荒川 支流 滝川 支流 豆焼沢
豆焼沢大滝
両門の滝


豆焼沢大滝



両門の滝

所在地
埼玉県秩父市

地理院地図 豆焼沢大滝
地理院地図 両門の滝

(↑クリックすると国土地理院のHPにて位置を確認できます)
評価(5段階) ★★★★ 豆焼沢大滝
★★★★
両門の滝
難易度(5段階) ◆◆◆◆
現地へ 雁坂トンネル付近。国道140号にある「出会いの丘」駐車場に停めて、登山道を利用し豆焼沢に入る。沢登りで出会える滝で、距離が長く時間を要するので一泊予定が安心。
訪問日 2021年5月6日

過去二年、雨天で行けず。
計画を立ててから三回目にしてようやく訪問です。
いやぁ待ち侘びた恋い焦がれた。埼玉で愛されている名渓にやっと触れる事が出来ました。

道の駅大滝温泉で仮眠し、朝4時に顔合わせ。
中津川渓谷にご一緒させて頂いたメンバーとも久しぶりの再会です。と思ったら、もう一人、知らない方が混じってる。
はて? と不思議がっていると「Takuさん」だと紹介されました。おぉ! スーパー滝ヤとしてインスタの世界で大活躍されているヒーローにお会いできるとは感激! 早朝からハッピーサプライズにテンションは一気に上がりまくりました。

今日は長い一日になるので挨拶はソコソコに抑えて早速行動開始です。
豆焼沢の起点となる出会いの丘の駐車場に移動。


ここから準備をして歩き始め。ロープはどうするか確認した所、特に必要になるような難しさはないとの事で私はロープを下ろさせて貰った。これだけでも軽くなって嬉しい。でも万が一の事はありますから、ハーネスなどの道具は携帯しています。結局、使うことは無かったですけども。

建物を回り込む感じでヘリの発着所に向かい、その奥にある山間部に入っていきます。
今回の目的は大滝&沢詰めなので、下流域を楽しむ余裕はありません。

したがってショートカットしてトオの滝まで登山道を利用するのですが、初っぱなから道迷いです。

踏み跡と白いテープは林道のような平坦な道に続いているのですが、真っ直ぐ進んでいくと崖にぶつかり道が消えました。
正しい道はヘリポートから山に入ってすぐに、わりかし上の斜面を見ると、階段が見えます。
それが登山道の起点になります。
案内はないし、踏み跡は弱いし、白テープは変な所に巻かれているしで非常に幻惑されますので要注意です。


階段に乗ると、斜面をジグザグと九十九折りで標高を一気に上げていきます。ここは結構体力を奪われる我慢の登りとなります。

やがてフラットな横移動の道となって一安心。そのまま進んでいくとトーバク沢に出合います。魔改造された沢で堰堤しか見えません。堰堤マニアならそそられる事でしょう。

道はそのままフラットに行くはずですが、ここから踏み跡はやや薄くなり分かりづらいです。
ま、ここまでくれば下流域の滝群は抜けているので豆焼沢へ入渓を目指して下降しても何ら支障はないと思います。
名渓ゆえに明確な踏み跡があると安心してましたが意外と踏み跡が少なく予想外でした。

さて沢に着地。水に触れるとめちゃんこ冷たい。長くは足を浸してはいられないヤバい冷たさです。

ちょっと進むと二段のトオの滝に到着。本来、踏み跡をうまく辿っていくとちょうどここに出るようです。


ここは右岸を巻きます。よく見ると赤いテープが見えますし、踏み跡もしっかりしています。

その後は小滝を伴う楽しい遡行。久しぶりにガッツリ新鮮な水に触れてとても気持ち良いです。
現れる滝はいずれも綺麗。難所は特にないため軽快な歩み。


名のある滝もちょこっとあります。他にも名前があっても良いような綺麗な滝があります。
その中でも一際印象深いのが12mスダレ滝。白馬尾の滝とも呼ばれているようで、まさしく尻尾のようなデザインです。


さてさて、緊張感のある登りや滝の姿を楽しんでいると、気付けば時間は過ぎているし、気付けばお待ちかね豆焼沢大滝のご登場。
「あれ? もう着いたの?」って感じで疲れも飽きもないルンルン気分でのご対面だったので、頑張った感がなく出会った瞬間の印象は薄かったです。


埼玉の中では巨瀑の部類に入ります。勢い良く滑り落ちて、そこから様々な姿に変化しながら滔々と流れ落ちる滝で、大きさの迫力と変動する水の美しさを楽しめます。
際立った特徴は少ないですが、オールマイティにプレーをこなす万能選手。チームにいると有難い存在です。

勿論、近づけば飛沫に当たれます。が、水がガチンコで冷たいので接近して楽しめる環境ではありませんでした。

さて、ここの巻きは右岸です。滝正面から後ろに振り返って、そのまま壁沿いを上がって行きます。踏み跡は薄いですが、良い塩梅に斜面をググッと上がれます。

中腹はやや嫌らしく、傾斜がよりきつくなり滑ったら怪我では済まない危うい箇所もありました。ただ木の根や枝が豊富にあるのでしっかり掴んでいけば何とかなります。今回の遡行ではこの高巻きが一番緊張感がありました。

