小足沢大滝

Data 住所 日光市
評価(5段階) ★★★★★
難易度(5段階) ◆◆◆◆◆
現地へ 中禅寺湖の南西部。国道122号から県道250号へ北進。終点となる銅親水公園に駐車し、林道を進む。中盤は沢登りとなり、後半は尾根を登り、その後に急降下。片道4時間ほど。
コメント BAL「小足沢……」
小足沢「おう……」
BAL「足尾NO.1の秘境の滝下に 今日は行かせてもらう」
高砂・武藤・神「!」
清田「んだとォ!?」
小足沢「お前にゃ無理だ BAL」
BAL「オレじゃない ウチの江戸切子がやる」

滝仲間がこぞってこの難関の滝の写真を上げていました。レポを読む限り、自分には無理だとあっさり投げ出してしまうような怖さと難しさが書かれていました。
でも安西先生が「諦めたら試合終了ですよ?」と投げかけてくれて、更にパンダさんが親切かつ割と安全なルートをHPに載せてくれていて、何とかなりそうだと江戸切子さんを誘い挑んできました。

銅親水公園の駐車場に停めて歩き始め。すぐにゲートがあるので脇からやり過ごしてだだっ広い林道をひたすら歩きます。
ここの林道は物凄く平坦。今度来る時は絶対に自転車を持ち込もうと思いました。
周囲の山々の絶景を眺めながら歩くので、景色には飽きる事はなく、すげーなぁこりゃと見たことのない岩壁の連なりを遠目に眺めつつ軽快に足を運ぶ。
3キロ程歩いて、第2ゲートが現れて道はここから荒れ始めますが林道はまだまだ先に伸びています。このゲートに自転車が置いてありました。釣りの方でしょうが常連さんはやはり自転車で来るのですね。
今までは整備されてとても歩きやすい林道でしたが、ここからはあまり人が入っておらず、更に崩落地を横切ったりする酷く荒れた道になります。草が生い茂り道が見えづらい箇所もありましたが、落ち着いて見れば道が見えてきます。
そんな道を更に追加で2キロ程歩いてようやく林道の終点。そこは広場になっていて、昔はここでトラックが転回していたのだろうと想像出来ます。ちなみに右手(左岸)を見るとなかなか格好いい滝が落ちています。
まだ小足沢には遠い。ここからは本流の松木川の脇の砂利を踏んで進む。何度か渡渉を強いられるので、苦手な自分にはドキドキもの。比較的水量は穏やかだったのか膝上くらいの深さで踏ん張って進めば何とかなりましたが、油断すると足を持って行かれる恐れのある流速でした。
えっちらおっちら、埋もれたショベルカーを見ながら進んでいき、やがて大きな堰堤が現れる。どっちで越えようかと見渡すと、左岸にピンクテープがこれでもかと言わんばかりに巻き付かれていて自ずとそちらに向かう。右岸からの渡渉になるので、堰堤を一段上に上がった方が楽に渡れます。
親切にロープが下りているし、梯子にもなっているので安心して越えて堰堤の上に。
その先に左岸から三沢が合流し、更に向かうと小足沢の出会い。奥に前衛滝が見えるので分かり易い。
とりあえず前衛滝を写真に収めていると小足沢の右岸の岩壁に青いペンキで"↑"と書かれている。
ここを上がっていくんだぞという案内だが、見て笑ってしまった。こんなん怖くて行けないわ。って隣りをみると江戸切子さんが行きたそうにシミュレーションしているじゃないか。
「まだ慌てるような時間じゃない」と江戸切子さんを落ち着かせる。ここしかないなら腹を括って勝負しますが、安全な道があるはずです。
そんな訳で一旦、松木川へ戻り上流に向かう。
大滝へのアプローチは小足沢の右岸岩壁を登りきり尾根に出て、そこから滝へ下降するのが安全な道であり、その尾根にどうやって登るかが問題です。
先ほどの矢印も岩壁を登って尾根を目指すルートなのは間違いないですが険しすぎる。高く聳える岩壁のどこに安全なルートがあるのか、その答えは松木川の上流にあります。
右手に小足沢右岸の岩壁が相変わらず何者も受け付けないかのように広がっていますが、松木川を上流へ400m程進むと岩壁が終わり、とてもなだらかなガレ斜面が現れます。浮き石が多く落石の心配はあるし、踏み固まっていない柔い斜面なので登るには踏ん張りが必要だけど、滑落の心配はありません。このガレ斜面ならかなり安全に尾根に登れます。
と言いつつこのガレ場は帰りに気付いた事で、僕たちは小足沢の出合から上流へ300m程行った所の岩壁から登り始めました。
ここにも青いペンキで"↑"と書かれていて、ここならちょっと怖いけど行けるかなと思える斜度に落ち着いていました。
「さあいこーか」とヘルメットを被り、江戸切子さんが上がっていく。グイグイと直登していく。回り込めば安全に登れるよと思う箇所がいくつか出たけど、お構いなしに真っ直ぐ上を目指す江戸切子さん。
「まじかよ」と驚きながらついて行く。
木を掴んだり、岩に指をしっかり引っ掛けたりして手足をフルに使っていき、50m程登ると斜度はだいぶ緩やかになり、足だけで上がっていけるようになり一安心。
ジリジリと高度を上げていき、最後の方は踏み跡を追い掛けて、実に190m程上がってようやく前方の視界が開け尾根に辿り着いた。
素晴らしい見晴らし。歩いてきた松木川も見える。ここで一呼吸して、尾根の突端に向かうべく南東に舵をきる。
極端に細い尾根ではないので周りの景色を楽しむ余裕を持ちながら下っていくと、尾根が唐突に岩壁の突端となって進めなくなる。けれど南側から回り込むと安全に尾根へ戻れる。
途中から左手に樹木の合間から滝が見えてきて、無性に下降したくなるけれどここは我慢して尾根を辿る。南東から徐々に北東へと尾根が角度を変えたあたりで終点となる。そこは見晴らし台になっていて、滝の全景がよく見えます。
さてここからは尾根から離れ右岸斜面に入っていく。最初は下降せずにトラバースのように高度を変えず北西へと進む。下りられそうな無理そうな、そんな斜面を右手に見ながら歩いていくと目の前には立ちふさがる岩壁と、ルンゼのような溝が見えた。
ここが安全のように見えるが、それでも一部はストンと切れ落ちているのでロープが必要と判断し気を引き締める。
滝下への道は中々に厳しい……、そんなふうに呟いていると江戸切子さんが"ひょい"と下りていった。絶妙やわ。
ロープを頼りに溝を下っていくと、無事に滝下に到着。真正面に下りてきて早速の飛沫の洗礼に歓喜。
確かに滝前の空間は狭く、落ち着いてザックを下せない。飛沫の飛んでこない場所を探して下流まで行かされてしまった。
ザックを下ろして、写真撮影の開始。カメラを持って改めて滝前に立つと飛沫がブフォと襲いかかって来る。素晴らしい飛沫だが、これでは撮影に支障があるぞ。
構えて撮ってはレンズをフキフキ。カメラのボディもフキフキ。撮ってる時間と拭いてる時間、拭いてる方が長かった気がする。
ちゃんと撮れたと思っていたけど、なんかノッペリした写真ばかりが記録されていました。水の膜が張っていたのか、しっかり拭き取れなかったのかな。
滝前が狭いので、自分の装着している広角側16mm(35mm換算で24mm)のズームレンズでは空を含めた全景は撮れませんでした。この滝には超広角レンズが必要ですね。
カメラを置いて滝前に向かい飛沫を浴びる。良い粒子が飛んでくるが勢いが強いかな。突風でよろける時がままあったくらいだから。もう少し優しいのが好みです。
虹や青空を待ったり、食事したりとのんびりした時間を過ごし、90分の滞在時間を終えて帰路に向かう。

