片品川 支流 栗原川 支流 ケヤキ沢
ケヤキ沢大滝






所在地
群馬県沼田市

地理院地図 (←クリックすると国土地理院のHPにて位置を確認できます)
評価(5段階) ★★★★
難易度(5段階) ◆◆◆◆
現地へ 百選「吹割の滝」の南東部。廃道となった栗原川林道から栗原川に下降し、ケヤキ沢に入る。栗原川のゲート前から2時間〜2時間30分。
訪問日 2021年11月8日

美しい滝。見て楽しむ滝。
あまり飛沫は期待できないので、どうせ見て楽しむのであれば紅葉の時に訪れようとチャンスを伺っていました。
しかし、いつか行こうとダラダラしていたら、残念なことに2年前に栗原川林道が閉鎖されてしまい、このケヤキ沢大滝に向かうのが難しくなりました。
それでも良いから、頑張って歩けば辿り着けるのであればと、今年はやる気を出して長時間行動を覚悟で挑んでみました。

吹割の滝から栗原川林道方向へ右折しナビに従い細い道を進んでいくと、栗原川林道の通行止めの案内が出てきました。


ただ、まだまだ進めるようなのでゲートが現れるまでは進んでみようと運転をしていくと、わりかし長く進んでくれて、計算外に楽が出来るような感じになりました。
想像してたのは、もっともっと手前で、片道5キロ以上歩かなければならないかと覚悟していたのですが、実際には2キロぐらい歩くだけで済むようになったので、これは嬉しい誤算です。

さてゲートの前に車を止めて出発です。ちなみにゲート前は車の転回を考えると車両二台が限界だと思いますのでパーティーで来られるのであれば、1台にまとめて挑んだ方が良いと思います。


林道歩き始め、周囲は紅葉の盛りで非常に美しい。これであれば滝の姿も期待できるかなとワクワクしてしまいます。

この栗原川の沢登りには、一般的にはケヤキ沢のほぼ対岸にある松ゾリ沢を下降し、本流である栗原川に降りる様子。
でも、車を止めたゲートからすぐ先には、地形図上の破線の道があったのでそれを辿って栗原川に降りてみようと試みました。

最初こそ薮が多く歩きづらかったですが、途中からは明確な踏み跡が現れます。というかしっかりとした道であり、気軽に進んでいきます。


栗原側が右手に見えてきたところでも、まだまだ道は進んでいけて快適な歩き。そのまましばらく進んでいくと、左岸に崖が現れてそして道が林道側に戻るようになっていったので、ここで諦めて道のない斜面を降り栗原川に入りました。

非常になだらかな栗原川を遡るのは容易であり、難しいところは1つもありません。

所々に現れるナメ床には楽しませて貰いましたが、ナメだけに非常によく滑り、一度激しくすっ転んでしまいました。
それ以降は順調に楽しく遡っていき、やがて右手に2段の幅広滝が見えました。


この2段の滝が、ケヤキ沢の出合いになります。念のための確認で、ちょっと栗原川を先に進み、松ゾリ沢を覗くと、沢ヤさんのレポで出てくる大きな堰堤が見えました。

この堰堤が見えたことで、対岸にあるのがケヤキ沢であることに間違いないと確信し、ここから栗原川を離れ枝沢であるケヤキ沢に入って行きます。

二段の幅広滝は問題なく越えられます。

そしてその先のケヤキ沢も軽快で難所は特にありません。
ただ好きなところを好きなように進んでいけば良いです。
一カ所、脆そうな巨大岩が沢を塞ぐビックリするゴルジュの形態が現れます。


そのまま進むのは厳しいので、高巻きです。右岸で巻きましたが、左岸の方が踏み跡が濃く見えました。

このゴルジュ手前から沢の水が少なくなりはじめて、高巻き終わった後は完全に枯れ沢になりました。
伏流しているのでしょうが、この先がとても不安になりました。

水の音がしない沢歩き。聞こえるのは自分の足音だけ。
夜道を歩いているみたいで物凄く寂しい。
この先、もう水と会う事はないんじゃないかと諦めかけちゃうくらい伏流は長く続きました。
短かかったのかも知れませんが、枯れ沢を進むのはとにかく虚しかったです。


右岸に鉱山跡地? なのか石垣やら平らな場所が現れました。歴史を踏んでいるようでなんか感慨深い。

この辺りから待望の水が復活します。待ちわびましたよ、マジで。
ここからは水の音を聞き、水に触れながらの楽しく優しい沢登り。

そしてケヤキ沢に入ってからおよそ70分、滝前に到着です。
ゲート前を出発してからでは計140分でした。もっともっと掛かると覚悟してましたから、物凄く早く着いたように思えました。


噂に違わぬ美瀑。それが紅葉という化粧をして益々美しいじゃないの。
下部の水の流れは芸術の域だね。岩壁を滑って落ちてくる水に、時折枯れ葉が流れてくるのが面白い。

写真に残せなかったのが悔しいけれど、風が吹くと沢山の枯れ葉が上部からヒラヒラと舞い落ちてきて、より動きのある美しい景観を見せてくれた。

滝前は広く、視界良好だし座って寛げるスペースも豊富。色んな角度から見れる開放的な滝なのも有り難い。

写真を撮っては、水に触れて、また離れて撮っては近付いて、滝を見上げる。
何度繰り返したか分からないが、移動する度に滝の表情が変わるので飽きる事がない。

カップラーメンを食べていたら、雨が強めに降ってきて、仕方なく撤収の準備。
片付け終わったら雨は止んだのだが、「そろそろ帰りなさい」と滝から言われたように思えたので、食後のコーヒーは諦めて背を向けた。

帰りは中盤の右岸集落跡にあった石垣が詰まれた廃道を利用してみると、沢から離れて平坦な道が続いてくれていた。
気付けば序盤にあったゴルジュも右岸の廃道で楽に通過出来た。


もう少しで栗原川ってとこで崩落で道が無くなっていたので、仕方なく斜面を下ってケヤキ沢に戻った。

栗原川、ケヤキ沢の出合い。対岸にある松ゾリ沢の尾根は急斜面なので、もうちょい西(下流側)に移動して、栗原川右岸の斜面に取り付く。


と言っても斜面は緩やかな傾斜で登りやすく、軽快に林道まで戻れた。
あとはのんびり栗原川林道を歩けばゲート前に到着。

なんだかんだロープは全く使わず、緊張する場面もない気軽な滝巡りとなりました。
長い道中、危険は少なく、滝前は広い。オフ会の向けの要素が詰まってますね。
ゲート前は狭く、車二台程しか駐車出来ないのが難点ですが、みんなでワイワイガヤガヤ行くのが
楽しいと思いますよ。


7:00 ゲート前 出発
7:40 栗原川
8:10 ケヤキ沢 出合
9:20 ケヤキ沢大滝


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