大滝を越えた先はゴルジュの連瀑帯となっているようで、すぐには戻らずそのまま右岸巻きを続け、落ち着いてから沢に戻りました。

ここからはゴーロ8割、小滝2割の比率。小滝はいずれも直登な感じで大きく高巻く事無く進んでいきます。アドベンチャーしてるドキドキとワクワクの連続です。

小滝が出てくるとTakuさんが前に出てヒョヒョイと直登をしていく。そんなTakuさんの動きは、正しくシルク・ドゥ・ソレイユ。一つ一つの所作が美しく、そして速い(速すぎる)。金取れるパフォーマンスを見させて頂き、とても感激しました。

てな感じで遡っていき、いい加減ゴーロに飽きたぞって所で第二のハイライト、両門の滝の登場。


二つの滝が混じり合う数少ない夫婦滝の形態で、それだけで貴重な滝なんですが、ここは更に素敵です。

大体の夫婦滝は滝壺で合流するか、下流で合わさるかですけど、ここは岩盤の下部でしっかり合わさっています。

周囲の目なんか気にも止めず絡みまくっている。この夫婦、公共の場でいつまでイチャイチャしてるんだって文句言いたくなるくらいです。

という夫婦の見方を楽しんでから、更にエロい方向に頭が加速していきます。

間違いない、これはインリンのM字開脚ならぬ、V字開脚だ!

これです、これ!

これを、もう、女性の足で(ハアハア)、イメージしちゃうと、足のつま先から(ハアハア)、太ももにいって、付け根、股間、陰部へと(ニチャア)。

左右の御御足の付け根となる神秘的な女の花園は、潤沢に蜜が溢れているではないか。


エロい! エロ過ぎる!
確信しました。この豆焼沢の名称は、あっちのおマメちゃんから来たんだとね。

と、この考えはこの滝への冒涜なのでしょう、すいません。でも煩悩を堪能させて貰いました。良い水の流れ、本当に美しく楽しかったです。

性欲エナジーを頂いて、元気モリモリに行動を再開。
ここから更に上流に登り、雁坂峠の登山道を目指します。

この両門の滝の左側の沢(左足)を詰めると雁坂小屋へダイレクトに行けるそうですが、私達は一般的な右側の滝(右足)を登り、水場を目指します。

両門の滝の右足は階段状になっているのでスムーズに登れます。いやらしいったらありゃしない。

そしてこの上流は小滝とゴーロの乱立。襲いかかってくるかの如く攻めてくる小滝群。その殆どが直登出来るので、怖いけど楽しい。
ゴーロは至って平和だけど、斜度は急なので息切れは激しい。


水場へ直接向かう枝沢を詰める予定だったけど、そこだけガッツリとした氷瀑が残っていたので、諦めて本流を詰める。
で、藪漕ぎはなく平和に登山道に出合えた。

とりあえず水を貰いに100mくらい雁坂小屋方面に向かい、水&昇竜の滝をゲット。

ここから長い長い下山路が始まります。
セオリーは雁坂小屋側の黒岩尾根の登山道で、出会いの丘まで約8キロ。
遡行を終えた疲労困憊の足には堪えるものがあります。
なので、もっと距離の短いトーバク尾根での帰路にチャレンジしてみました。こちらの距離は約5キロとグッと短くなります。
しかし、地形図や山岳地図には登山道としての記載はないので、ちゃんと戻れるか不安ではあります。

登山道を雁坂小屋とは反対へ北上します。平坦な綺麗な道。とても歩きやすい。遠く見える雁坂峠の稜線を楽しみながら進みます。


サクサク進みますが、あまりに安全で単調な歩みだからか睡魔に襲われてしまい、歩きながら寝落ちしてハッと我に返るを繰り返してしまい、このままではさすがに怪我してしまうと10分程休憩させて貰い、仮眠しました。

そして樺小屋という避難小屋に到着。トーバク尾根の起点となる場所なので、ここはとても大きな目印です。


この避難小屋、周囲の景観もそうですが、建物自体も綺麗で良い感じ。近くに水場もあるようなので寝泊まりする環境はしっかり整ってます。

ここで大休止し、いざトーバク尾根に向かいます。

やや北上してから尾根に向かって藪漕ぎ。と言っても膝上くらいの藪なので歩行には影響なし。
鳥獣避けの柵が現れたら尾根の軌道に乗った証拠です。


柵を左手に見ながら下っていくと、前方にマーキングの白テープがちょこちょこ見えます。

あとはその白テープと踏み跡が濃い場所を追いかけていけば良いです。

時折テープが見えない地点もありましたが尾根から外れないよう注意して進めば迷う心配はありませんでした。
後半は急斜面になりましたが、危うい点は一つもなく早朝に通過した登山道に合流し、尾根下りは終了。

快適な道を一気に下りて時間短縮に成功しました。
このトーバク尾根は登山道ではないので万人には勧められませんが、山慣れた方なら問題なく利用出来る良い尾根道でした。

あとは朝に迷った登山道をしっかり見極めて下っていきます。
九十九折りをグングン下っていって、最後に階段が現れて登山道は終了。

で、ヘリポートを過ぎて出会いの丘に到着!
下山は距離が長いのでヘッドライトを使う事になるだろうと想定してましたが、まさか明るい時間に戻ってこれるとはビックリです。

この豆焼沢を楽しむのであれば、理想は雁坂小屋か避難小屋での一泊予定でまったり行くのが良いでしょう。
両門のエロさを堪能するのなら、時間はいくらあっても足りませんから。
是非、舐めまわしてやって下さい。


5:40 出会いの丘 出発
7:50 豆焼沢 入渓
8:00 トオの滝
10:00 豆焼沢大滝
10:50 出発
12:00 両門の滝
13:00 出発
14:20 登山道 合流
16:30 樺小屋
18:20 出会いの丘 到着

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