東谷F1







所在地
岐阜県高山市

地理院地図 (←クリックすると国土地理院のHPにて位置を確認できます)
評価(5段階) ★★★★★
難易度(5段階) ◆◆◆
現地へ 野麦峠の西部。県道39号よりアイミックス自然村南乗鞍オートキャンプ場を通過し林道を北上。ゲート手前に駐車。東谷を遡行するか、北にある藪漕ぎ必須な林道を進むか2通りの行き方がある。どちらも50分前後で到着。
訪問日 2019年8月18日



今日はA氏の誕生日。
あくせく仕事して、帰宅して「ただいま」と声を掛ける。
妻と娘は音楽番組を見ながら寝そべっていて、顔を向けずに「おかえり」と高揚のない言葉が返ってくる。
テーブルにはラップに包まれた料理が置かれている。
(今日、誕生日なのにな)
口には出せない代わりに、ため息が漏れた。
(おめでとうくらい言われたいもんだ)
そうつぶやきながら寝間着に着替える為にリビングを離れる。
スーツをいつものようにハンガーに掛けて、再びリビングに向かうと部屋が暗くなっている事に気付いた。
二人はもう寝たのか? 違和感を感じながらリビングの扉を開けた。
 
妻&娘「ハッピー バースデー トゥー ユー♪」
ロウソクに灯されたケーキと、2人が机の下から上がってきた。
(お前たち・・)
妻「誕生日おめでとう、いつもお仕事ありがとう」
娘「誕生日おめでとう! 冷えたビールもあるよ!」
A氏「・・・、なんだ、忘れてるかと思ったよ」
妻「そんな訳ないじゃない。いつもお疲れ様、チュッ」
娘「ちょっと子供の前でイチャイチャしないでよね!」



こんな感じ! 東谷F1はこんな衝撃的で感動的でお涙頂戴な出会いなんです!

ここには本当に驚きました。
なんちゅーかサプライズです。下げてから持ち上げるドッキリ企画みたいな感じです。天晴な素敵な出会いでしたよ。

超感動の嶽谷滝を終えて、東谷F1に向かいます。
嶽谷滝と東谷F1はもうセット物ですね。同日に行くのが必須みたいです。惣滝&苗名滝と同じです。

この東谷F1も大変評判の良い滝で、嶽谷滝よりも良いという人もいるようで、そんなに素晴らしい滝なのかと出会う前から楽しみでした。
でも嶽谷滝でとっても感動しちゃった自分には、そこまで感動出来ないのではないかと不安でもありました。
評判というハードルがかなり上がってる中で、それを上回る感動が得られるのか、楽しみと不安が交錯する中で現地に向かいました。

アイミックス自然村南乗鞍オートキャンプ場の林道を終点まで向かいます。後半のダート道は結構荒れていました。


橋とゲートが現れて車を手前の広いスペースに駐車。ここから歩き始めです。
行き方は二通り。
@橋を渡り、林道を進む
A橋を渡らず、入渓して沢登り

嶽谷滝で沢登りをしてウンザリしてるので、今回はいくぶんか楽できるだろうと林道を選択。

橋を渡ってゲートを越えて、林道を進んでいくと、分岐が現れて東に折れる。あとは行き止まりまで進むだけですが、徐々に藪が濃くなってきて、後半では背丈よりも高い藪が視界を隠してくる始末。


藪を漕いで進む事、うざいの如し。とイライラしながら掻き分けて行きました。
あまりに面倒なので、帰りは沢を下りました。こちらの方が全然楽でしたので、林道歩きはお勧めしません。


15分程、かっさーさんにラッセルして貰って藪を進んでいると、道が完全に消えました。

ここが終点なのか、何とも分かりませんがいい加減面倒になったので東谷に向けて降下。傾斜の緩い所を選んでいけば難しい点はありません。

ここからは沢登り。それものんびりな沢歩きで難しい点は一切ありません。
15分程、気ままに歩いたら滝前に到着です。ゲート前から歩き始めて50分でした。以外と時間掛かりましたね。


遠くに落ち口が見える分岐瀑。あれ? 水が少ない? 写真で見ていた滝と違うような?
首を捻るが目の前には確かに水が流れているので滝で間違いないだろう。
これが評判高い東谷? 噂の? 確かに大きい滝ではあるんですが水量乏しいし何というか滝のパワーを感じられない。
何ともガッカリで、こんなに喜べないのかと立ち尽くしてしまいました。

車に戻って明日行く滝へと気持ちを切り替えようかと思いました。
それでも、せっかく来たのだからと見えてる滝よりも奥に流れている水流を確認しに行きました。


左側の滝を通過し、奥に向かう

これです。これが肝でした。


右側にも滝が!

みなぎるパワー!

途端にクラッカーが鳴り響き、サプライズケーキが登場。
ハッピー バースデー!

岩肌一杯にワンサカワンサカ水を流れ落とす大放出の分岐瀑が現れた!
ここの滝、上部で別れて二俣の滝になっているようで、最初に出会う左側の滝と奥の右側の滝では水量が1対9くらい違ってました。嫌らしい事に奥の右側は、左側の滝が見えた時点では完全に死角になっていて存在に気付けないんです。

やられた! なんてサプライズ!
待て待て待て、慌てるな。これは孔明の罠だ。
からの「げぇ! 関羽!」くらい驚きました。

滝のパワー、半端ない。グイグイ攻めてくる感じ。
滝は階段状になっていて登っていけます。竜の背中に乗ったような浮遊した感覚。
ガチのマジで遊べる滝です。滝の中を歩いてこそ、この滝の良さが分かると思いますので、ぜひ沢靴で訪れて下さい。



評判高いのも納得です。嶽谷滝と東谷F1、こりゃセットにしますよ。どっちも素晴らしい。
直瀑と分岐瀑でジャンルは違うけれど、これは甲乙つけられない。
妻と娘から「「私たちのどっちが大切なの!?」」って言われても
「どちらも大切だよ」
としか言いようがありませんよね。

14:55 ゲート前 出発
15:45 東谷F1 到着
16:40 出発
17:25 ゲート前 到着


ログ

※ちなみに、A氏は自分ではないですよ。私は誕生日なんて、祝われませんから〜! 残念!
(昨年は誕生日の4日後にケーキが出ました)

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