所の一つです。左岸は取り付きようが無い崖なので、右岸で高巻こうと模索。
右岸にルンゼがあり、そこからコブを越えるのがベストと判断。滝壺の淵を進みます。ここは太股辺りまで浸かりました。
さて、ルンゼを中腹まで登っていくと草付きに踏み跡が。これが巻き道なのか? 傾斜がきつく滑ったら終わりって所にあります。
ルンゼを登り続けても仕方ない。掴むものが何も無い草付きに足を踏み入れました。一気に緊張に縛られます。途端に高度感。足はズルズル。戻るに戻れない状況にとにかく足を進めていきます。
唯一伸びていた細い木の根に指を引っ掛けて体を持ち上げコブをクリア。生きた心地がしませんでした。
この中腹からの巻きよりも、ルンゼを登り続けて行き止まりになったところからコブに取り付いたほうが藪があって掴んで進めるので安全だと思います。帰りはそれを利用しました。
この二つの滝を越えると、ここからは巨岩帯へと突入。二階建ての家くらいの岩がゴロゴロと沢を埋め尽くしています。
ドラえもんに出て来るガリバートンネルを使って、自分を小さくした気分。それほど岩が大きく、自分を小さく感じました。
その巨岩の間を縫うように進んだり、岩と岩で出来たトンネルを潜ったり。迷路のように進める道を探しつつ、一つ一つを越えるのに体力を要し、緊張が解けません。
巨岩帯の5割は右岸を高巻きしていたと思います。巨岩の生んだ滝は直登不能で、それが現れると右岸に逃げる。越えて沢に戻る。それの繰り返しでした。
ようやく、絶壁が正面に見え始め、裏越のセンが落ち口が見えてきます。
気持ちははやりますが、気の抜けない登り、最後の最後まで巨岩が道を塞いでいます。
やがて滝壺に到着。滝壺付近には巨岩は一つも無く、むしろ小石で包まれています。先程までの岩はなんだったのか不思議なくらい、滝前だけ様相が変わります。
滝は確かに大きく迫力がある。しかし先程までの大岩の方がインパクトがありすぎて、気持ち小さく感じるのはこの沢の凄さか。
グリーンの滝壺は非常に穏やか。ここでようやく大きな深呼吸が出来ました。
階段状になっている岩盤を上り、滝の裏に。そこから見る滝壷の美しさと岩盤の荒々しさには言葉も出ません。
裏を越えて対岸に。対岸からは滝はあまり見えない。
写真をとっていると右目にユラユラ動く黒い物体を感じました。こんな美しい所にゴミ袋が? と目をやると、死んでいる小熊が滝壺に浮かんでいました。
ギョッとして辺りを確認。親熊の姿は見えず、特別怪しい感じもしないのでホッとしました。

帰りも長いので1時間ちょいで撤収。下りのナメ滝では足を滑らせ強制スライダー。肘を擦り剥く程度で済んで良かった。
最後の林道は、疲労しきった足にはしんどいものでした。


3:20 駐車場出発
(林道歩き)
4:55 林道終点
(登山道歩き)
5:40 本流出合い(入渓点)
(遡行・マワット下のセン・マワットのセンを高巻き)
6:50 巨岩帯入り口
8:00 裏越のセン 到着
9:15 撤収
12:00 登山道出合い(入渓点)
14:40 駐車場到着

他写真
訪問日 2008/9/14

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