帰路、自分は手痛いミスを犯してしまう。溝の切れ落ちた箇所さえ越えれば殆ど難所はないと安心しきって気が緩んだのでしょうか。
溝を先行して登っていた江戸切子さんが切れ落ちている箇所に手を引っ掛けた時に、岩が崩れたのだ。
「落!」という江戸切子さんの声にハッとして上を見るとラグビーボールよりやや大きい岩が勢い良く落ちてくるのが目に入った。
溝は2人が横並びで立てないくらいの狭さで正直逃げ場は殆どない。
これはモロに当たるんじゃないの、当たったらそのまま転げ落ちてく恐れがあるぞ。擦り傷だけじゃすまない、ヤバい。
右側に体を勢いよくずらし、「当たんなよ!」と願った。
運が良いとしか言いようがない。岩は当たらずにそのまま滝下へと向かって落ちていった。
ホッとした後に猛省。落石の恐れがあると分かってる場所で(下降時も危うく浮いてる岩は投げ捨てたりしていた)縦に直線状になって登っていたのは大バカ者である。
このような危険な場所では、落石の心配がない地点で待機して、先行者が無事に越えたら次の人が取り掛かる(その時に笛を鳴らして合図を送るのが望ましい)。
それなのに、普通の道かと言わんばかりに真下にいたのでは当たってくれと言ってるのと一緒だ。危うく5ファウルで退場になる所だった。江戸切子さんに心配を掛けてしまったし、本当に酷い行動に「こんなに自分に腹が立ったのは生まれて始めてだ」と拳を震わせてしまった。

溝を登り終えて、尾根に復帰したらあとは難しい所はない。それでも先ほどの失態を胸に緊張感を切らさずに行動をした。北東へと尾根を上がっていき、先述した緩やかなガレ場を落石に気をつけながら下り松木川に戻った。
途中の枝沢となるウメコバ沢に立ち寄って、その後は黙々と林道を歩きゴール。
江戸切子さんが居てくれたお陰で、安心して挑めたし楽しい滝巡りになった。本当に感謝です。

滝仲間と沢山出会い、色々とお世話になっています。本当に凄い人ばかりでいつも頼ってしまったり、教わってばかり。
自分が率先して滝下を目指す事もあるけれど、今回は若きエースの江戸切子さんに先行して頂いた。

うちには滝下をガンガン目指す仲間がいる。俺が滝下を目指さなくても良いのだ。
俺はチームの主役じゃなくていい。



(……話の主役であれば) "


ちなみにスラムダンクで一番好きなキャラは水戸洋平で、好きなシーンは陵南戦で木暮が3Pを決める所です。
他写真
訪問日 2016/09/10

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