阿武隈川 支流 荒川 支流 塩ノ川
塩ノ川30m滝





所在地
福島県福島市

地理院地図 (←クリックすると国土地理院のHPにて位置を確認できます)
評価(5段階) ★★★★
難易度(5段階) ◆◆◆
現地へ 土湯温泉の北西部。男沼、女沼から吾妻富士に向かう登山道より斜面を下りて沢登り。40〜50分で到着。
訪問日 2021年5月30日

前年、ツバクロの滝に行った時に、この滝の周辺を見ただけで滝下には行けませんでした。
今回、大岩の滝が意外と早く終えたので、こちらにも挑戦です。

昨年の風岩の滝と同様に、開けられるゲートのある林道を走り、登山道の起点にある駐車場にとめます。


最初はとっても歩きやすい平坦な登山道。
後半は緩やかに下っていき塩ノ川に合流しますが、その手前に上流(浄土平方面)か下流(思いの滝方面)に向かうかの分岐点があります。

上流に行けば、この30m滝の上部に出てしまうので、今回は下流側に進みます。

沢ヤさんの記録では、この30m滝はちょっと戻ってから右岸で高巻いてます。

その高巻き道を見つければ滝前に立てると考え、右岸の登山道からどこに踏み跡があるのか探りつつ東側へ歩いていきます。

しかし、この辺りから下りるのではないかなって所を探ってもピンと来るものが無かったので、仕方なく適当に斜面を下りてみました。

藪が多くて簡単には下りられず困っていた所、もう少し下流側に赤い屋根の建物が見えました。

おお、こんな所に山小屋が、いや緊急時の避難小屋かも知れない。
とりあえず人の形跡が確認出来て一安心。
「あそこに山小屋がありますよー」
あっきーさん、サモハンさんに声を掛ける。「本当ですねー」「行ってみましょー」、そんな肯定的な返事だったと思う。
では軽く藪漕ぎして目指してみよう。30m滝へのアプローチも聞けるかも知れない。

いそいそと進路変更し赤い屋根を目指していくと、踏み跡とピンクテープが見つかった。山小屋へ至る道だろう。

ふと見渡すと赤い屋根が沢山見える。キャンプ場のバンガローが沢山建ってるのかな? 下流部は開発されたのかな? でも、こんな所に? ってなんか違和感。

踏み跡に乗って、訝しがりつつ赤い屋根をジッと見てみました。

そういえば赤い屋根は見えても外壁は見えないな。緑に覆われてるからかな。

ボーっと全体を見ていると、視界が徐々に変化していくのに気付きました。

クイズ番組で、「この写真のどこか一部がゆっくり変化していきます。さてどこでしょう?」ってヤツがありますよね。アハ体験というらしいですが、正直凄く苦手で正解した事がありません。

でも今回、ようやく正解!と1ポイントゲットできました。

答えは「赤い屋根が赤い花に変化した」でした。

スッゴいビックリしました。正解したのにウソー! って叫びました。

よくよく見ると、真っ赤な花なんです。
点々と花が群生で咲いていて、それが赤い屋根に見えてただけなんです。


いやぁ、やばい。疲れてるのかな。
でもお二方からも「いや、あれ花だよ」というツッコミが無かったので、全員が騙されたんだと思います。

とりあえず気を落ち着かせ行動開始。
踏み跡とピンクテープは間違いなく本物で、冷静に深呼吸してからそれを辿って下りていくと塩ノ川へスムーズに出れました。

騙されて良かったのか、悔しいやら恥ずかしいやら複雑な感情ですが、とりあえずは無事に巻き下れたのを喜びました。


後は塩ノ川を遡るだけです。難所はないです。気楽に水に入りながら進むと滝前です。出発から45分程で到着しました。

広い滝壺、広い滝前、深い滝壺、滑る滝水、弾く水柱、これは良い滝だぞ。
いやいや、良い滝ではない。とっても良い滝だ。
周囲が高い崖に覆われた幽玄な雰囲気に、滑り落ちて弾け飛ぶ水が踊っている。暴れる滝とは対象的に、広い滝壺は穏やかで安らぎを与えてくれる。
どこからでも滝を見る事が可能なのが素晴らしい。自分の好みの角度を見つけると良い。
そう、このどこからでもってのが肝です。まさかなー、て半信半疑で滝に近づいたら、ガッツリ裏見出来るじゃないの!


しかも場所によっては全然濡れないで見上げられる。
勿論、場所によってはビシャビシャにもなれる。

裏見という、水が頭の上から落ちてくる非日常感に、頭が理解出来ず軽くパニックになってしまう感覚が大好きだ。
当然ながら飛沫も大好きだ。

揃い踏み、良い所のオンパレード。
残念なのは固有の名がないって所だけ。物やロボットを番号で呼んでいるみたいで、個人としてのアイデンティティが失われている。物凄く悲しい。
どうか行政が動いて地図に正式な名が記載される日が来ますように。

さて、帰り道。
騙された赤い屋根の踏み跡までは戻らず、右岸脇から流れ落ちる美瀑の、ちょい下流の斜面に取り付いてみた。


急斜面だけど藪を掴みながら踏ん張って登っていくと、ロープが垂れ下がっていた。有り難く利用させて貰う。
この近辺の整備?は凄いですね。地図には記載されてないけど、現地に行くと様々なヒントと答えが用意されている。色んな発見があって面白かったです。


夕刻、前回は土湯温泉を利用したので、今回は別の温泉を探す。
で、見つけたのがここ↓

あだたら高原リゾートの「奥岳の湯」
http://www.adatara-resort.com/green/okudakenoyu.stm


ここの景色、マジ絶景。あっきーさんも「空が近い!」と感動してました。
泉質もヌルヌル系で気持ち良いし全てが素晴らしいのでオススメです。




最後に、お酒を一切呑まずに往復の運転をして頂いたサモハンさんへ、感謝の意を表します。
帰路では寝落ちしてしまい申し訳ありませんでした。

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