巣之浦川大滝

Data 住所 小林市
評価(5段階) ★★★★★
難易度(5段階) ◆◆◆◆
現地へ えびの高原の東部。県道1号から生駒高原で南進。ゲート前で駐車し林道を進む。案内はないが林道と作業道を利用するので歩きやすい。1時間ほどで滝前に至る。
コメント
"待"ってたぜェ! この"瞬間(とき)"をよォ!!

なんなんだテメエ? お、コラぁ!?
・・・"素敵"すぎるじゃねーか!!

この奇特な滝前の空間に立ったとき、あまりにも感動で興奮してしまい、何故かキレてしまいました。
美人すぎる○○(職業)がテレビでよく紹介されているけれど、この滝はステキすぎる滝なんですよ。
水量がそれ程多くないのが唯一残念な点かも知れないけれど、滝の落差は50m級で申し分ない大きさです。まあ何と言っても滝前の異質さがご褒美すぎる。
横縞のカーテンのようにそびえ立つ岩盤、そこから滲み出ている潜流瀑はほぼ180度見渡す限り水が落ちていて、滝に包まれている状況。視界一杯に滝が見えるこの空間には大興奮。
そして極めつけは小豆色の小石で埋め尽くされた滝前の広場。一体どこからこの小石が出現したのか無学の私には分かりませんが、一つ言えるのは、今まで数々の滝を見てきた自分ですが、まさか想像すら出来ない滝前に出会えるとは思わなかったって事です。このような滝前はここだけだろうと確信出来る程、奇異な存在です。
目を疑うような光景に立たされたら、そりゃキレますよ。キレさせたら対したもんです。かのレスラー(とモノマネ芸人)が言いましたね。キレちゃいましたよ、俺は。だから対したモンです、この滝は。

林道歩きがメインの滝。近くに行くまでは歩けば見れます。ただし、滝前に立つにはロープを持参するのが無難です。川の中に入る事はないので登山靴でも行けると思います。
県道1号、生駒高原の交差点を南に進み、真っ直ぐ走っていくとY字路となり右手には車両侵入禁止のゲートが見えるので、その付近で駐車。本日は日曜日、生駒高原でイベントを催しているようで賑やかな音楽を遠くに聞きつつ出発の準備。
滝はゲート奥にありますのでその脇を通り過ごし、そのまま林道を歩いていきます。林業が盛んのようで杉の木が沢山切られて積み重ねられていました。平日の訪問だと仕事の邪魔になってしまいそうです。その点では仕事休みである日曜に訪ねて幸いだったと思います。
寡黙に歩いていくだけです。途中のY字路を左に進むのを間違えなければ迷いようがありません。
三度目となる橋で林道歩きは終了です。
よくよく整備されている林道は北西に向かって伸びていますが、ここからは南に折れます。巣之浦川の左岸には堰堤工事で造られた重機用の幅広の道があるのでそれを利用して、いくつもの堰堤を越えて行きます。
しばらく軽快に歩いていくと滝の落ち口が見えてきます。さすがに大きな滝なので遠くからでも視認できます。水量があれば音でも気付くんですけどね、音は本当に近くまで行かないと聞こえません。その落ち口を目指し、あとは導かれるように左岸の踏み跡を辿っていけば滝の手前に到着です。ゲート前からちょうど1時間でした。
ここからはほんのちょっといやらしいです。草付きの岩場を登る必要があります。細かい石が乗っていて足を乗せるとその小石で足元を掬われてしまう恐れがあるので注意が必要です。
帰りの下りの方が滑落しやすいので、上部にある木にロープを掛けておくと安心だと思います。
そして見えてくる滝前。落ち口から宙を舞う直瀑を正面に、左右に広がる潜流瀑。なにこの小豆色? これが滝前なのか? おいおい、ふざけてんじゃねーぞコラと岩盤に向かってメンチを切る自分はひどく滑稽です。
落ち口から飛び出して、岩盤に当たって散布される水の姿はもう素敵としか言いようがない。主瀑だけでも見事なのに、脇を添える潜流瀑にも驚かされる。主張が強すぎてどこに喧嘩売れば良いか分からなくてパニックです。感動としか言いようがねーよ馬鹿野郎! もう悪口なのか褒め言葉なのか自分でも分かりません。
 
ひとしきり撮影に集中して、落ち着いた頃、右手から入ってくる枝沢のような勢いのある滝の流れが気になってその水の右脇を登ってみました。辿り着いた先は、立ちふさがる岩盤であり、そこにポッカリと口を空けて大量の水を放出していました。これもまた潜流瀑なのだとは驚きです。
だいぶ高い位置にきたので、ついでに主瀑に近付いてみると容易に岩盤の上に乗れました。直瀑の裏見が可能、いや裏見というより浴びているのが正解かな。真下に小豆の滝下が見えて肝が冷えます。
再び滝前に戻ってのんびり。水量が多くはないので飛沫は少なく、目の前にいてもびしょ濡れになる事はありません。視界一杯に広がる滝世界と真下の広がる赤い広場、その独特な景観に感情が揺さぶられ過ぎましたよ。帰るときも名残惜しく何度も振り返りました。
"サイッコー"じゃん! また"遊"ぼうゼ? 水量の多いときはどんな姿を見せてくれるのか、今度来るときはそんなタイミングで会いたいですね。
他写真
訪問日 2016/05/15

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